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2021年

12月

01日

母校の思い出話「鈴懸の径」

壁の飾りをかえました。鈴木章治とリズムエース「鈴懸の径」作曲:灰田有紀彦

 読み方は「すずかけのみち」プラタナスの並木道という意味です。

原曲は昭和17年灰田勝彦さんが歌いました(写真4)、後年クラリネット奏者の鈴木章治さんがスイングジャズにアレンジして演奏し人気が出て昭和32年にレコード化。灰田勝彦さんの母校、立教大学には鈴懸の並木道があります。歌詞は母校の並木道を歩いた学生時代を懐かしむというものです。

 院長はこの曲を聴くと母校の阪大(1)を思い出します。医学部の前に長い並木道があって(2)(写真3)、プラタナスでなくケヤキだったと思います。秋と冬は紅葉が、夏は緑が、春には桜の木もあって美しいです。

 さて医者の業界話です。ほとんどの医者は大学という場に対して特別な感情を持っています。他学部の大部分の人にとっては大学は若い頃の一時的な通過点であって、卒業すると社会人になりそっちの方がホームグラウンドとなって大学とは縁が切れます。でも医学部はとにかく大学にかかわる年数が長い。学部6年、卒後研修で2年から5年、大学院で4年、他に研究生などで数年。そのうえ学内に残って就職なんてしたらトータル何十年も在籍することになります。いつまでたっても大学にいる感覚で、気が付いたら人生の半分くらい大学です。単に授業に出て試験受けて卒業資格をとるだけの所でなく、何年も修行し職能を身につけ成長して人生を過ごす場なんですね。もちろん大学は短期間で出て外の病院で修業する先生もたくさんいますよ。

 私は平成2年入学、平成25年に大学を退職しましたから、23年間ずっとダラダラ大学人生でした。退職して診療所を開業したときこれで大学を「卒業」したんだなと思いました。ずっと大学に守られていたから外に出てはじめは怖かったですね。辞めて5年ほど経ってようやく大学の色が抜けてきたなあと感じるほどでした。

 昔の阪大はかなり放任主義でしたからいい加減な私でも卒業させてもらえました。その後も嫌なこと苦しいこともあったけれど、うれしいこともいいこともたくさんありました。自分を育ててくれお世話になった大阪大学に本当に感謝しています。

「鈴懸の径」郷愁のクラリネットを聴くといつもあの並木道が眼に浮かびます。(院長)

 

(1)関西人は大阪大学のことを阪大(はんだい)と呼びます。大学1-2年は阪急石橋、3-6年は吹田キャンパス。

(2)東西まっすぐの道で附属病院(写真2)から医学部事務棟、講義棟、図書館まで連なっているのです。

講義をサボって外でタバコ吸ったりおしゃべりしたり、試験対策のプリントをもらったり、ここでいい友達にも出遭えました。あの頃はのんびりしていました。

 

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2021年

11月

17日

宝塚宙組「プロミセス・プロミセス」

宝塚宙組「プロミセス・プロミセス」梅田芸術劇場シアタードラマシティ2021年11月13日~18日

 2週連続宝塚で恐縮です。1960年の映画「アパートの鍵貸します」をもとに1968年にブロードウエイで舞台化された作品です。

 主演の芹香斗亜さんは二番手歴が長く芸の幅が広い!芝居も歌も上手、表情の作り方、セリフの間、素晴らしい。さらに笑いのセンスも最高です。ここのところシリアスな役が続いた芹香さんですが今回はコメディーなので客席が爆笑の渦でした。娘主役の天彩峰里・フランも複雑な人物描写を芝居と歌で表現されています。

 和希そらさんがフランと不倫関係にあるカッコイイ目のオジサンを演じます。この演技が貫禄があって実にシブい。加えて低音ボイスでの歌上手です。

 そして特筆すべきは留依蒔世さんの大活躍です。普段は男役さんですが二幕目バーでチャック(芹香)がたまたま知り合う女の役を演じます。この芝居が、パワフル、セクシーでかつ留依さんですから爆笑なのです。そしてその直後役を早変わりしてフランの強面なお兄さん役に早変わりします。こっちはいかにもガラが悪くて、気が短くてコワいお兄さんの役です。留依さんは声が大きくて歌が超絶ウマいことで定評があります。今回も舞台を大いに沸かせてくれました。また観たいなあ。

 専科から輝月ゆうまさん(元月組、愛称まゆぽん)が出演、この人も歌ウマの芝居上手で、月組の頃から大好きな男役さんです。

 さらに言うと宙組99期の若翔りつさんもすばらしい演技と歌です。不倫オヤジ役なのですがこれが本当にスケベな感じが出ているのです。若翔さんは男役を究めるため昔の映画やTVドラマなどを研究しているそうです。

 若手で注目している聖叶亜クン、セリフは少ないですが華があります。特に深夜のバーでは色男の役、魅力ありますね。今後の活躍が楽しみです。

 よく考えると院長の好きなジェンヌさんがたくさん出演して皆さんの魅力がつまった作品だったなあと思います。動画配信やDVD化はないと発表されました。もう一度見たかったのですが残念です。実況録音CDは発売されるそうなので楽しみにしています。 (院長)

 

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2021年

11月

10日

宝塚花組「元禄バロックロック/Fascination」

 院内の飾りをかえました。

 宝塚花組「元禄バロックロック/Fascination」宝塚大劇場2021/11/6-12/13

 新しい娘役トップ星風まどかさん大劇場お披露目の公演です。「元禄バロックロック」は日本の江戸に似た架空の都市「エド」で繰り広げられる物語です。忠臣蔵を土台にしていますがその通りではなくオリジナルストーリーといってよいです。衣装や舞台などが華やかで確かに「バロック」的です。これを一つ一つ観るだけでも楽しめます。話は時を巻き戻す時計がカギになっていて主役は元赤穂藩士で時計職人の「クロノスケ」と「時」にちなんだ名前です(クロノスはギリシャ神話で時の神様)。その他も一見ハチャメチャな設定ですが芝居が進むと、ああなるほどと納得する経過をとります。そして最後は忠臣蔵とは異なるハッピーエンドで結ばれます。本公演、男トップ柚香さんと娘トップ星風まどかさんの取り合わせがすばらしいです。まどかちゃんが本当に幸せそうな表情をされるので観ているこちらもハッピーになります。

 院長の好きな歌ウマの和海しょうさんは賭場の場面で見事なラップを披露してくれます。そして今回の見どころ、普段は娘役の音くり寿さんが幼い将軍ツナヨシを演じます。宝塚では娘役が少年を演じることはよくありますが、今回の音さん特にいい味の芝居なんですね。

 ショーはFascination、花組設立100周年記念です。とにかく華やかで優雅です。今回は白燕尾も黒燕尾も両方あり、そしてこれを上から下級生まで出演するという豪華さです。最近注目しています泉まいらさんのホットなダンスがキレキレです。新しく双眼鏡を買って注目しております。さらに花組100年の歴史を振り返る名作再演あり、銀橋での歌い継ぎあり(院長の好きな和海しょうさんの歌、ものすごく響いてます。)、これこそ伝統の宝塚的なショーです。そしてフィナーレではトップコンビのデュエットダンスで柚香さんが星風さんを高速リフトする、二人の踊りの技術が高いからできる技でこれは見どころです。

 皆様機会がありましたらぜひ花組の舞台をごらんください。 (院長)

 

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2021年

10月

27日

大人の歌謡曲「赤坂の夜は更けて」

壁の飾りをかえました。

西田佐知子「赤坂の夜は更けて」(1)昭和40年、作詞・作曲:鈴木道明、編曲: 川上義彦

 前回の園まり「逢いたくて逢いたくて」と同年、同じ日本ポリドールレコードからの曲です。西田佐知子さん26歳ですよ、この時代の歌手は大人っぽいです。前回お話したように昭和45年頃までは歌謡曲は大人のものでしたから。

 曲はスローなスウィングジャズで、クラリネットとピアノがしっとり響いてカッコいいムードですね。そして西田佐知子さんの歌が本当にすばらしいのです。西田さんの歌唱法は当時の歌手のなかでは少数派のノンビブラート(2)、これが本曲ではけだるい感じが出て、聴く者を否応なしに都会の夜の雰囲気に包むのです。とにかく表現力がすごいですね。西田さんの声を盛り立てるポリドール(=日本グラモフォン)の録音も特筆ものです!ほんとにジャズクラブで目の前で歌っている感じ。さすがクラシックの名門グラモフォンの流れをくみ、洋楽輸入も盛んであったポリドールの技術です。なお、この時代昭和40年頃から他社も含めて録音がかなり良くなってきます、なかでもポリドールと東芝が群を抜いていると思います。

 皆様、秋の夜長にぜひ「赤坂の夜は更けて」をお楽しみください。 (院長)

 

(1)この曲は島倉千代子、マヒナスターズなど他の歌手との競作でした、西田さんの盤が最も売れたそうです。

昭和40年10月発売で、同年大晦日の第16回NHK紅白に出場しています。

(2)ノンビブラート唱法は他に有名なのがいしだあゆさんです。西田さんは曲によって歌いかたを使い分け表現力がありますね。

(3)ボーカルの音があまりに鮮明、ノイマンのマイクじゃないでしょうか?と勝手に思っています。

 

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2021年

10月

13日

アイドル時代前のかわいい路線「逢いたくて逢いたくて」

壁の飾りをかえました。

園まり「逢いたくて逢いたくて」昭和41年 西野カナとちがいますよ。

作詞:岩谷時子 作曲:宮川泰 編曲:森岡賢一郎。 

 歌った園まりさんは当時の女性歌手としては珍しく「かわいらしさ」が売りでした。昭和40年代前半までは歌謡曲は大人のものでしたから、女性歌手は「大人らしさ」が求められ、「かわいい」はむしろ避けられていました。だからこの時代の女性歌手は今の感覚ですと見た目も歌う曲も実年齢より大人っぽいです。園まりさんのかわいい路線は新鮮だったのでしょう(1)、たいそう人気があったそうです。

 作者は前回のピーナッツに引き続き岩谷・宮川コンビです。もともとザ・ピーナッツが歌った曲(2)を作りかえたリメイクです。岩谷時子さんが園まりにあうよう詞を書き換え、曲の方も森岡賢一郎さんが編曲し印象的なトランぺットをフィーチャーし、大ヒットになりました。ザ・ピーナッツでは当たらず、園まりでヒットした、というのは曲・詞・編曲そして歌手すべての相性が良かったからでしょう。発売日は昭和41年1月6日ですが、発売前昭和40年大晦日のNHK紅白で唄っています、プロモーションのために先行出場したのでしょうか、不思議です。

 メロディーはゆったりしたノスタルジックなメロディ(3)、園まりの囁くような声がよく合うのです(4)。さてレコードで聴くと目の前でうたっているように聞こえるんですよ。これは日本ポリドールの録音技術によるところ大と思います。ポリドールはドイツ・グラモフォン社と関係が深かったのでドイツ製の高性能マイクロフォンなど録音機器が充実していたそうです(5)。この明瞭な音声はノイマンあるいはテレフンケンのコンデンサーマイクで録音したに違いないと院長は勝手に妄想しています。皆様ぜひ園まりさんの歌を再度お聴きになってください。 (院長)

 

(1)アイドルは未成年のかわいい芸能人を若い世代をターゲットとして売り込むビジネスモデルのことで、昭和45年頃から生まれた概念です。

(2)「手編みの靴下」 昭和37年作詞:竹内伸光・岩谷時子 作曲編曲:宮川泰 

(3)「港が見える丘」昭和22年 平野愛子 を参考に作曲したと言われます

(4)独自の甘く囁くような艶っぽい「園まり節」は宮川泰が1小節ごとに声の出し入れや言葉の徹底指導をしたという。馬飼野元宏 他「昭和歌謡ポップスアルバムガイド」シンコーミュージック 2015, p45 

(5)特定ラジオマイク運用調整機構レポート No70 H15.1.1「私とマイクロフォン」 第5回 大野 進

 

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2021年

9月

29日

宝塚星組「柳生忍法帖/モア・ダンディズム」

宝塚星組「柳生忍法帖/モア・ダンディズム」宝塚大劇場2021/9/18~11/1

 柳生忍法帖は山田風太郎さんの小説の舞台化です。仇討ちを誓った女性たちを柳生十兵衛(トップ礼真琴さん)が助太刀するというストーリー。テンポよく進み登場人物も多いので1回目はついていけませんでしたが2回3回とみると次々味が滲みだしてくるタイプのお芝居です。十兵衛はめちゃくちゃ強い武士です。しかし実は女の人に優しく、お父上には頭が上がらない。武芸者として完璧なのに弱みもあって憎めないところがよりひきつけられます。劇中歌もいいのです。礼さんが超歌ウマで聞かせてくれます。楽曲そのものが良いうえにベースラインもメロディアスで聴き入ってしまいます!

 さて今公演では院長の大好きな愛月ひかるさんが退団されます。大変残念です。愛ちゃんはカッコいい悪役がぴったりなのです。今回はまさにそんな役で、芦名銅伯という霊力をもった108歳の超人みたいな人物で、十兵衛の敵役です。愛月さん本人が「ラスボス」とおっしゃっています。その通り凄みある迫力の名演技です。院長が見たかった愛ちゃんはコレなんです!もう一役、銅伯の双子という天海大僧正も演じわけておられここも見どころですね。

 ショーはモア・ダンディズム、95年真矢みきさん以来何度も再演されたレビューです。これが本当にカッコいいんです。開幕からの鮮やかな衣装と踊りに眼を奪われます。「キャリオカ」は黒燕尾と娘役さんと組んで舞踏会、宝塚らしい場面です。そして愛月さんのソロ歌唱があります。銀橋渡りで「薄紫のとばりの向こう」、そして「ゴールデンデイズ」では白軍服で颯爽と登場、貴公子姿です。愛月さん自身が熱烈な宝塚ファンであり、クラッシックな宝塚を演じたいという希望があったということで、正統派宝塚的な本当にいい場面です。フィナーレ前の「アシナヨ」場面、トップの礼さん舞空さんと愛月さん3人の場面でのデュエットダンスと歌唱は愛月ファンとしては泣いてしまいます。

 さてこの他にも見所が沢山です。「ハードボイルド」場面で漣レイラさんのド迫力ダンスにぜひ注目して下さい。カッコよすぎてこの場面漣さんに眼が釘付けです!漣さんも今回で退団なのが寂しいですね。同じくハードボイルドの出だし、瀬央ゆりあさんと綺城ひか理さんの男役同士のタンゴも決まっています。

 皆様ぜひ星組の舞台をごらんください。とくに今回退団される愛月ひかるさんの男役道の極みをご堪能ください。 (院長)

 

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2021年

9月

15日

岩谷時子の世界「ウナセラディ東京」

 壁の飾りをかえました。ザ・ピーナッツ「ウナ・セラ・ディ東京」昭和39年、作詞:岩谷時子 作曲:宮川泰、編曲:東海林修

 勝手にシンドバッド」は「ザ・ピーナッツの『恋のバカンス』のような曲調をイメージして作った」と桑田さんが話していたということですが、私はこの歌の方が近いような気がします。

 ザ・ピーナッツのハーモニーも素晴らしいし宮川泰さんの曲もいい。そして何より岩谷時子さんの歌詞がほんとうに感動するのです。最後の段「街はいつでも後ろ姿の幸せばかり ウナセラディ東京」これが心に刺さるんですよ。この最後の文句が追加されることでこの歌は心情と空間と時間の奥行きが広がるのだと思います。

 ところが色々調べてみると、この名文句は岩谷さんが即興で苦し紛れに作ったというのです。この曲はもともと昭和38年「東京たそがれ」という題で録音・発表されたのだそうです。昭和38年9月25日東京の文京公会堂で録音する際になって、宮川さんが楽譜をアレンジし最後の段(Aメロ)6小節を追加したのです。当然歌詞がたりなくなってしまい、その場で岩谷さんが急遽6小節分作詞することになったのです。今にも雨が降りそうな夕方、楽団を待たせて、作詞に困ったなあとロビーからガラス窓越しに外をみると、若いサラリーマンの白い背中が見えた、それが輝いて見えた、これをもとに「街は後ろ姿の~」という歌詞を思いついたのだそうです。岩谷さんは「でたらめに出した言葉なんですけど」と述懐されていました(1)。

 それにしてもこんなことがあったとは知りませんでした。即興でこんな至高の詞を編み出せるとは岩谷時子さんの言葉のセンスは超越していますね。

 初版の「東京たそがれ」はちょっとモッタリしていて目立たずヒットしませんでしたが、イタリアの歌手ミルバがカバーして注目を浴び、ザ・ピーナッツも東海林修さんでアレンジしなおし題名を「ウナセラディ東京」として昭和39年再発売したところ大人気になったということです。他にマヒナスターズや西田佐知子さんも同曲を発表し皆さん持ち味を出しておられます。

 皆様、昭和の名曲「ウナセラディ東京」ぜひ聴きなおしてみてください(2)。 (院長)

 

(1)2007年のNHK番組で岩谷時子さんが話されている映像があります。なお最後の文句は元々「one night in Tokyo」だったのですが、当時カンツォーネが流行っていたのでディレクターの発案でイタリア語「una sera di Tokio」にかえたそうです。確かにイタリア語の方がいいですね。

(2)レコード録音バージョンもよいですが、院長お勧めは昭和44年紅白出場の名演を聴いていただきたいです。

 

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2021年

9月

01日

宝塚花組「哀しみのコルドバ/Cool Beast !!」

宝塚花組「哀しみのコルドバ/Cool Beast !!」全国ツアー2021年8月25日~ 9月14日

 新トップコンビお披露目公演です。新娘トップ星風まどかさんは以前宙組真風さんの相手役で活躍されていました。今回花組で柚香さんと組むことになり、また別の魅力あふれる素敵なコンビですね。柚香さんと自然な並びであるように思います。歌と踊りともに上手な星風さんとのコンビこれから本当に楽しみですね。

 哀しみのコルドバはスペインの悲恋物語です。トップ柚香さんはスペインの闘牛士エリオを演じます。カッコイイですね。エリオと結婚するはずだったアンフェリータ役の音くり寿さんが切ない心情を好演するのです。院長の好きな和海しょうさんは闘牛士の頭領アントン・ナバロの役です。エリオ(柚香)を父親代わりに面倒をみて闘牛士に育て上げ、数日後には自分の娘がエリオと結婚する予定でした。しかしエリオはほかの娘(エバ:星風まどか)と恋仲になり、裏切られることになります。それでもアントンは冷静沈着に対します。包容力がある人の役です。この時後ろを向いて無言で悲しむ父親を背中で演じる場面が泣けてきます。和海さん重厚な芝居にますます磨きがかかっています。

 後半のショー Cool Beast は大劇場公演の再演。メンバーが入れ替わり、構成が少し軽くテンポになって、あっという間の55分でした。ダンサー柚香さんの踊りが更に優雅に妖艶です。前回退団公演だった瀬戸かずやさんの役は永久輝せあさんがかわります。また雰囲気がかわってよいですね。

 このショーには聴かせる歌の場面が沢山あって、美穂圭子さん、和海しょうさん、羽立光来さん、音くり寿さんと名歌手の歌唱が堪能できるのもCool Beast の楽しみです。

 最近院長がお気に入りの若手男役100期の泉まいらさんも活躍されていて嬉しいです。花組イチ笑顔が合う男役さんだと思います。歌が上手いうえに、そして踊りはホットなダンスを披露してくれるのです。皆様ぜひ泉まいらさんにご注目お願いします。

 魅力たくさんの新しい花組、皆様機会がありましたらぜひご覧ください。 (院長)

 

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2021年

8月

25日

昭和53年の夏「勝手にシンドバッド」

壁の飾りをかえました。

「勝手にシンドバッド」昭和53年サザンオールスターズ、作詞作曲:桑田佳祐

 言わずと知れたサザンのデビュー曲です。音楽的なことは語りつくされているので、個人的想い出話をさせてください。

 夏が終わりに近づくと院長はこの曲を思い出します。歌詞が夏の日の思い出だからでしょうか。でも発売日は昭和53年6月25日なんです。

 この曲が流行り出した瞬間を鮮明に覚えています。当時私は中学受験をひかえた小学6年生でした。週5回だか6回か塾に通って、帰りの電車で携帯ラジオにイヤホンさして「MBSヤングタウン」(1)を聴くのが楽しみでした(2)。ラジオCMで「勝手に~」が流れてくるのです15秒間、それもかなり頻繁に。刷り込みみたいになりました。もちろん深夜放送でもよく流れていましたよ(3)。フルコーラス聞けると得した気分になったものです。

 とにかくものすごい衝撃でしたよ。何じゃこりゃー!的な。もちろん学校でも大騒ぎの人気でした。あの早口の歌詞は何て言ってるんだ?そしてマネしたい!人気者になれるから。やっと買ってもらえたラジカセでラジオを録音して何度も聴きました。でもやっぱり歌詞がわからないんですよね。レコードを買ってもらった子に教えてもらったり、雑誌「明星」なんかに歌詞が載ってるのを教えてもらったり、という雰囲気でした(4)。ラテンとロックと歌謡曲的要素を混ぜたスピーディなサウンドは、音楽とかロックとか聞いたこともない小学生の心をガッチリとらえました。

 いま調べてみますと発売直後はそれほどではなかったのが、じわじわ話題になり、7月31日(月)に、フジテレビ「夜のヒットスタジオ」出演、8月31日(木)にTBS「ザ・ベストテン」の「今週のスポットライト」コーナーに出演したあたりから大ブレイクしたようです。おそらくラジオコマーシャルも7-8月に打ってたのでしょう。

 音楽面ではロックの人が歌謡曲との垣根を取り払った金字塔的な一曲と言われます、本当にそのとおりと思います。今回調べていてなるほど!と思ったことですが、桑田さんは歌のメロディーは歌謡曲っぽく作曲したそうです。ザ・ピーナッツみたいな感じにしたかったらしいです。確かにゆっくり歌えばちょうどピーナッツの「ウナセラディ東京」になりますね。さすが歌謡曲も大好きな桑田さんです。

 そういうわけで実体験でも夏の終わりの歌なんですね。とにかく昭和53年夏の音楽シーンはアツかった。   (院長)

 

(1)MBS毎日放送の若者向け番組、22-25時放送

(2)当時の中学受験は今ほど厳しくなくのんびりした雰囲気だったように思います。私の志望コースが最難関でなかったからかもしれませんが。

(3)毎日放送「ヤングタウン」、朝日放送「ヤングリクエスト」、ニッポン放送「オールナイトニッポン」、ラジオ大阪「サタデーバチョン」 なんかを聴きましたね

(4)当時コピーは高額だったのでもちろん手書き写しです

 

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2021年

8月

04日

ロックンロールの名作「渚のシンドバッド」

暑いですね皆様お元気でお過ごしでしょうか。壁の飾りをかえました。

「渚のシンドバッド」ピンク・レディー 昭和52年作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一 

 小学生だった当時、ピンクレディーは女の子だけが騒いでいて、男子にとっては興味の対象外でちょっと小バカにしていた、という雰囲気だったと覚えています。院長はその後ロックやリズム&ブルースなんかに出会って、長らく忘れていたピンクレディー、大人になってからロックの耳で改めて聴きますと魅力がいっぱいなんですよね(1)。

 都倉俊一得意のせり上がりストリングスと金管で豪華に飾られていますが、この曲の根本はシンプルなロックンロールなんです。バックのギターリフはおなじみの5度-6度です(2)。ギターの歪ませ具合(ディストーション)もロック的ですね。メロディー間の連結に凝ったコード進行を入れたり、そしてピンクレディー特有の裏打ちリズム、随所に都倉先生の技が光ります。ミー&ケイのハーモニーもすばらしい。シンプルな2声ながら実にロック的なところが味わい深い。ここは2人の声質の取り合わせも関係しているのでしょう。ブルーノートが要所に入っていてカッコいいいですよ(3)。おそらく当時の小学生はTVを見るだけではなかなかコピーできなかったのではないでしょうか?だから覚えるためにみんなレコードを買ったのですね。

 本当にロックンロールの名作だと思います。暑い季節ぜひこの一曲をお聴きください。 (院長)

 

(1)ピンクレディーの思い出話をすると必ずミーとケイどちらが好きかと問われます。院長はケイちゃん派です。

(2)ビートルズ”I want to hold your hand”チャックベリー”Johnny B Goode”などのバックのギターです。

(3)「ああ 渚のシン”ドバッド”」、「もうあなたにあな”たに溺れる”」のところなど。これがキャンディーズだと正統派お行儀のよい和音になるんですよね。

 

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2021年

7月

21日

日本が元気だった時代「東京五輪音頭」

 壁の飾りをかえました。

 三波春夫「東京五輪音頭」昭和38年 作曲:古賀政男、作詞:宮田隆。昭和39年(1964)東京オリンピックのテーマソングです(1)。

 内科医の立場から申し上げると、2021年オリンピック開催には反対ですね。明らかに感染拡大の要因になりますから。やるよりやらない方が良いに決まってます。なお院長はオリンピック見たいかというと、個人的にスポーツにあまり興味がありませんので(2)オリンピックはどうでもいいという気持です。

 さて皆様昭和38年のこの曲をぜひお聴きください。オリンピックという国際的なお祭りのテーマに、日本ローカル音楽形式である音頭を持ってくる、およそ国際的からは遠い日本内輪受けの曲です。グローバル社会の現代ならむしろ日本オリジナルを強調していて良いかもしれません。

 昭和30年代は国民の多くがまだ日常的に音楽を愉しむ余裕などなく、また今より都市と地方の格差があった時代です。戦後の歌謡曲は当初ジャズやラテンなど洋楽をもとにした曲中心に広がりました。いわば都会向け洋楽です。そのうち日本が豊かになるにつれ地方出身者も、また洋楽に興味のなかった者も娯楽として音楽を聴くようになります。その流れで登場したのが民謡や浪曲ベースの歌謡曲です。三橋美智也、村田英雄、三波春夫はその代表です。こういった歌が登場する(歌謡曲の流れでは新しいジャンル)ということは、この時代に日本が豊かになり音楽を聴く層の裾野が広がってきたことを意味します。

 この時代の出来事です。東京オリンピック 昭和39年10月10日。新幹線開業 昭和39年10月1日。首都高速開通 昭和37年12月20日。

 敗戦後19年で日本はここまで復興し豊かになれた。当時の日本人はうれしかったでしょう。明日に希望を持ったと思います。

 他方、たかだか20年程度で国が凋落するのをリアルタイムで私たちは眼にしています。今回2021年のオリンピック、無様なことにならぬよう祈るばかりです。 (院長)

 

(1)複数レコード会社で多くの歌手の競作になりました。最も売れたのが三波春夫(テイチクレコード)版で130万枚売れたそうです。私も三波さんバージョンしか知りませんでした。

(2)院長のスポーツへの関心は、阪神が勝ったらうれしいという程度です。

 

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2021年

7月

07日

宝塚星組「マノン」

2週連続宝塚で恐縮です。

宝塚星組 「マノン」宝塚バウホール2021年7月1日〜7月12日

 原作はアベ・プレヴォー「騎士デ・グリューとマノンレスコーの物語」

男を破滅させる魔性の女を意味するファム・ファタール(1)を描いた最初の文学作品ということです。原作はフランスでの話を本作では舞台をスペインに変えています。

 こんな話です。恋多く贅沢好きな魔性の女マノン(有沙瞳)に、純粋な(というかちょっとおバカ?)貴族のボンボンのロドリゴ(愛月ひかる)が盲目的に恋をする。貴族の実家を飛び出し二人で暮らすが、収入がない上に娘の兄にたかられ金を失う。留守の間に金持ちのオジサンに女を横取りされるがそれでもあきらめきれず。金を得るためバクチに手を出すも結局は有り金をすべて失う。娘の兄の計略で貴族のオジサマをだまして金を巻き上げようとするがバレてしまい、その上イカサマカードの罪をなすり付けられ逮捕収監。実母と友人の計らいで監獄から修道院預かりになったのに、マノン会いたさに親も友人も裏切り脱走、挙句の果てに人殺しするまで転落してしまう。

 いや~これはどこからどう見てもダメ男の話です。いい所が一つもない。しかも不幸な出自でもなく何不自由ない貴族の息子。同情の余地がありません。「宝塚らしい恋愛物の名作」と言われるそうですが、院長的にはいまいち共感できないストーリーでした。

 何より愛月さんがこんなカッコ悪い男を演じていることに観劇しながらモヤモヤしておりました。院長の好きな愛ちゃんはアクが強くて、カッコいいんです(下の(2)を参照)。超悪者で斬られる役でいいからもっとカッコいい男の役やらせてあげて!と思っていたわけです。宝塚専門ケーブルTV番組のインタビューで愛月さんが「ひとつひとつ難役を作り上げていった」と話されたそうですが、そりゃこの役作りは難しいですよ。

 なお、舞台上の愛月さんはいつもながら9頭身で逆三角形のカッコいいシルエット、有沙瞳ちゃんは美人で二人の舞台映えが大変美しい。これを観れたので良かったです。そして愛月さんの歌はクセがあることで定評がありますが、今回有沙さんとのデュエット歌唱、ハーモニーがすごく心地よく響くのです、きっと有沙さんの声質とマッチしているのでしょうね。

 さてこの劇は主役以外にも見所が沢山です。輝咲玲央さん、朝水りょうさんはマノンを何とかものにしようとするオジサンの役です。好色かつ悪だくみを謀るさまを好演するのはベテランならではの味です。

 主役の友人ミゲル役の綺城ひか理さん、いつもながら低音から高音までのびる歌声ががきれいです、友人ロドリゴを想う歌、泣かせますよ。フィナーレのスパニッシュダンスと歌唱これもいい。愛月さんと有沙さん並びのダンスも映えています、大劇場公演”Ray”を思い出します。

 マノンの兄レスコー役の天飛華音さん、まだ102期(入団6年目)若手なのに貫禄満々です。下級生で院長が注目しているのは青風希央クン105期(3年目)。ノーブルな顔立ちにスラっと背が高くスタイリッシュ、兵士の衣装が似合いますね。これからの活躍が楽しみです。

 皆様ぜひ星組の舞台をごらんください。とはいえ日程が短いです。なお7月11日(日)にはRakutenTV、U-NEXTで有料の動画配信もあるようです。 (院長)

 

(1) femme fatale 直訳すると「運命の女」だが、暗喩で「男を破滅させる魔性の女」のことを指す

(2)愛月さんは悪党だが深い背景があったり実は人情があるという役が似合いますね、「ロミジュリ」ティボルト役と「死」役、「エル・アルコン」海賊ベネディクト、「眩耀(げんよう)の谷 」管武将軍「黒い瞳」のプガチョフ「WESTSIDE STORY」ベルナルド、「異人たちのルネサンス」グイド司教、「天は赤い河のほとり」黒太子マッティワザ、「神々の土地」ラスプーチン、

 

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2021年

6月

30日

宝塚宙組「シャーロック・ホームズ/Délicieux」

壁の飾りをかえました。

宝塚宙組「シャーロック・ホームズ/Délicieux」2021年6月26日~8月2日宝塚大劇場

 男役トップ真風涼帆さんと娘役 潤花さんの新しいコンビでの大劇場お披露目作品です。今回のシャーロック・ホームズは推理ものというより冒険活劇です。

院長の敬愛するトップ真風さんはホームズ役、頭脳明晰だがこだわり強く時にわがまま、でも度胸があるホームズを真風さんらしくカッコよく演じます。真風さんのセリフ回し「だぁ~」がファンにとってたまりませんね。

オペラ歌手アイリーン役の潤花ちゃん、背が高く大人っぽく真風さんとよくお似合いです。ホームズの宿敵モリアーティ教授役は芹香斗亜さんです。サイコパス的な悪役がはまっています。

相棒ワトソン君は桜木みなとさん、ホームズのファンであり一生懸命支えようとする常識人のワトソン、ちょっとコミカルな演技に好感です。

話が展開してゆくとだんだんと緊張感が高まって、最後には2人が直接対決するのです。楽曲も多くて聴きどころいっぱいです。

 後半のショーはパリとスイーツをテーマにしたDélicieux。これは楽しい!見ないと損です。野口幸作先生得意の古き良き時代のMGM的ショー、とにかくいっぱい詰め込んで豪華で派手なところが真風さんの魅力にマッチしまね。

 このショー、数々の名場面があります。プロローグからの大人数フレンチカンカン、これは豪華です。そして、芹香さんの女装アントワネットと真風さんフェルゼンは既にネット記事などでしられており話題ですね。黒燕尾の男役同士のダンスは圧巻です。トップコンビのデュエットダンスは二人の並びがイイですね、そして傍で芹香さんが歌い上げるという。楽曲もスウィングやラテンを多用して院長好みです。芹香さん、桜木さん、和希さん、留依さん、瑠風さん、若翔りつさん、希峰さん宙組は歌手の層が厚いなあと実感するショーでした。

 皆様ぜひすばらしい宙組の舞台をご覧ください。 (院長)

 

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2021年

6月

16日

ブギウギからスイングへ、グレン・ミラーIn The Mood

壁の飾りをかえました。「グレンミラー物語」1954年主演ジェイムズ・ステュアート

オリジナルのグレンミラーオーケストラ”In The Mood”は1941年です

 ブギウギといいますと元はアメリカ中南部にあったブギウギピアノだけのことを指しました。このリズムと進行を1930-40年代にスイングバンドが取り入れBallroom(ダンスホール)で大流行しました。ブギウギピアノはスイング・ジャズに変化して全米中に広まったのです。デューク・エリントン、カウント・ベイシー、トミー・ドーシー、アーティー・ショウ、ベニー・グッドマン・・・そんな中、グレン・ミラー・オーケストラも大人気だったわけです。

 元々がダンスミュージックなわけですからとにかくノリがいい。陽気なスイングリズムに華やかな楽器のコール&レスポンス、そう何だか景気がいい感じがするのです。ペンシルヴェニア6-5000、真珠の首飾り 、茶色の小瓶、名曲揃い。院長の大好きな”In The Mood”なんかすごいビートでカッコイイんですよね。

 さて映画の内容は古き良き時代のアメリカ映画です。グレン・ミラーさんは戦争中に軍隊に志願し、各地慰問の道中飛行機事故で1944年12月15日に亡くなっています。ですから映画のサントラは別の楽団による演奏です。心温まる良い話ですので皆様ぜひ一度ご覧になってください。そして機会があればオリジナルのグレンミラーオーケストラの録音もお聴きになってください。 (院長)

 

個人的想い出で恐縮ですが、大学再受験の入試直前、なぜか毎日延々スイングジャズを聴いていました。ノリの良さで自分を盛り上げようとしたのでしょうか。CDを入れ替えるのが面倒で繰り返し聴きすぎて、聞き取れるパートは覚えてしまうんですよね。ソロパートの裏の「スーパッパッ」もトロンボーンもバリトンサックスも頭の中で鮮明に音像を結んじゃう。院長にとってグレンミラーは受験勉強を思い出す懐かしのメロディーです。なお当院があるイオン川西店ではお昼の買い物タイムにBGMで繰り返し”In The Mood”が流れます。購買意欲を高めるためでしょうか。

 

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2021年

6月

02日

宝塚月組 桜嵐記/ Dream Chaser

宝塚月組「桜嵐記/Dream Chaser」2021年5月15日~6月21日宝塚大劇場

 トップコンビ珠城りょうさんさん、美園さくらさんの退団公演です。

 「桜嵐記」は南北朝時代の話です。南北朝はヤヤコシイくて複雑な時代背景ですが、劇の初めに光月るう組長が語り部としてわかりやすく説明されるので一気にこの時代に入り込めてしまいます。この辺は作者の上田久美子先生の技ですね。

 珠城さんの役は南朝の武将・楠木正行です。真直ぐ主君に忠義を尽くす武人、そして分け隔てなく他者に優しい人物、その生きざまがあまりも真面目すぎて不器用すぎて泣けてくるのです。そう、これまで珠城さんの役柄は真面目で不器用な人物ばかり。珠様キャラです。今回はまさにその集大成と言えそうです。劇中、武人として皆にお別れを告げるシーン、また戦で傷を負い弟の正儀(月城さん)に軍を撤退させ、楠の家を残して南北朝合一を成し遂げてほしい、と命ずるシーンは、退団するトップスターに重なり涙を誘います。

 ヒロインは親兄弟を殺され一度は死を覚悟した姫、弁内侍です。美園さくらさんが演じます。健気かつ芯の通った人物を描く芝居そして歌唱で泣かせるのです。

 次期トップ月城かなとさんが楠正行の弟 正儀を演じます。横浜市出身ながら見事な河内弁セリフ、これが真に迫って観客の心をわしづかみにするんですね。シリアスもコミカルもできる月城さん本当に芸達者ですね。

 今回、実力派男役の皆さんも見所です。専科に異動される輝月ゆうまさん(楠木正成役、楠木3兄弟の父)が貫禄の演技、ソロ歌唱で客席を泣かせていました。千海華蘭さん演じる人足のジンベエの役もすごい迫力でした。

 とにかく泣ける芝居で、劇が進むにつれて客席中からすすり泣きが聞こえてくるのがこの芝居です。

 「Dream Chaser」楽曲もダンスも本当にいいのですよ、退団にふさわしいショーです。踊りは珠城さんの長身が映えています。美園さくらさんの歌ものびやかでいいです。今回で退団なのはもったいないですね。

 鳳月杏さんスペインの踊り、ぴったりです。また、黒燕尾のそれもバイオリンとタンゴの場面がカッコイイですね。

 皆様機会がありましたらぜひ月組の舞台をご覧ください。 (院長)

 

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2021年

5月

19日

5.31は世界禁煙デーです/ スモーキンブギ

壁の飾りををかえました。ダウンタウンブギウギバンド「スモーキンブギ」昭和49年

作詞:新井武士、作曲:宇崎竜童

 5月31日は世界禁煙デーです。タバコはやめましょう。いま思い出すと不思議なんですが昔はみんなタバコを吸ってましたね。学校の先生も職員室で吸ってました、机に灰皿置いてね。病院では内科も外科も、部長も研修医もみんな吸ってましたね。院長もタバコ大好きでしたが随分前にすっかりやめてしまいました。

 さて「スモーキンブギ」は小学生の時に流行りました。みんな学校でマネしました、ホウキをギターみたいに持ったりして。コミカルな歌詞を間違えずに歌うこととコーラスの合いの手を入れるのを楽しんでいたと覚えています。

 タンタタンタというブギのリズムに3コードのブルース進行、ロックの基本形です。ものすごくノリがいいのですよ。「スーッパッパッ」というコーラスが軽快なハーモニーで、これはビッグバンドのスイングジャズですよね。そしてスライドギターがブルース色を濃厚にします(1)。この時期の彼らはブルース寄りの曲を多く出していました。

 歌詞もいいんですよ。作者の新井さんはゴロ合わせしただけ(2)と言いますが、今改めて聴くとピタリと韻を踏んでいます。洋楽の歌詞の作り方と同じですね。これがリズムとノリを生み出すのです。

 ダウンタウンブギウギバンドは当時の少年たちに色々影響を与えたはずです。ワルっぽい見た目や仕草に憧れた者、ロック音楽に初めて触れた者、歌詞をリズムにのせる楽しみを知った者、ハーモニーに気付いた者・・・院長はこの時にブギウギのリズムを身体の中に摺り込まれたように思います。成人してオヤジになっても、ブギウギのリズムを聴くと自然に身体が貧乏ゆすりを始めてしまうんですね。

 皆様ぜひこの名曲をお聴きになってくだい。そして繰り返しになりますがタバコは健康によくないので絶対にやめましょう。  (院長)

 

(1)元歌は Elmore James "Shake Your Moneymaker" 1961と言われます。スモーキンブギは他アーチストによるカバーも多数あり。憂歌団のスモーキンブギはめちゃくちゃカッコイイです必聴ですよ。

(2)歌詞について、ベーシストで作詞者である新井武士さんは「リズムに乗せてゴロ合わせをしただけ」と述べています。 wikipediaより(原典は新聞インタビュー) しかし完璧に韻を踏んでいます。

 

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2021年

5月

05日

みちのくひとりカリフォルニア

壁の飾りををかえました。

山本譲二「みちのくひとり旅」昭和55年 作詞:市場馨、作曲:三島大輔

 転んで右肋骨にヒビが入っている院長です。Youtubeでホテルカリフォルニアを調べていたら「みちのくひとりカリフォルニア」という曲をみつけました。ホテルカリフォルニア(以下ホテカリ)とみちのくひとり旅(以下みちのく)を合わせた曲で、ダイナマイトポップスという日本のバンドが演奏しています。

 これが良くできてるんです。肋骨ヒビなのに笑いすぎてめちゃくちゃ痛かったです。確かにみちのくはよく聴いてみるとイントロの泣きのギターソロが雰囲気が似ているし、バックのアルペジオもホテカリの12弦っぽいところがあります。そしてホテカリAメロはみちのくの歌詞でも歌えそうです。サビのみちのくCメロ「例えどんなに~」は「Welcome to the Hotel California」に符合します。みちのくのBメロのあと、もしくはホテカリのギターソロの後にホテカリのサビBメロで「例えどんなにホテルカリフォルニア、Such a lovely place」「お前が俺には最後のカリフォルニア」の歌詞を持ってきます。そして最後はみちのくのメロディで終える。ホテカリのメロディ進行は終止しない無限ループですが、演歌であるみちのくは安定コードで終止しますからこれをラストにもってきて予定調和でまとめる。考えたダイナマイトポップスさん、すごい!

 皆様、ホテルカリフォルニアが流れていたら、みちのくひとり旅を思い出してください。なお、B面「チェランサスの夢」はムードラテンで、レキントギターがカッコイイ佳曲です。 (院長)

 

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2021年

4月

21日

輝きの12弦(3) ホテル・カリフォルニアの迷宮

壁の飾りををかえました。イーグルス" Hotel California"1976年

 12弦の名曲は数多くありますが、院長はホテルカリフォルニアが好きです、ベタですけど。時々頭の中をホテルカリフォルニアがぐるぐる回るのです。

 12弦ギターの切ないアルべジオのイントロから始まるんですよ。そして反復進行(1)しながら6弦ギターが重なり、歌もベースラインも重なって、次第に音が厚くなる。メロディラインが哀愁たっぷりで日本人の心に響きます。歌詞はよく読んでみるとミステリアスな話です。歌に出てくる人はたまたま立ち寄ったホテルの不思議な世界にに入り込み抜け出せなくなります。元の世界に帰れるのか?と怖くなってしまいますね。

 エンディングのギターソロが名演奏ですよ。2本のギターが泣きまくっています。ギターを触ったことのある人はみんなコレを弾いてみたかったはずです。ソロ最後の三連符(2)なんか本当カッコイイですね。永久にあっちの世界から抜け出せなさそうな雰囲気が立ち込めてくるのです。

 さてこの迷宮、コード進行にも秘訣があるのです。この曲どこまでも終止しないのです。サビのBメロは全く終わった感じがせず、Aに引き継ぎます。歌の終わり(A'メロ)なんか尻切れであとはすべてギターソロに譲っています。受けるギターソロも結局最後は終止せず、余韻を残してどこまでも続きそうなのです。だから再び聞きたくなる。頭の中をぐるぐる回るのです(3)。皆様、一度そういう耳で名曲ホテルカリフォルニアの迷宮をお楽しみください。 (院長)

 

(1)同じメロディーを反復しながらコードを移動してゆく反復進行で、ベース音が順に順々に下がってゆく。音楽理論でカノン進行と言うそうです。確かにこういう曲探せばたくさん出てきます。間違ってたらすみません。

(2)タララ タララ タララ タララ タララ休 タララ タララ タラギューン です

(3)楽器パートが多いので頭の中で一つ一つ再現していたら飽きないです。結局永遠にぐるぐる回ります。

 

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2021年

4月

07日

宝塚花組「アウグストゥス/ Cool Beast !!」

 壁の飾りをかえました。

花組「アウグストゥス/ Cool Beast !!」2021.4.2-5.10宝塚大劇場

 後にローマ皇帝になるアウグストゥス(オクタヴィウス)の話です。トップ柚香光さん はオクタヴィウスを、娘トップの華優希さんはポンペイアを演じます。二人とも本当に美男美女ですね。今回退団の二番手、瀬戸かずやさんがアントニウス役で男役芸の極みを見せてくれます。専科の凪七瑠海さん普段は男役ですが今回女王クレオパトラを演じます。美しい!瀬戸さんと大人の恋を演じる役作りの掘り下げが深いですね。院長の好きな和海しょうさんはクレオパトラ側近の軍師役、歌場面もあって嬉しいです。最近私が気になっている泉まいらさんは渋い元老院議員役、エジプト軍兵士にローマの民衆に大活躍でいい味出しています。

 ストーリーはやや込み入っていて1回見ただけではわかりにくかったです。2回目はプログラムの場面解説ページを読んでから観ると流れが呑み込めました。あらかじめプログラムを入手して開演前に一読しておかれるようお勧めします。そして久しぶりに生演奏が再開されました!やはり生演奏はいいですね、音圧が違います。

 後半はショーCool Beast !!はラテン音楽を中心に情熱的な舞台が繰り広げられる藤井大介先生らしいショーです(1)

 歌とダンスを分業した場面がいくつかあって、すごくいいのですよ。専科の美穂圭子さん、凪七さん、花娘 音くり寿さんが次々に歌を繰り広げ、柚香さんが躍る。ダンサー柚香光さんの魅力がさらに輝くのです。また、ショー後半トップ柚香さんが女装し(2)、2番手瀬戸さんと組む妖艶なダンス、これは見逃せない名場面です。歌は花組きっての男役歌手 和海しょうさんが1曲通しで歌い上げます、ホールが鳴り響く名歌唱でした。娘トップ華さんと柚香さんのデュエットダンスも見どころです。歌は大人の魅力美穂さんと凪七さんが担当(3)。トップさんが舞うそのバックで、歌手二人が階段で歌う。すばらしい歌と踊り、ドラマチックな演出です。

 皆様機会があればぜひ素晴らしい花組の舞台をご観劇下さい。(院長)

 

(1)テーマ曲の歌詞に各スターの名前を織り込まれていたり、退団者をフィーチャーした見せ場を作ったりと、藤井先生はタカラジェンヌに思いやりがあるなあと感じます。

(2)藤井先生作品は男役の女装場面が名物。2017年花組Sante !!で柚香さん瀬戸さん水美さんが女装していました。

(3)美穂さんは有無を言わせぬ超絶歌唱力です。凪七さんは伝統的宝塚男役の味ある歌なんですよね。二人の歌、ジーンと聴き入ってしまいます。

 

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2021年

3月

24日

煌めきの12弦ギター(2)A Hard Day's Night

壁の飾りををかえました。ザ・ビートルズ"A Hard Day's Night"1964年

 12弦の魅力を世界中に広めたのは間違いなく彼らのこのアルバムでしょう。"A Hard Day's Night"は1曲目です(1)。12弦の特徴がイントロの和音、間奏、そしてエンディングのアルペジオに表れています。

 イントロの「ジャーン」は、不思議な響きを持つ和音です。12弦ギター(ジョージ)と6弦(ジョン)、ベース(ポール)、ピアノ(ジョージ・マーティン)で構成されることはわかっていましたが、どの音が入っているのか長年の謎でした。

院長が中高生だった80年代はGsus4/DまたはG7sus4という説が一般的で、みんなが使うシンコーミュージックのバンドスコアは12弦Gsus4、6弦D、ベースD(つまりGsus4/D)でした。ビートルズ解説書籍などでは12弦D7sus4+ベースGなど諸説ありました。中には数学研究者がサンプリングした音源をフーリエ変換を用いて解析したという論文まであります(2)。なぜいつまでも解明されなかったのかというと、プロアマ問わずよってたかって誰が演奏しても完全に同じ響きが再現されなかったからなんですね。

 後年ジョージ・ハリスンがFadd9だったと明らかにした(3)ことで12弦ギターだけ解明されました。でもその他パートが謎でした。当時のプロデューサー、ジョージ・マーチン氏の証言やテクノロジー進歩で解析が進んだことなどをあわせて、最近ではようやく、12弦Fadd9(6弦全弾きか1-4弦だけ弾いてるのかはまだナゾ)+6弦Fadd9+ベースD(3弦5フレット)+ピアノ D2-G2-D3-G3-C4(ペダルオン)、が最有力と言われています。 ピアノとその残響音ハーモニクスも混ざって複雑な響きの和音になったのだろうという結論で落ち着いているようです。

 イントロの和音だけで熱く語りすぎてすみませんです。この曲、間奏もカッコいいし、エンディングのアルペジオもキラキラしています。ともに12弦の魅力あふれる響きなんです。ぜひもう一度12弦ギターのところに集中してお聴きください!

 ビートルズは決して演奏や歌の上手さを味わう音楽ではないと思うのです。彼らはアイデアとテクノロジーを駆使した音作りの天才なのです。そのサウンドが世界中の人達を魅了してきたのです。院長はビートルズ大好きなのでまた語らせてください。

 

(1)関西在住だった方はTV番組「突然ガバチョ」の曲と言えば洋楽ファンでなくとも思い出していただけるでしょう。

(2)こういう音の理論やテクノロジーの話は理系男子にはツボなわけです。Brown先生のフーリエ変換解析はこちら、

JI Brown 著, Dalhousie University.2008, Mathematics, Physics andA Hard Day’s Night

その他2017年のABCニュースより

A Hard Day's Night: Solving a Beatles mystery with mathematics. First posted 5 November 2017

久しぶりに英語を読んで頭が疲れました。

(3)2001年2月15日にジョージがライブ・チャットで証言しているそうです。

The chord was identified as an Fadd9 by George Harrison during an online chat on 15 February 2001:

Q: Mr Harrison, what is the opening chord you used for A Hard Day’s Night?

A: It is F with a G on top (on the 12-string), but you’ll have to ask Paul about the bass note to get the proper story.

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2021年

3月

10日

燦めく12弦ギター(1)「恋の奴隷」

壁の飾りをかえました。

奥村チヨ「恋の奴隷」昭和44年、作詞:なかにし礼、作曲:鈴木邦彦

奥村さん17枚目のシングルです

「恋の奴隷」「恋狂い」「恋泥棒」とお色気路線の「恋3部作」といわれます。奥村さんはコレ歌うのが随分嫌だったそうですが、聴いてみると歌唱がいい!艶がありますね。そしてそれにも増してこの曲の隠れた聴きどころは12弦ギターだと思うのです。これが大変味があるのです。

江藤勲さんの硬質ベースがネチッコイのに対して12弦ギターがキラキラなんですよ。澄んだ音色で爽やかなのです。ベースと12弦が妖艶と清純、二つの面を表しているようにも聞こえてきます。

以前ご紹介したハクション大魔王「アクビちゃん」もですがこの時期の歌謡曲界って結構12弦を使うのが流行ってたんですよね。

皆様ぜひとも歌謡曲の12弦ギターの音色を見つけてください。

 

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2021年

2月

24日

星組 ロミオとジュリエット

シェイクスピア原作のストーリーは皆様ご存知のアレです。主人公の若い2人がおバカな設定で物語としてはあまり共感できないですが、舞台は見所にあふれております。

まず楽曲がすばらしいです。元がフランスのロックオペラで、ヨーロッパのポピュラーメロディは日本人の琴線に触れるところ大です。これをトップ礼真琴さんが正確無比な安定の歌唱で歌うのです、遠い席でも音楽だけ聴いていて価値があります。

ダンスもすばらしい!今回役名のつく人が少ない代わりに、敵対する2つの名家(1)が赤と青チームになって集団で登場する、この群舞ダンスが華やかなのです。細かく見ると端の方でアクロバティックなことをやってたり。目立ったもの勝ちの様相で、皆様髪型に個性的な工夫をされていて眼を奪われます(2)。

院長の好きな、いぶし銀の二番手 愛月ひかるさん(写真2枚目)はロミオに敵対するティボルト役でした。この方はアクの強い役を演じたら随一です!立っているだけで背後にメラメラと黒い炎が見えそうです。ロミオに刺され倒れて動かなくなる、その死に姿まで絵になっています。今回も愛ちゃんの迫力と愛ちゃん節に圧倒されました。

また、渋い男役の綺城ひか理さんも去年の作品に続いて良いのです。この人は渋い理知的な方面の役が多いのですが、今回はパリス伯爵という少々ヘタレな貴族の役を好演されます。歌の方も綺城さんならではの低音ボイスを響かせてくれます!フィナーレのダンスは長身を生かしてめちゃカッコイイですね。

若手では2年目男役の青風希央クンが抜群のスタイルと華があって注目です。ロケットではセンター位置、パレードではトップさんのすぐ後ろに位置して目立っています。これからが楽しみですね。

皆様、星組の舞台、トップさんから若手まで見所沢山です。役替わりもあります(3)。ぜひともご覧ください。(院長)

 

(追記)役替りBパターン観ました。愛月さんは「死」の役です。この役は、死ぬ運命にある登場人物の背後に取り憑き、終始無言で踊りだけでその人の運命を表現するのです。Aパターンの天華えまさんは無表情でクールな死神でした。Bパターン愛月さんこの役、戦慄するほど凄い迫力と不気味さネチっこさを出しておられました。さすがは愛ちゃんのなせる業です、一見の価値ありですよ!そして何と「愛ちゃんの死」がSNS上でトレンドワードになっていたそうです。綺城ひか理さんのベンヴォーリオ役も聞かせる歌の数々よかったです。低音から高いところまで出ますねえ。さてBパターンベローナ大公役の遥斗勇帆さん、めっちゃ歌ウマいです。舞台に響き渡る美声!今まで注目してなくてすみません。そして若手の娘役 鳳花るりなクンはダンスがキレキレです!動きがダイナミックで手足が伸びて見えるのです。遥斗さんも鳳花さんもこれから注目株だと思います。

(1)モンタギュー家=ロミオ側=青チームvsキャピュレット家=ジュリエット側=赤チーム

(2)湊璃飛さんの髪型スゴイ!サイドを刈上げしています、北斗の拳の無法者みたい。

(3)2/25~愛月さんはティボルト→「死」、綺城さんはパリス伯爵→ベンヴォーリオ、こちらも楽しみです。

 

ブログカテゴリ 宝塚歌劇 

愛月さん出演の作品はこちら→ WEST SIDE STORY黒い瞳眩耀の谷/Ray

 

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2021年

2月

03日

アニソン侮るべからず(2)ハクション大魔王

壁の飾りをかえました。

「ハクション大魔王」昭和44年、歌:嶋崎由利 作詞:、作曲:市川昭介

「アクビ娘の歌」歌:堀江美都子、作詞:丘、作曲:和田香苗

 前回に引き続きアニソンです。この曲は音楽好きの間で有名です。

まずイントロ、ギターからしてファズ(1)を使ってジミヘンみたいな音を出しています。そしてベースが物凄いんです。装飾音の多さと上へ下へ動くこのベースラインは、寺川正興さんを思わせます。でも細かいところがちょっと違うようにも聞こえます。いまだ誰の演奏か明らかになっていません。ただ、ベーシストたち憧れの一曲であるらしく、動画で「ハクション大魔王」のベースを演奏するアマチュア多数です。譜面を掲載してくれる人もいます。そりゃこのベースは弾きたくなりますね。このように演奏は完全にロックです。しかし歌のメロディーは演歌なんですね。作曲が市川先生ですから。歌唱は嶋崎由里さん、本当に上手です(2)。

 B面の「アクビ娘」はドラム、ギター、ベースのコンボ構成、タイトなドラムにキラキラの12弦ギターが響いて、ドゥーワップコーラスもあって、まるでリバプールサウンドなんです。歌うは天才少女歌手の堀江美都子さん(3)です。確かTVテロップに12歳と出ていました。12歳でこの歌ですよ、スゴイですね。

 60-70年代、アニソンはスタジオミュージシャン達の実験場だったのではないかと推測するのです。売上枚数やレコード会社の戦略など制約がある歌謡曲よりも、アニメの方が自由な表現ができる場だったのでしょう。毎日TVから流れる上質のサウンドに囲まれ当時のこども達は恵まれていたというべきでしょう。アニソン侮るべからず。(院長)

 

(1)ファズとはギターの音を歪ませる装置です。ディストーション等と同様。ローリングストーンズ「サティスファクション」のイントロを思い出してください。ジミ・ヘンドリックスもファズを多用しました。なお、2020年のハクション大魔王OP曲は奥田民生作曲「サティスハクション」!、もちろんファズギターです。

(2)「みなしごハッチ」と同じ歌手です。「ハクション」での発声法は民謡の影響を感じます。昔、お昼にのど自慢番組で小学生なのにメチャクチャ民謡が上手い子なんかよく出ていましたね。その系統出身でしょうか?

(3)アニソンの女王と呼ばれています。作品は数え切れず。

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2021年

1月

20日

アニソン侮るべからず(1) みなしごハッチ

皆様いかがお過ごしでしょうか。壁の飾りをかえました。

「みなしごハッチ」昭和45年歌:嶋崎由里、作詞:丘灯至夫、作曲:越部信義

 最近院長はアニソンを車の中でガンガンに聴き込んでいます。

 アニソンの放送時間は89秒(1)と言われます。本作ではさらに短く70秒。アニソンは出だしが勝負、はじめの15秒で引きつけなければ視聴者は離れてしまいます。イントロは短く印象的に、歌はわかりやすいメロディーと歌詞でなければならないのです。

 イントロから始まるビートをお聴きください。この跳ねるような硬いベース、昭和歌謡を代表する名ベーシスト、江藤勲さん(2)でしょう。さらに管と弦セクションが入り乱れるという豪華な作り。ここだけで耳が釘づけになりますよね。嶋崎由里さんの歌がいい味出しています。嶋崎さんはこの歌を録音したときちょうど変声期にあたり随分苦労されたそうですが、このOKテイクは低から高音までよく伸びています。歌に重ねてくるストリングスがまたいいですね、伴奏だけ別にメロディーを覚えてしまいます。

 歌詞はこの時代に一般的な、アニメ作品の説明と主人公名を盛り込んだもの。校歌と似たようなパターンです。みなしごハッチの歌詞には色々勇気づけられます。簡単で短いことばで世界を広げる当時の作詞技術も味わってください。

 キャッチーでビートがあって、豪華で、今でも聞きごたえのある良いサウンドだなと思います。現代の再生装置で音量を上げてみると、あの頃には気付かなかった音の職人たちの技が聞こえてくるのです。アニソン侮るべからず。 (院長)

 

(1)与えられる時間は90秒だが前後につなぎ目の無音時間が0.5秒ずつ設定されるので89秒。

(2)江藤勲さん:当ブログでもご紹介しておりますブルーライトヨコハマ長崎は今日も雨だった伊勢佐木町ブルース雨の慕情スワンの涙ドリフのズンドコ節グッドナイト・ベイビー

 

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2021年

1月

06日

宝塚雪組 f f f-フォルティッシッシモ-

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

壁の飾りをかえました。

宝塚雪組「f f f-フォルティッシッシモ-/シルクロード」

トップコンビ望海風斗さん、真彩希帆さんが本公演で退団されます。

ミュージカル「f f f-フォルティッシッシモ-」はベートーヴェンの半生を描いた作品です。ベートーヴェンの曲と宝塚きっての名歌手コンビがたいへん楽しみです。

ショー「シルクロード」も楽しみにしています。

皆様、寒くなってまいりますのでくれぐれも御身体にお気をつけください。

今年もお元気で過ごせますように。   (院長)

 

2021.1.11追記

 観てきました。「fffフォルティッシッシモ」はベートーヴェンとナポレオンの伝記という形を借りて、人というものは理想と現実の乖離に悩み苦しむがそれでも受け容れて前に進む、といった普遍のテーマを表現しているように感じました。現実には無いはずの観念的な世界を表す場面もありました。しかし、決してわかりにくい劇ではありません。それにトップさん二人の歌が本当に素晴らしい。望海さんの歌唱の音圧がスゴイです。これに真彩さんが七色の歌声で交錯する。これは聴けて良かった。

 ショー「シルクロード」も見どころ満載です。オリエンタル調音階の曲が多く、これを歌いこなすのはさすがの望海さんと真彩さんです。シンプルな黒燕尾も良い!次期トップ彩風さんに青いバラを引き継ぐ場面、泣かせますね。デュエットダンスはトップコンビの仲の良さ・信頼関係が伝わってきて感動的です。

 さて本公演でトップさんの他にも退団者がいらっしゃいます。なかでも院長が好きな彩凪翔さんと煌羽レオさん。彩凪さんは暑苦しいまでの男役顔にスラリとした長身のジェンヌさん。カッコいい役も無法者も今回のような理知的な役もこなします。そして煌羽さんといえば悪役で定評があり、触れなば切れんばかりの鋭い表情と演技。そしてショーでは踊りや身のこなしもシャープなのです。キャラクターは異なりますが、ともに眉間の皺が似合う、いぶし銀の男役さんなのです。この二人が登場すると自然と舞台が引き締まるのです。つくづく退団が惜しまれます。

 皆様機会がありましたらぜひ雪組のすばらしい舞台をご鑑賞ください。(院長)

 

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2020年

12月

09日

ジングル・ベル

壁の飾りをかえました。

江利チエミ「ジングル・ベル」昭和27年(写真EPは昭和37年盤)

作詞作曲:James Lord Pierpont、日本語訳詩:音羽たかし

 江利チエミさんは少女時代から進駐軍クラブで実力を磨いた実力派歌手、そしてジャズのイメージです。発音が英語らしいですね、耳から英語を覚えた人なのではないかと思います。原信夫とシャープス・アンド・フラッツの演奏もスイングしています。

 顧みれば昭和50年代前半頃まではクリスマスは子供たちのものでしたね。バブル以降、高額なプレゼントや飲食を行う大人のイベントに変遷したような気がします。まあ、今なお子供たちのクリスマスも存続しているわけですが。

 毎年クリスマス・ソングを聴くと、子供たちのクリスマスを思い出し、この1年自分も家族も何とか無事に過ごせてよかったなとしみじみ思います。

 まあ今年は感染症などつらいことが色々ありましたね。来年は楽しい1年になりますように。皆様、よい年末年始をお過ごしください。 (院長)

 

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2020年

11月

25日

筒美先生の世界(5) 恋の弱味

郷ひろみ「恋の弱味」昭和51年 作詞:橋本淳、作曲:筒美京平

 郷さん作品ではそれほど有名ではないけれどめちゃくちゃカッコイイ曲です。

 筒美&橋本の黄金コンビ、都会的センスあふれる楽曲に大人な雰囲気満載の歌詞世界です!郷さんはこの手前までいわゆる少年アイドル的な歌が続きましたから、ちょっと大人っぽい郷さんを演出した曲ですね。

 タイトなドラムがビートを刻み、ベースと金管が絡みグルーヴを引っ張る。そしてそして、筒美先生のスゴイところが歌手の声を生かす曲作りをされる点なのです。スタジオで歌手の声を聴いて手直しする等の話が残っていますね。この曲も郷さんの声質と歌い方の魅力を最大限引き出しておられるのですよ。サビ部分「Get down 白いビルの~」なんか聴いててシビれますね~!本当に名曲だと思います。

 さて、この「筒美先生の世界」シリーズですが、院長が「筒美京平」の名を知ったのは小学生時代、近田春夫のオールナイトニッポン2部でした(1)。近田さんはミュージシャンかつ歌謡曲評論家、とにかく2時間歌謡曲をかけまくり、曲に重ねてひたすら早口で喋りまくる、という放送でした。自分が筒美先生と郷ひろみさんに心酔していることを延々しゃべっていましたね。近田さんは歌謡曲カバーアルバム(2)までリリース、その中に「恋の弱味」がありました。番組コマーシャル時間に「恋の弱味」が何度も流れて(3)、カッコイイ曲だなあと感じたことをよく覚えています。院長がオリジナルの郷さんバージョンを聴いたのは成人してからです。

皆様ぜひ郷さんの「恋の弱味」を、そして筒美先生の世界をお楽しみください。(院長)

 

(1)水曜第2部(火曜深夜AM3-5時)、昭和52年10月 - 54年3月

(2)近田春夫&ハルヲフォン LP「電撃的東京」昭和53年もお聴きください。

(3)オールナイトの深夜帯はスポンサーがつかないCMタイムはBGMだけ流れていたのですよ。

 

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2020年

11月

11日

宝塚宙組「アナスタシア」

 壁の飾りをかえました。宝塚宙組「アナスタシア」2020.11.7~12.14宝塚大劇場

ロシア革命で殺害されたロマノフ皇帝一家の末娘アナスタシアが、生きのびていたという「アナスタシア伝説」にもとづいた話で、ブロードウェイミュージカルを宝塚版にしたものです。宙組さん「ロシア物」が続きますね。

 孤児としてサンクトペテルブルクの裏町で育った詐欺師ディミトリ(男役トップ真風涼帆)は記憶喪失の少女アーニャ(娘トップ星風まどか)を皇女アナスタシアに仕立て、パリに住むマリア皇太后に会わせ報奨金をせしめようと計画します。

 全編を通じ歌で話が進みます。美しいメロディーの数々、それも1つ1つの歌がしっかり長い目です。トップ真風さんの「真風節」が好きな院長にとってこれは嬉しい限りです!ディミトリは生きるために詐欺師をしているが、実は純真な心を持つ青年。アーニャが本物の皇女だと信じ、賞金のためではなく彼女のために尽くそうと心が変化してゆく、そんな優しい心根を演じます。真風さんといえば男役らしいダンディズムですが、こういう爽やかな役もうまく表現されるなあと感心します。

 ヒロイン星風さんも演技・歌ともに表現力が熟してきました。記憶喪失で身寄りがないため一人で力強く生きてきた少女と、皇女の上品さを演じます。

 二番手 芹香斗亜さんは革命派新政府の将校・グレブを演じます。街で偶然出会ったアーニャに恋心を抱くも、彼女は生き残りの皇女かもしれない。もしそうであれば、彼は愛と良心よりも革命を優先しアナスタシアを消さなければならない立場。そこに葛藤がうまれる。そんな複雑で難しい人物像を演じます。心の闇の部分や感情の揺れ動きを見事に表現する芹香さんの演技と歌唱は本作の見所ですね。

 桜木みなとさんは主人公の相棒ヴラド役を演じます。本作は全体的に重い場面が多い中、この役はコミカルな要素を与えてくれてほっとします。桜木さんの歌唱もどんどん上達されて聴きごたえがあります。

 本作は以上4名とマリア皇太后(寿つかさ組長)、侍女リリー(和希そらさん、今回は娘役)の主要人物で劇が進行します。ですから、他の宙組ジェンヌさんたちの出番が少なかったことが心残りでした。院長の好きな皆さんの活躍も観たかったですが次回作に期待です。なお、コーラスの宙組と言われるだけあって、いつもながら素晴らしいコーラス場面です!劇の後にあるショーでは芹香さんが、娘役の和希さんをリフトする場面もあって見所でした。

 

Webサイトを見ていますとまだチケットは少しの余裕があるようです。皆様機会があればぜひ素晴らしい宙組の舞台をご観劇下さい。 (院長)

 

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宝塚宙組「アナスタシア」宝塚大劇場2020.11.7-12.14

2020年

10月

28日

筒美先生の世界(4) 太陽は泣いている

いしだあゆみ「太陽は泣いている」昭和43年6月 作曲:筒美京平、作詞:橋本淳

 ビクターでヒットに恵まれなかったいしだあゆみさんが昭和43年コロムビア移籍した第1弾です。昭和41年デビューの筒美先生はこのときまだ新進作曲家、新しいサウンド造りに意気込んでおられたことでしょう。実際いしださんのビクター時代と全く違う音なのです。

 楽曲は当時流行していたGSのサウンドを取り入れたもので(1)、ドラムやベース、リズムギターは当時のGSよりもGSらしいリズムを編み出していますね。GSやロックバンドというのはドラム、ギター、ベース、キーボードの簡素な編成が本来の姿と思いますが、筒美サウンドは豪華に盛り付けるのが特徴です。チェンバロ、弦楽器、管楽器、バックのオケが光っています。おまけに当時流行りの12弦ギターも入ってます。そして筒美先生といえば耳に残るキャッチーなメロディ!

 歌手のいしだあゆみさんは、いわゆる美声ではなく、ちょっとハスキーで、ノン・ビブラートの歌い方なんです。GSというのは演歌や歌曲みたいにネチッこく歌わず、こういうあっさりした歌唱の方がよくて、いしださんの歌がとても合っていると思います。この半年後43年12月、いしだ・筒美・橋本で大ヒット「ブルーライト・ヨコハマ」が生まれるのです。

 B面の「夢でいいから」もしっとりとしたA&M風のサウンドでこれも後に多くの歌手にカバーされた佳曲です。

 いしだあゆみの魅力を引き出した筒美先生の名曲、ぜひお聴きください。 (院長)

 

 筒美京平先生が先日2020年10月7日になくなられたそうです。筒美メロディは心の支えでしたからとても残念です。筒美先生のご冥福をこころよりお祈りします。しばらく院内に筒美先生の作品集を飾っております。

 

(1)グループではなく歌手一人で歌うので、こういう形態のことを歌謡曲ファンは「一人GS」と分類します。

 

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2020年

10月

14日

宝塚月組 Welcome to Takarazuka/ピガール狂騒曲

宝塚月組 Welcome to Takarazuka/ピガール狂騒曲

 前半はWelcome to Takarazuka、和物ショーです。日本舞踊のスペシャリスト松本悠里先生が舞います。松本先生は入団から60年以上在籍の大ベテランで宝塚の和物ショーになくてはならない存在。本公演で宝塚を卒業されます。先生の舞を眼に焼き付けてきました。影ソロの歌は月組の名歌手白雪さち花さん、輝いていました。そして日舞といえば96期の春海ゆうさんの舞です。美しい所作に優雅さとキレが抜きんでています。春海さんの扇さばきに見とれています。

 後半の劇が「ピガール狂騒曲」ベルエポックのパリが舞台のミュージカルです。コメディの要素があってとても楽しい劇、そして泣かせるいい話なのです。主役トップ珠城さんは2役演じます。この劇、2番手 月城かなとさん(シャルル役)の演技と歌が素晴らしかった。めきめき実力を上げておられるように思います。劇中歌、月城さんの超ロングトーンが見せ場になっていて客席から拍手がわくのです。舞台と客席の一体感、宝塚大劇場の魅力だなあと思います。

 渋い男役さんの芝居も楽しみです。鳳月杏さんの練られた芝居とアドリブ。輝月ゆうまさんの悪役も堂に入っています、ここでも客席が沸きます。そして月組アイドル暁千星さんのダンスはいつもながら眼をひきますね。風間柚乃さんのコミカルな芝居もおいしすぎる!フィナーレのエトワールは白雪さち花さん、惚れ惚れする歌ですわ。

 若手では和物ショーでデュエットを歌った静音ほたるさんが注目です。105期入団2年目ながら堂々とした歌唱!同期の奏羽美緒さんはショーの和装もパリの少年役どちらもかわいらしいですね。これからが楽しみです。

 ふりかえってみると「目移りしすぎて眼が足りない」ほど見所の多い舞台でした。もう一度見たいと思ってしまう劇ですね。

 チケットはまだ余裕があるようです。いまがチャンスです。あと2週間ほどですが機会がありましたらぜひ月組をご観劇ください。 (院長)

 

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2020年

9月

30日

夢見るシャンソン人形

壁の飾りをかえました。

フランス・ギャルFrance GALL「夢見るシャンソン人形」原題"Poupée de cire, poupée de son" 1965年 作曲作詞 セルジュ・ゲンズブール

 前回登場の本城和治ディレクターはフィリップスでGSをプロデュースする前は、もともとジャズや洋楽輸入部門を担当していました。その時代に日本に紹介した曲のひとつがコレです。日本でも多くの歌手がカバーしてめちゃくちゃ流行りました(1)。調べてみると弘田三枝子、中尾ミエ、越路吹雪、伊東ゆかり、浅田美代子、麻丘めぐみ、ザ・ピーナッツ、石野真子、ジューシィフルーツなど30名(組)以上がカバーしています。50年たって現代でもまだカバーされています。それだけいい曲なんですね。院長も子供の頃に日本語版を耳にしたのを覚えています(2)。

 出だしの有名なメロディは、ベートーベン ピアノソナタ1番 第4楽章を使っていると言われています。一度聞くと忘れられないキャッチーなメロディーに編曲と演奏も凝っています。その後のアイドルポップの手本になっていると思います。なお、日本のアニメ「山ねずみロッキーチャック」1973年の主題歌は「~シャンソン人形」を使っていますな。限りなく同じです。

フレンチポップの名曲、ぜひ一度オリジナルをお聴きください。(院長)

 

(1)日本語の歌詞は岩谷時子さんです。

(2)南沙織さんの歌ならばラジオで、あるいは小林麻美さんはTVコマーシャルで歌ったのを聞いたのだと思います。なお1965年(昭和40)NHK紅白で中尾ミエさんが歌っています。

 

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2020年

9月

16日

日本のロックの萌芽(2) カーナビーツ

 壁の飾りをかえました。またまた日本のロックが芽を出したころのGSです。

カーナビーツ「恋をしようよジェニー」昭和42年、作詞:万里村ゆき子、作曲:藤まさはる。カーナビーツは洋楽の日本語カバー物が有名で、デビューシングル「好きさ好きさ好きさ」は英国ゾンビーズの”I love you”のカバーでヒットしました。

 本作品は日本オリジナルです。作曲の「藤まさはる」とは、実はフィリップスレコードの洋楽やGSを担当の本城和治ディレクターなんです(1)。本城さんは洋楽っぽいGSを出したいと考えていたのですが、職業作曲家に書いてもらうと歌謡曲風になってしまう、そこで自分自身でイメージ通りの洋楽を作ったわけです(2)。でき上ったサウンドは当時英国で流行したマージービートなんです。ドラムとギターとベースのシンプルな編成でストリングスやブラス無し、コーラスの差し込み方なんかそのまま60年代ブリティッシュ・ビート。こんなの1967年に日本人が作ってたのかと感心します(しみじみ)。後年、欧米でJapanese garage rockと高評価されたのも頷けます(3)。

 歌詞はとりとめもないラブソングで、今聴くと何じゃこりゃ?ですが、この時期のGSに多かった少女漫画的(当時のですよ)な、王子様、メルヘン的イメージが現実離れしている点がむしろ味わい深いです。

 ジャケット写真は斜めアングルの不自然な笑顔そして洋風チェアと、背中がかゆくなるほどアイドルイメージです。商業的に売るためにはこういうのも必要なわけです。

 サウンドはブリティッシュ・ビート洋楽、歌詞と見た目はアホらしいくらいアイドル風、というアンバランスを楽しむのがGSの魅力のひとつです。

 日本のロックはこういうところから始まり、やがて完全自作で独自のポピュラー音楽スタイルを生み出すようになったのです。皆様日本のロック黎明期の名作、ぜひ一度お聴きください。 (院長)

 

(1)本城和治さんはフィリップスでもともとジャズや洋楽輸入部門を担当していました。洋楽にかんする豊富な経験を買われ、GSのプロデュースに携わります。GS王国フィリップスと言われるくらい数々のグループを送り出した功労者です。スパイダース、テンプターズ、ジャガーズ、パープル・シャドウズ、リンド&リンダースetc。

(2)日本のR&B名作「グッドナイトベイビー」もポリドールレコード社員でR&B好きの松村孝司さんがペンネームで書いた作品でしたね。そういえばあの筒美京平先生も元はポリドールのディレクターで入社し、社員の時から作曲されていたんですよね。

(3)意外にもGSマニアが海外に多くいるらしいです。マイナーGSの音源CDは輸入盤でしか入手できないことが度々です。曲名はすべてローマ字表記で新鮮です。例”KOI O SHIYOUYO JENNY”など。

 

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2020年

9月

02日

日本のロックの萌芽(1) ゴールデンカップス

壁の飾りをかえました。

ゴールデン・カップス「銀色のグラス」昭和42年 作詞:橋本淳、作曲・編曲:鈴木邦彦

 前回のゴールデンハーフは全員がハーフという設定のアイドルグループでした。この時代はハーフとか外国人の価値が高かったので、そういう設定が受けたのです。GSでゴールデンカップス(略称カップス)もメンバー全員ハーフという設定でした(1)。

 カップスは元々横浜で外国人クラブなどを拠点に演奏し、ロックやR&Bを志向していました。生まれたときからJ-POPがあった世代には想像もできないでしょうが、当時ロックの人(演者もファンも)の間では日本語はロックに合わない、日本語ではロックを表現できないと本気で信じられていました。それくらい洋楽信奉が厚く、彼らもそうであったようです。

 さてこの曲はデビューから2枚目のシングルです。特筆すべきはルイズルイス加部(写真向かって右から2人目)のベースです。ものすごい迫力のベースラインです。間奏でギターとの壮絶バトルは聴きどころです。当時のGSは作詞・作曲の先生が書き、一般受けするために歌謡曲風に作られていました(2)。彼らは、レコード会社から言われた歌謡曲を演奏することが相当イヤだったようで、その不満を演奏にぶつけているように聞こえます(3)。洋楽が好きで洋楽に憧れたカップスは、職業作曲家が作った歌謡曲を、見事な日本語のロックに昇華させました。

 この曲は昭和42年11月発売です。1967年に既にこのサウンドを出すバンドがいたことが大変価値があると思います。日本のロックはGSから始まりました、それも商業アイドル系GSでないところから芽が出ていたのだと言えましょう。

 日本のロックの萌芽であるこの曲、必聴です。ぜひイヤホンでなくスピーカーでお聴きいただきたいと思います。 (院長)

 

(1)本当のハーフはルイズルイス加部だけで、日系米国人のケネス伊東と中国人のエディ藩を除いて残りは純日本人だったそうです。

(2)カップスの代表曲といえば「長い髪の少女」ということになっていますが、これは彼らの本領である洋楽ロックとはかけ離れた歌謡曲スタイルであり、本人達はだいぶ嫌だったそうです。院長も「長い髪~」はイケてない曲だと思います。商業音楽なので売れるためには仕方ないんですけどね。

(2)ルイズルイス加部 著「気ままに生きる」より、「よくこの曲のベースラインがすごいと言われたけど、なんでそうなったのかと言うと頭のコード進行が歌謡曲っぽくて、ちょっとイラついたんだと思う。だからガシャーンって遊んで弾いちゃったのかも。」と本人が述懐されています。

(追記)元メンバーでドラムス担当だったマモル・マヌーさん(写真最も左)が2020.9.1に心筋梗塞でお亡くなりになったことが9.8に報じられました。日本のロックを作った音楽家のご冥福をお祈り申し上げます。

 

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2020年

8月

19日

ゴールデン・ハーフの太陽の彼方

「ゴールデン・ハーフの太陽の彼方」 昭和47年

作曲:Lee Hazlewood 日本語作詞:タカオカンベ

過去ブログをみると7-8月は夏のレコードを飾っていました。今年はコロナ騒動で余裕がないままお盆が過ぎてしまいました。これではさびしいと思い、遅くなりましたが夏の曲を飾っております。

ご存知「乗ってけ 乗ってけ 乗ってけ サーフィン」の曲です。原曲は米国のサーフィンバンド アストロノーツが1963年に出したエレキインストの”Movin'”という曲です(1)。日本語の歌詞をつけてヒットしたのをゴールデンハーフがカバーしました。エレキサーフィンなのでテケテケやリバーブ音が豊富で夏らしいですね。

ゴールデンハーフはメンバーの全員がハーフ(という設定)のアイドルグループでした。ドリフの8時だよ全員集合!などによく出ていました。

向かって左から、マリア(Gメン75の速水涼子刑事で出演、時代劇でも活躍)、エバ(元祖バラドル、天然ボケのコントやギャグが楽しかったですね)、ユミ(小林ユミさん、実は両親とも日本人だったことをのちにカミングアウト)、ルナ(解散後セクシー女優を経て引退)

残暑厳しいですが皆様お身体にお気をつけください。 (院長)

 

(1)インスト曲=インストゥルメンタル曲=歌のない楽器だけの曲。原曲の ”Movin'” は単調な繰り返し構成なので途中で退屈します。大瀧詠一さんが「お経を聴いている境地になる」とCDのライナーノーツに記しています。

 

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2020年

8月

05日

宝塚宙組 フライング・サパ 梅田芸術劇場

2回連続宝塚で恐縮です。

宝塚大劇場 花組「はいからさん」せっかく開演したものの、再び休演となり大変残念です。ジェンヌさんスタッフさんの無事を願っています。

 

宙組 「フライング・サパ」 梅田芸術劇場2020.8.1~8.11

まだ観ていません。院長の敬愛するトップスター 真風涼帆さんが出演されます。

この公演は作・演出の上田久美子先生の意欲作と聞いています。

従来の宝塚風ではない作品であるという噂。近未来SFのストーリー、歌や踊りは少なく通常のセリフ演技が大半、ということです。観た人の話ではトップ真風さんのカッコよさが際立っていて、それに加え劇の方も深い内容でたいへん面白いということです。

院長も観劇できるのを楽しみにしています。院長の好きな名歌手 瀬戸花まりさんと留依蒔世さん、そして渋い男役 若翔りつさんの活躍も期待大です。

 

厳しい暑さですが、皆様くれぐれもご自愛ください。  (院長)

 

2020.8.10追記:観てきました。ストーリーは重いです。確かに歌がほとんどなくお芝居のみ、それゆえに宙組皆さん演技力の充実を感じました。真風さん、芹香さん、まどかさん、夢白ちゃんも演技を練りに練ったという印象です。綾瀬あきなさんと春瀬さんのダンスがキレキレで見ものですよ。瀬戸花さんのアナウンサー役は語り部の役割もあり、説明の長台詞を淀みなく聞かせてくれます、これはスゴイ。フィナーレで瀬戸花さんならではの美声歌唱もありますよ。紫藤りゅうさんはノーブルなお姿、星組から異動したばかりですが宙組の景色に溶け込んでいます。若翔りつさんはますます男役を極めています。そして若手の注目は2年目山吹ひばりちゃんが大活躍です、無表情なアンドロイド的な女性の役と、そして絶望的不幸からある人に拾われ一瞬の幸せを過ごすヒロインの幼少時役の2役演じ切っています。今後が楽しみです。

 

休演続きでなかなか観劇できないなか、院内にポスターを飾ってモチベーションを維持しています(写真右)。

 

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2020年

7月

22日

宝塚再開 花組 はいからさんが通る

2020年3月から休演していた宝塚歌劇が戻ってきました。

花組「はいからさんが通る」7/17-9/5 宝塚大劇場 (写真は院内の飾りです)

 花組新トップスター柚香光(ゆずかれい)さんの大劇場お披露目公演です。

 柚香さん(95期)は男役トップの貫禄が出てきました。娘トップの華さん、おてんば役の紅緒らしい勢いを感じます。フィナーレのデュエットダンスは渾身のリフトが見せ場です。本当に美しいトップコンビであります!

 院長の好きな、美声の和海しょうさん(94期)、今回歌の場面は少ないものの、芝居終盤では楽しいアドリブ?を披露してくださり、盛り上がります。トップさんの1期上、頼れる上級生の風格です。

 今回公演では若手ジェンヌさんが活躍します。97期永久輝 せあさん(役名:高屋敷)、98期飛龍つかささん(牛五郎)、100期の華優希さん(紅緒)、聖乃あすかさん(蘭丸)、音くり寿さん(環)、前回2017年から入れ替わりがあり新しい花組を感じます。

 また下級生では105期生たちが目を引きます。伶愛輝みらクンがコサック兵役で立ち廻り、堂々としたスター性があります。美空真瑠クンも表情豊かな芝居がいいです。湖華詩ちゃんは華やかな顔立ちと雰囲気で洋装が大変映えますね、お姫様のようです。みんな将来が楽しみです。

 さて、感染予防策のため普段と異なることが多いです。建物入場時に体温マスクなどのチェック。一定間隔をあけて並ぶ。座席は1つおき(舞台が見えやすい)。音楽はオーケストラ生演奏でなく録音(生演奏がないと盛り上がりに欠けるというか、何となく寂しいですね)。

 そして、観劇に際して注意が必要な点をまとめました。

(1)オペラグラスの貸出しが中止されています。売店での購入も困難(以下(2)を参照)。絶対にお忘れなく!

(2)グッズ販売店(キャトルレーヴ)は入場整理券が必要、朝から並ぶ方もいるので当日入店は困難です。グッズ購入は平日空いている時間帯の梅田店が現実的でしょう。

 

皆様、久しぶりの宝塚歌劇、機会がございましたらぜひご観劇ください。 (院長)

 

(訂正) 劇場内の飲食店は一部を除いて利用できます(7/26現在)。先日の記事で飲食店が閉まっていると記しましたが誤りです、お詫びして訂正いたします。

 

関連記事:花組はいからさん休演中2020.4.8、 宝塚歌劇カテゴリ

 

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2020年

7月

08日

筒美先生の世界(3) 傷つく世代

壁の飾りをかえました。

南沙織「傷つく世代」昭和48年 作曲 筒美京平、作詞 有馬三恵子

筒美先生のスゴイところは洋楽の流行をいち早く取り入れ、それでいてオリジナル筒美サウンドに仕上げてしまうという職人技なんですよね。

なのでどこかで聞いたようなフレーズが隠されているのです。

さてこの曲は、出だしがエリック・クラプトン「いとしのレイラ」です(1)。当時この「傷つく世代」を耳にしたロックファンはニヤリとしたことでしょう。

テーマフレーズのギターを弾くのは矢島賢さん、自身が弾いたとインタビューで答えておられます(2)。そして曲全体をグイグイ引っ張るベースもお聴きください!おそらく武部秀明さんではないかと私は思います(3)。

やがてブラスとストリングスが参入し、ギター&ベース&ドラムスと激しく絡み合いながらノリノリになるのです!そして高揚感を保ったままエンディングまで走り抜ける。

南沙織さんの歌唱も素晴らしい、アイドルとは思えない細やかな表現力なのです。

実に贅沢なサウンド構成、筒美先生の世界をぜひ一度ご堪能ください! (院長)

 

(1)ネットで調べてみましたらエルトンジョンの「罪人にあわれみを」の方が似ているそうです。しかし“ミソラドラソラ”はリズム&ブルースでは普遍的フレーズなので、どの曲から取ってきた、とは言えないでしょうとのことです。(大人のMusic Calendar 2019年5月1日より)

(2)Guitar magazine 2013年11月号

(3)寺川正興さんのようにも聞こえますが、ベースラインの起伏がやや少ないことと、昭和43年頃筒美先生作曲の録音に多数参加していたことから武部秀明さんと考えられます。

 

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2020年

6月

24日

梅雨のノスタルジー 悲しき雨音

壁の飾りをかえました。

カスケーズ「悲しき雨音」"Rhythm of the rain" 1962年

皆様いかがお過ごしでしょうか。少しずつ街の活気が戻ってきましたね。

例年、6月7月には雨に関連するレコードを飾って皆様をお迎えしております(1)。

おそらくこの写真を見て曲名もグループ名もピンとこない方が多いと思います。

しかし曲自体はほとんどの人がどこかで聴いたことがあるはずです。

院長は小学生の頃街角でこの曲をよく耳にしたのを覚えています。電気屋さんのラジカセ、スーパーや百貨店の売り場、ボウリング場、ちり紙交換車の放送・・・歌入りもあれば演奏だけのも。

大学生になりオールディーズを集めていた時に曲の名を知りました。

イントロのオルゴールのような音色(2)が雨のリズムに聞こえるのです。優しいメロディとコーラスがノスタルジックな郷愁を感じさせます。そんなところが日本人にも受けしたのでしょうか。大ヒットしたそうです。雨がしとしと降ってくるとこの曲が自然に出てきます。ぜひ皆様も梅雨のひとときにこの名曲をお楽しみください。

曲名は「悲しき雨音」、歌はカスケーズ、ですよ。  (院長)

 

(1) 2016年欧陽菲菲「雨のエアポート」、2017年欧陽菲菲「雨の御堂筋」、2019年八代亜紀「雨の慕情」和田アキ子「どしゃぶりの雨のなかで」

(2) この音はチェレスタという鍵盤楽器だそうです。

(追記)レコードジャケットのイラストですが、漫画家の永島慎二さん(代表作「漫画家残酷物語」)の絵に見えます。副業でイラスト仕事もされていたのか?ネットで調べても詳細不明。ご存知の方いたら教えてください!

 

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2020年

6月

10日

悲しき願い Don't let me be misunderstood

「悲しき願い」1977年サンタ・エスメラルダ、1965年アニマルズ、1964年ニーナ・シモン、原題"Don't let me be misunderstood "(1)

壁の飾りをかえました。

中原理恵さんの「東京ららばい」の元歌はこれですな。

筒美京平先生本人がサンタ・エスメラルダみたいな曲を作りたかった、とおっしゃっていたそうです。これは作詞の松本隆さんへのインタビューで語られています。

サンタエスメラルダ版はラテンのリズムにのせたディスコサウンドで、演奏も歌も情熱的ですよ。「東京ららばい」にはこの感じがよく出ていますね。

サンタエスメラルダの元が英国のブルースロックグループ、ジ・アニマルズです。エリック・バードンの魂の叫び歌唱(2)がハモンドオルガンと相まって胸を打ちます。そしてさらに大もとのオリジナルが1964年ニーナ・シモンが歌ったブルーズです。

元の歌をたどるのも歌謡曲鑑賞の楽しみです。 (院長)

 

(1)この英文、使役動詞letのS+V+O+C構文で、Cの部分が受動態なのでbe+過去分詞かつ不規則変化という、受験英語的には結構ややこしい文章です。歌詞の1行目 Baby, do you understand me now ? に呼応してるんでしょうね。歌詞にはその他intention, regret, be bound to~などセンター試験に出そうな単語・熟語が入ってます。まあそんな無粋なことを考えるとこの歌の良さは味わえないわけですが。

(2)エリック・バードンの歌をぜひご鑑賞ください。

 

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2020年

5月

27日

筒美京平先生の世界(2) 東京ららばい

壁の飾りをかえました

「東京ららばい」中原理恵 昭和53年、作詞:松本隆、作曲:筒美京平

昭和53年というのは演歌が不振、ニューミュージックが売れて商業化の傾向となり、80年代アイドル全盛期の前夜という時代です。何となく特徴のない、分類しづらい年と言えます。そんな混沌とした時期は、皆が新しいサウンドを模索して面白い音楽が産まれてくるように思います。この年は、女性では渡辺真知子、庄野真代、中原理恵(1)、サーカスが新しいサウンドとして流行しました。みな同年第29回NHK紅白に出場しました。

さてどんな時代背景であっても、そのとき最先端で流行している洋楽をいち早く取り入れ、新しいスタイルのヒット曲を作り上げる名人が筒美京平先生なのです。この曲では当時流行していたディスコ音楽のイントロとラテンな雰囲気を取り入れ、しかも日本的旋律も交ぜつつ、皆の耳に残るキャッチーなメロディーを編み出しました。筒美先生はこの年の紅白に岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」、庄野真代「飛んでイスタンブール」、中原理恵「東京ららばい」、太田裕美「ドール」、野口五郎「グッド・ラック」と5曲も送り込んでいるのです(2)。すごいですね!皆様、歌謡曲をお聴きの際には作曲者名のチェックもしていただけるとより楽しめます。   (院長)

 

(1)この当時の中原理恵さん、歌の内容も見た目も大人っぽいですが、実は20歳だったそうです。後に中原さんは欽ちゃんの番組にレギュラー出演しコントを演じましたね。

(2)岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」=ディスコ・サウンド、庄野真代「飛んでイスタンブール」=エキゾチック中東風、中原理恵「東京ららばい」=ラテン系、太田裕美「ドール」=70年代アイドル直球ど真ん中、野口五郎「グッド・ラック」=AOR風、と多彩なのです。

 

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2020年

5月

13日

筒美京平先生の世界(1) にがい涙 スリーディグリーズ

壁の飾りをかえました。

「にがい涙」スリー・ディグリーズ 作詞:安井かずみ、作曲:筒美京平

東京スカパラダイスオーケストラの故クリーンヘッド・ギムラさんが熱唱されていました。初期スカパラのカバー曲は選曲センスが抜群ですね。その元の曲がこれです。

スリー・ディグリーズ(1)はフィリー・ソウル(2)を代表する3人組です。70年代ディスコ・サウンドと言えば思い出されるのではないでしょうか。ディスコ大流行の時代に純日本製ディスコ曲を作ろう!という企画で制作されたのが本曲です。

作曲は筒美センセ!もう先生は何でも書いちゃうスゴイ職人的作曲家なんです(3)。歌謡曲ファンの間では神様です(きっと業界の方々の間でももっと神でしょう!)。ディスコが流行っていた当時は浅野ゆう子さん、岩崎宏美さん、桜田淳子さんなどにも和製ディスコをバンバン提供しました。

そして作詞は、新しい女性像を描く詩人、安井かずみさんです。本曲では演歌的とは違うスタンスから女性の情念を表現します。

スリーディグリーズがこの日本語歌詞の意味を深く理解していたとは思えませんが、それでも言葉関係なく深く心に残る歌唱ですね、歌もダンスもソウルフル。

皆様ぜひいちど動画などでご覧ください。そして、ぜひ東京スカパラダイスオーケストラの「にがい涙」もお聴きください。 (院長)

 

(1)「ソウル・トレインのテーマ」「天使のささやき」を歌った人気グループです

(2)フィラデルフィア・ソウルの略

(3)ブルーライトヨコハマからサザエさんも…全作曲数2700曲以上、ヒットチャート登場500曲以上…キリがないほど偉大な作曲家です。

 

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2020年

4月

22日

ウーハンの女 東京スカパラダイスオーケストラ

ウーハンの女 東京スカパラダイスオーケストラ 1990年(平成2)

壁の飾りをかえました。珍しく平成時代、それも歌謡曲以外。

スカパラがインディーズ時代、梅田EST1のワルツ堂で購入しました。赤い方はメジャーデビューCDです。初期のスカパラは胡散臭さに満ちているのが魅力でした(1)CD5曲目に「ウーハンの女」が収録されています。中国風のメロディーにスカ(2)のリズムを合わせたノリの良い曲です。漢字で書くと「武漢の女」です。

そう、武漢はコロナで一躍有名になりました。

先日家で「ウーハンのコロナは終息しそうだね」なんて話をしていたら妻に「ウーハンて何?」と怪訝な顔をされました。ウーハンておかしい?院長は「武漢」の字をみるとつい心の中で「ウーハン」と音読してしまいます。というのも昭和時代に地理の授業で「ウーハン」と習って以来(3)身に染みついているんですよね。

地理では各国の重工業コンビナートが頻出で、武漢はけっこう重要なのです。

#ターイエ(大冶)鉄鉱石+ピンシャン(萍郷)石炭→ウーハン(武漢)鉄鋼コンビナート 

#アンシャン(鞍山)鉄鉱石+フーシュン(撫順)とフーシン(阜新)石炭→鞍山鉄鋼コンビナート・・・という具合に。漢字も覚えました(3)

TVでしきりに「ぶかん」と言っているのを聞くと違和感アリアリです。

人口1100万の武漢は76日の都市封鎖を経てコロナを乗り切ろうとしています。

1300万の東京そして大阪も兵庫も日本中の町が今なおウイルスに苦しんでいます。現場で戦っておられる医療者の皆様本当にお疲れ様です。営業自粛で苦しんでいる皆様お疲れ様です。一日も早くコロナウイルス感染症が終息するよう願っています。(院長)

 

(1)スカパラがインディーズ時代、観に行きました。神戸チキンジョージ。ものすごい熱気のライブでした。その次に見たときは有名になり神戸国際会館に昇級していました。スカパラと同じモッズスーツを作りたくて世田谷区「洋服の並木」まで行きました。懐かしい。

(2)スカはジャマイカから発祥したポピュラー音楽の種類。「スッチャスッチャ・・・」というリズムが特徴。

(3)現在も地理の授業では中国の地名をカタカナで教えているそうです。政治的配慮とか色んな事情があるみたい。ただし今は原則漢字無し(教えるのは任意)で全部カタカナ表記の教科書や地図帳は恐ろしく読みづらいです。

 

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2020年

4月

08日

宝塚休演中 花組 はいからさんが通る

壁の飾りをかえました。

宝塚休演中 花組「はいからさんが通る」

花組新トップ、柚香光(ゆずかれい)さんの宝塚大劇場お披露目公演!になるはずが、全ての宝塚歌劇が休演中(2020.4.8現在)。はいからさん、まだ通りません。

大和和紀さんの漫画のミュージカル化です。院長も昭和時代に原作をリアルタイムで読みましたね(1)。アニメも見てました(2)

2017年に日本青年館ホールと梅田芸術劇場シアタードラマシティで上演、柚香さんの伊集院少尉が大人気でした。この時は人気すぎて院長は観れずじまい、DVDで鑑賞しました。大劇場での再演をとても楽しみにしていました。

トップ柚香さんが伊集院少尉のイメージにぴったりですね。ワイルドで男気ある鬼島軍曹は同期の水美舞斗さんが演じます、これは前回から引き続きハマリ役です。

さらに、院長の大好きな、和海しょうさん、羽立光来さん、花組を代表する名歌手の活躍も観たかった。

まだ休演中で再開の見通しが立たないようですが、こればかりは仕方がございません。

阪急さん、全組後ろ倒しにしてでもいつか再開していただけますようよろしくお願いします。欲を言うと、専科の華形さん、雪組トップ望海さん、真彩さんの退団も延期して!

一日も早く感染症流行がおさまり、元の平和な毎日が戻りますように願っております。

皆様、感染予防につとめてください、くれぐれもご自愛ください。  (院長)

 

追記)4月9日、ほんまに退団日が延期になりました!うれしいです。ありがとうございます、阪急さん。(院長)

 

関連記事: 宝塚再開 花組 はいからさん、 宝塚カテゴリ全組

 

(1)週刊少女フレンド 昭和50‐52年連載、コミック全8巻何度も通読しましたわ。

(2)アニメは昭和53年6月~54年3月 土曜7時に放映されました。本放送の時期は院長塾通いでリアルタイムで見れなかったはず。夕方の再放送を何度も見ました。今でも歌を覚えています。

 

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2020年

3月

18日

春なのに

壁の飾りをかえました。

「春なのに」昭和58年 歌 柏原芳恵、作詞・作曲 中島みゆき 

いまやほぼ全ての日本人がこう思っているんじゃないでしょうか。三月といえば心躍る季節なのですが、今年は春なのにちっとも楽しくないですな。

さて表題曲は卒業式を舞台とした別れの曲です。テレビやラジオでよく流れていたのを覚えています。今聴きなおすと中島みゆきさんの詞が味わい深いですね。女子高生の心情吐露だけを以て、卒業式当日の光景、彼へのこれまでの思いとかかわり、映像と時間経過が映画のように浮かび上がってくるのです。男子の一言で色々察した女子高生が諦め忍ぶさまは、演歌のそれであります(1)。女子高生にしては大人すぎるようにも思えます。当時柏原さんは堀越高2年生(2)、歌詞の主人公とほぼ同年齢のアイドルが現にそこで歌い上げることにより、年齢不相応な演歌的情念がリアリティに結実せざるを得なくなるのです。

今上陛下が皇太子であられた頃、「好きな歌手は柏原芳恵さん、「春なのに」がいいですね」とお話になられたエピソードが有名です。

早く楽しい春が戻るといいですね。      (院長)

 

(1)後年マツコ・デラックスさんがこの曲を「演歌の世界」と評されています。

(2)この曲は制服姿でのTV出演が多かったようです。

 

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2020年

3月

04日

ジュリーの美学  ロイヤルストレートフラッシュ

壁の飾りをかえました。

沢田研二ベストアルバム「ロイヤルストレートフラッシュ」昭和54年

ロイヤルストレートフラッシュはポーカーで最高位の役です。70年代ジュリー最高のヒットが並びます。

ジュリーは小学生男子にとっても憧れのスターでしたよ。レコードは高くて買えないのでテレビの歌番組で見るのが楽しみでした。御覧くださいこのレコードジャケット。派手な衣装と気障がこれほど似合うスターはいません。

こんな男おらんやろ、というほどのキザっぷりがジュリーの美学ですね。現実離れが振り切ってるのがいいのです。帽子を飛ばしたり、ウィスキーを口から噴射したり、空中を飛んだり、ジュリーが何をやるのかみんな毎週ワクワクしました。アイドルでもない、大人向け歌謡でもない、独自のカッコよさがあるスター(1)

こういうキザはだんだん見かけなくなりました。時代がリアルと日常性を求めるようになったからでしょう。いまやキザなセリフを聞かせてくれるのは名探偵コナン君くらいです(2)

しばらくこういう感覚を忘れていましたところ、大人になって宝塚との邂逅がありました。ヅカ男役の美学もまたキザを追求するところがあります。何かジュリーの美学と相通ずるものがあるように思うのです(3)。旧友に再会したような不思議な気分であります。皆様、ぜひジュリーの美学をご堪能ください。  (院長)

 

(1)他方ドリフのコントで見せるお笑いのジュリーも面白くて楽しみでした。久しぶりに見たら大爆笑でした。

(2)昔のアニメはキザが多かった。ルパン三世、スペースコブラ、キャッツアイ、日常でこんな話し方しないって!

(3)LP収録曲B-5「あなたに今夜はワインをふりかけ」は、まさに2017年花組公演「Santé!!」で歌われました。


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2020年

2月

12日

宝塚星組 「眩耀の谷/ Ray」

壁の飾りをかえました。
宝塚 星組「眩耀(げんよう)の谷/Ray(レイ)」 2020/2/7-3/9 宝塚大劇場
新トップコンビ、礼真琴さんと舞空瞳さん宝塚大劇場お披露目公演です。 礼さんは歌唱とダンスの技術で大変な定評があります。前トップ紅さん、前々トップ北翔さんの時代からずっと星組を支えてきました。満を持してのトップスター就任です。「眩耀の谷」でソロ歌唱を多く聴かせてくれます。ヒロインの舞空さんは可愛くてダンスがうまい、礼さんとお似合いです。
さて新生星組はいぶし銀のスターさんも見逃せません。院長の大好きな愛月ひかるさん(愛称 愛ちゃん)。2番手おめでとうございます!元宙組から専科そして星組へと異動されました。この人には「愛ちゃんにしか出せない味」というのがあって、アクの強い役を演じたら随一です(1)。今回は超悪者の将軍の役を演じます。長身でキザな仕草が似合う、背中で男を表現できるジェンヌさんです。さらに、花組から組替えの綺城ひか理(あやきひかり)さんも輝いています!スラっと背が高く渋い顔だち。低く通る声の歌ウマさんです。真面目で冷静な人柄をうかがわせるストイックな演技をされます。新しい星組で注目のジェンヌさんですよ。
後半のショー”Ray”は新トップ礼さんの名からですね、光のショーとともに礼さんの歌を堪能できます。院長お気に入りは、2番手愛月さんをフィーチャーしたNYの場面、スーツに帽子でカッコイイですね。このシーン、愛月さんと綺城さんダンディ男役二人に美人娘役・有沙瞳ちゃんの並びが壮観です。
皆様、新しい星組の舞台をぜひご観劇ください。 (院長)

 

(1)愛月さん出演の公演はこちら→ WEST SIDE STORY黒い瞳

#ほかの宝塚記事はこちら 

 

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2020年

1月

29日

受験数学の話 相加平均≧相乗平均

たまには勉強の話をしましょう。ちあきなおみの「X+Y」の文字を見ていると、高校数学の不等式「相加平均≧相乗平均」を思い出します。
こいつは時として物凄い威力を発揮します。条件さえ揃えば、この式を使うと面倒な計算を回避し瞬時に答えが出せることがあります(1)。うまく使いこなせれば必殺技になりうる、しかしそれに気付けるかどうかが難しい。「コーシー・シュワルツの不等式」も似た性格を持ちます(2)
医学・生物学と違い、学問としての数学は厳密で一貫した論理があって、じっくり考える楽しみと普遍の法則に気付く感動があります。しかし、受験数学となると学問だけでなくギャンブル的要素を帯びるのです。受験数学は時間内に点数をとることが目的の勝負とも言えます。捨て問を判断したり、部分点を拾ったりと、数学の本質と違うところで戦略が必要です。ひとたび計算地獄に陥れば疑心暗鬼に襲われます。「もしかしたらこの解法は間違いではないか?」自分を信じて計算を進めるか、撤退して解きなおすかギリギリの判断を迫られる、メンタル面の強さも必要です。日々計算と問題演習に明け暮れるのは、その恐れに打ち克ち己を信じられるようにならんがためです。また他科に比べ1問の配点が大きいのもギャンブル性を高めます(3)。英語やセンター試験で細かく点を集めても数学1題を落とすと全てがパー。数学1題の解答用紙はA4~B4のだだっ広い白紙、見た目からして配点が高そうです。受験生はたった一枚の答案用紙に人生を懸けています。その辺、バカラやポーカーで一枚のカードに賭けるギャンブラーや一枚のツモ牌に賭ける雀士に通ずるものがあります。白い解答用紙はさながら緑の羅紗です(4)試験場で、相加相乗やコーシー・シュワルツのような大技が使えることに気付きエレガントな解答を書けると、ロイヤルストレートフラッシュか大三元が来たかのような陶酔を感じるわけです。

これが大学で学ぶ学問数学との違いであり、そして受験数学の面白いところです。受験数学を経験した人以外にあの雰囲気を伝えるのは難しいかもしれません。

 

受験生の皆様、二次試験まであと少しです。頑張ってください。あなたの頭上に数学の神様が降りてきますように! (院長)

 

(1)東京大 昭和49年 文・理科第2問、同平成24年 文科第2問
(2)東京大 平成7年 文・理科第1問、大阪大 平成27年 文系第1問、理系第2問、

(3)制限150分で5-6題しか出ません。1題の配点は100点換算で17-20点、東大と京大は6問、阪大は5問でした。阪大は1問あたりの比率が多く、1つ間違えると他科目で取り返せない、1つ余分に解けると大きなアドバンテージ、とギャンブル性が高いです。
(4)カジノテーブルや雀卓は緑の羅紗の布が張られています。

 

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2020年

1月

15日

ちあきなおみのアイドル時代

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
壁の飾りをかえました。
ちあきなおみ「X+Y=LOVE」昭和45年 作詞:白鳥朝詠、作曲:鈴木淳
フィンガー5の電話を見ていたら、この曲を思い出しました。ジャケット写真の通りです。初期のちあきさんはデビューの「雨に濡れた慕情」はしっとりジャズ風でしたが、3枚目「四つのお願い」、4枚目「モア・モア・ラヴ」、5枚目本曲「X+Y」とお色気アイドル路線だったのです。同時代でいうと奥村チヨ、辺見マリ、山本リンダ系列です。

その後、昭和47年「喝采」、48年「夜間飛行」、49年「円舞曲」など渋い曲で本格派という位置づけになりました。しかしアイドル時代から相当な上手さです、というより元々とびぬけて上手い歌手がレコード会社の方針でアイドル系を歌わされたということですね。この曲なんて歌詞が他愛もないナンセンスで仕方ありませんが、歌声を聴いているだけでだけで耳がスピーカーから離れません。本物の歌唱力を持つちあきさんの歌はどんな楽曲でもすばらしいですね。ぜひ一度ちあきさんの歌をご鑑賞ください。 (院長)

 

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2019年

12月

25日

井上忠夫の世界 恋のダイヤル

壁の飾りをかえました。
フィンガー5「恋のダイヤル6700」昭和48年 作詞:阿久悠、作曲:井上忠夫
ブルーコメッツの井上大輔さん(本名 井上忠夫)は後に作曲家として大活躍します。
初期代表曲の一つがコレです(1)
曲構成は当時流行していたソウル風です。そして何より小学5-6年生のアキラ君と妙子ちゃんの高音のソウルフルな歌が印象的で、まさにジャクソン5のマイケル坊や(2)です。井上さんのアメリカンポップスとソウルR&Bに対する憧れが詰まった曲です。
歌詞の世界もアメリカンですよ。何せ、明日の卒業式で彼女に告白しよう、なんてこれはアメリカのプロム(2)のことですよ。そんなシャレたもん昭和の日本には存在しないからね。電話番号が入った歌というのも古くはグレンミラーのペンシルベニア6-5000から、R&Bならマーヴェレッツの「恋のビーチウッド4-5789」やウィルソン・ピケットの「634-5789」が思い浮かびますが、この曲はマーヴェレッツの歌を意識していそうですね(3)
当時はそんな音楽的背景なんか全く知らなかったけれど、子供たちはみんなフィンガー5が大好きでした。この曲とフィンガー5の歌からあふれる楽しそうで元気でアメリカンな魅力に引き付けられたんでしょうね。
井上さんはこの後80-90年代にもヒット曲を飛ばします。そして以前紹介したシャネルズ「ランナウェイ」につながるのです。 

 

インフルエンザが流行し始めています。皆様くれぐれもお身体にお気をつけください。

それでは良い新年をお迎えください。来年もよろしくお願い申し上げます。(院長)

 

(1)フィンガー5「学園天国」も井上さんの作曲です。
(2)後のマイケル・ジャクソンです。
(2)米国で高校生の卒業パーティーの習慣、”promenade”
(3)と思っていたら、阿久悠さんによるとグレンミラー「ペンシルベニア6-5000)」にヒントを得たそうです。

 

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2019年

12月

11日

冬に聴きたくなるGS ブルーコメッツ

壁の飾りをかえました。

「ブルー・シャトウ」 ジャッキー吉川とブルーコメッツ 昭和42年

作詞:橋本淳、作曲:井上忠夫
昭和42年第9回日本レコード大賞受賞。同年18回NHK紅白出場。
当時グループサウンズ(GS)が若者に大人気だったのですが紅白に出場できたのはブルーコメッツだけなんですね。理由は「長髪でなく洋服もスーツできっちりしているから」だそうです(1)。

確かにブルコメはGSの中でもシブ目です。楽曲もちょっとマイナー調で哀愁を帯びています。というわけで冬に聴きたくなるGSなのです。ジャケット写真も木枯らし吹く冬ですね。
さてブルコメの栄誉といえば、伝説の米国TV番組「エド・サリバン・ショウ」に出演したGSも彼らだけです。演奏曲は、小田啓義さんが琴で弾く雅楽ではじまり、この「ブルーシャトー」を英語で歌います、間奏の井上大輔さんのフルートが沁み入る音色です、最後のコーラスは日本語で歌ってくれました。カッコイイ名演奏です。ぜひご覧ください!
院長はリアルタイムで聴いたわけでなく、小学生時に替え歌「森トンカツ、泉ニンニク、囲まれテンプラ~」(3)で覚えたクチです。大学生になり日本のGSを研究する中、CDやTVの再放送で聴きました。 若い頃はブルコメなんてジジくさいと思っていましたが、年取ってきた今は楽曲、演奏ともに心惹かれますわ。 (院長)

 

(1)なんじゃそりゃ?と思われるかもしれませんが、当時は長髪やエレキ(ギター)は不良と言われたのですよ。大部分のGSは長髪でした。
(2)米国CBS "The Ed Sullivan Show"1967年12月3日放送

(3)後年、グッチ裕三さんが演っていますね。

 

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2019年

11月

20日

宝塚宙組 イスパニアのサムライ/ アクアヴィーテ

壁の飾りをかえました。
宝塚 宙組「イスパニアのサムライ/ アクアヴィーテ」2019/11/15-12/15 宝塚大劇場
主演は男役トップ真風涼帆さん、今回は武士役で長髪、立ち姿、身のこなし、そこにいるだけで画になるトップさんですよ。ヒロイン星風まどかさんは歌ウマ、銀橋独唱に聴き惚れますね!二番手男役、芹香斗亜さんも芝居歌共に円熟を増していて、一言の台詞で観客の眼をさらっていく力があります。チャラさと「男気」を表現する無二のジェンヌさんです。留依蒔世(るいまきせ)さんは道化師役で持ち味のソウルフルな歌を披露してくれます。瑠風輝(るかぜひかる)さんは真風さんの剣術の先輩という大役を堂々こなしています(1)。ますます貫禄がついてきました。
「アクアヴィーテ」はウィスキーをテーマにしたショーです。本当に楽しいショーで1時間があっという間です!前回「NICE GUY」に続き今回も藤井大介先生の演出。始まりからギラギラ衣装に激しいダンスでしかも人数で攻めてきます。一気に劇場のボルテージが上がります。過剰なまでのキンキラ衣装が真風さんの迫力に合うなあ。そして藤井先生といえば、女装です。これが前回に続いてスゴイのです!これでもかと言わんばかりに男役さんが次々に女装で登場するのですよ(2)。中でも今公演で退団される実羚淳さんの鬼気迫るバレエダンスは一見の価値ありです。

若手男役では琥南まことクンが8人組の一人で登場しキレのある動きで輝いています。新入団105期生は聖叶亜(ひじりとあ)クンが存在感を放っています。キリっとしたハンサムで目立ちますね。早速新人公演で役がついているという期待のホープです。 未来のトップスター目指して頑張ってください!
今の宙組もベテランから若手まで役者が充実して見所満載です。
皆様、ぜひ素晴しい宙組をご観劇ください。 (院長)

 

関連記事:宝塚カテゴリ 宙組 追憶のバルセロナオーシャンズ11黒い瞳WESTSIDE STORY

 

(1)6年上のしかもトップ真風さんに指南する役を務めるのは緊張するでしょうね!

(2)皆さん美しい!男性ファンを獲得するための劇団の作戦なんじゃないかと、院長はにらんでいます。今回、実羚さん、春瀬さん、七生さん、和希さん、秋音さんと上級生女装ありで大サービス?です。

 

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2019年

10月

30日

YMOの功績 ライディーン

壁の飾りをかえました。
YMO ライディーン昭和54年LP「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」
イエローマジックオーケストラ(略してYMO)、チッチキチッチキの機械リズム音から始まる有名曲です。ピコピコ・サウンド懐かしいね、などと片付けてはいけません。
ニューミュージックに商業化の兆しが見えた頃、彼らは現れました。こちらの方が真の意味で「新しい音楽」であったのではないかと思います。
YMOはコンピュータで音楽をどこまで表現できるか実験をしたのです。例えばコンピュータにリズムコントロールさせることで、人の手では弾けないような速く複雑なリズムも出せます。楽器が弾けない人でも練習なく演奏可能になりました。実際「ライディーン」ではバック演奏にかなり速い音符が詰め込まれています。また、機械演奏なので当然ですが故意に人の気配を消した音作りも試みました。同曲ではドラム高橋さんがわざと無表情な叩き方をすることにも表れています。さらに、このことの裏返しで、機械と人間の演奏の差異について研究もなされました。例えばグルーブ(groove)やノリとは何か?についての検証です。電子音は何も加工しなければ均等な符割となり機械的リズムに聞こえます。しかしそのタイミングを均等割合12対12から13対11や14対10などにずらすとグルーブやノリといったものが生まれることを見出しました。これもすごい発見なのです。本アルバムの「Absolute Ego Dance」は14:10のリズムが沖縄民謡に近いことを見つけた曲です。音と音の間隔を細かく検証することによってYMOはグルーブやノリ、民族音楽のリズムを表現することに成功しました。その他、彼らは数々の発見と新しい音楽スタイルへ挑戦し、その後の音楽に大きな影響を与えました。YMOの功績は計り知れません。(何だか総説風の文章になってきました)
 彼らは見た目も新しかった。当時フォークやニューミュージックはボサボサ長髪にジーパンと決まっていました。YMOはテクノカットに人民服やタキシードですよ(1)、新鮮でしたね。  (院長)

 

(1)テクノカットはもみあげを耳の上でまっすぐ落とす髪型です。人間臭さを消す意図があったのでしょう。写真1枚目LP「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」人民服のようないでたちで麻雀です、2枚目はLP「イエロー・マジック・オーケストラ」の裏面、タキシード姿でシンセサイザー用の接続コードを手にしています。 

(おわび 間違えて文1週間ほど文章の記事を消していました。11/4追記しました)

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2019年

10月

16日

ニューミュージックと深夜放送

松山千春「大空と大地の中で」昭和52年 LP「君のために作った歌」
壁の飾りをかえました。はじめて買ってもらったLPです。

この時代はニューミュージックが流行っていました。明確な境界線があったわけではなく、今考えるとフォークの流れを汲むのが多かったです。拓郎さん、さだまさしさん、中島みゆきさん、ガロ、アリスなどなど、松山さんもそうですね。他にはロック系、AOR系、シティポップ系、とにかくアイドルと演歌以外は全部ニューミュージック。テレビに出ないポリシーの人もいたりして、深夜ラジオが彼らの活躍の場でした。松山千春のオールナイトニッポン、チー様(松山さんの愛称)の小気味いいトークを聴くのが楽しみでした。私には兄さんはいませんけど、なんだか兄貴に話しかけられてる感じがしましたね。この曲はチー様のオールナイトが終わるときのテーマ曲です。

5-6年もするとニューミュージックという言い方は消滅しました。今や懐かし音楽の代名詞となり、新しいんだか旧いんだかわからないですね。しかし、あの頃は何だか訳がわからないが音楽の世界がとにかくアツかった。 (院長)

 

LPの歌詞カードにはチー様直筆の楽譜と歌詞があるんですよ。丁寧な字を書く方です。そして松山さんのサインは当時流行していた「丸文字」ですな。丸文字も今や廃れた文化! 

 

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2019年

10月

02日

どこまでも伸びる声/かもめが翔んだ日

「かもめが翔んだ日」昭和53年 歌・作曲 渡辺真知子、作詞 伊藤アキラ

のびる歌声について書いて思い出しました、渡辺真知子さんの声を。どこまでもどこまでも伸びる歌声ですね。聴いていて清々しい気持ちになります。
「ニューミュージック」が流行したのがこの頃でした。 当時は子供向けアイドルと大人向け演歌がほとんどでしたから、こんな感じで歌う人が新鮮でした。ニューミュージックはラジオから発信されていて、「ああこれがニューミュージックなんだ」と思いました。「シンガーソングライター」という言葉も流行りました。のちに歌謡曲の研究で知ったことですが、この時代までは職業作曲家・作詞家の先生に曲を書いてもらうことが当然だったのです。歌手が自分で曲を書くなんてトンデモナイことだった、それがニューミュージックは自分で書いて自分の世界を表現する、新しい時代の到来でした。
もうひとつ、この時期から「翔」という漢字が世に広まりました。「とぶ」を表す漢字は「飛」「跳」ですが、昭和51年司馬遼太郎「翔ぶが如く」を契機に、流行語「翔んでる女(1)」や、ドラマ「翔んだカップル」、横浜銀蝿「翔さん」などを経て、一般の言葉になりました。現代でも人名に使われる漢字の常連(2)ですね。ただし漢和辞典を見ても「とぶ」という読みはありません。正式な訓読みは「かける」です。
今やニューミュージックという言葉はすっかり廃れましたが「翔」は続いています。あの頃は何でも新しいことに挑戦できる時代だったのですね。(院長)

 

注1)翔んでる=俗に、世間の常識にとらわれず、思い通りに自由に行動するさま(三省堂「大辞林」)

注2)宝塚にも多くの「翔」がいらっしゃいます。高翔みず希さん(76期花組組長)、北翔海莉さん(84元星組トップ)、鳳翔大さん(88元雪組)、彩凪翔さん(92雪組)、星吹彩翔さん(93宙組)、風馬翔さん(94元宙組)、颯希有翔さん(96月組)、若翔りつさん(99宙組)、鷹翔 千空さん(101宙組)

 

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2019年

9月

18日

宝塚宙組「追憶のバルセロナ/NICE GUY!」

壁の飾りをかえました。2回連続宝塚で恐縮です。

宙組全国ツアー「追憶のバルセロナ/NICE GUY!」も盛り上がっていますよ。院長は大阪のチケットがとれず、福岡まで遠征でした。
「追憶のバルセロナ」またも院長の好きな男の友情劇(1)です。スペイン貴族の子息で軍人でもあるフランシスコ(真風涼帆さん)とアントニオ(芹香斗亜さん)、そして瀕死のフランシスコを助けるロベルト(桜木みなとさん)の友情が感動ものです。トップ真風さんはますます貫禄が出てきました。今回、桜木さんの歌唱がスゴイ!持ち味のハスキーボイスがどこまでもどこまでも伸びるのです。前作オーシャンズ11のベネディクト役を上回る素晴しい歌唱です。
「NICE GUY」素晴らしいショーですね。スーツ、黒燕尾などの男役さん達が際立ちます。もうね、真風さんがカッコよすぎてほれぼれしますね。今回のメンバーは宙組上級生が中心、どなたも円熟のパフォーマンスで惹かれます。さらに男役さんの女装(?)場面(2)もあって楽しめます。客席降りが3回もあって観客サービス満点でした!そして特筆すべきは留依蒔世(るいまきせ)クンです、ソウルフルな歌い回しは宙組、いやヅカ現役生のなかで彼の右に出るものはないでしょう!また若手では琥南まことクンが男役とロケットダンス娘役に頑張っている姿が印象的でした。
皆様、機会がありましたら素晴しい宙組もぜひご観劇ください。 (院長)

関連記事:宝塚カテゴリ、宙組 オーシャンズ11黒い瞳WESTSIDE STORYイスパニアのサムライ

(1)「黒い瞳」をご参照ください

(2)もともとタカラジェンヌは全員女の子なので女装というのはおかしいのですが、男役さんは男になりきっているので女装なのです。藤井大介先生が演出を担当されると女装(?)場面が増えると言われています。

 

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2019年

9月

04日

宝塚花組 明日海さん退団公演

壁の飾りをかえました。
宝塚歌劇 花組「A Fairy Tale/ シャルム」2019/8/23-9/30 宝塚大劇場

 

トップスター中のトップ、明日海りおさんの退団公演です。本当に偉大なトップさんですね(1)。本作品で退団されるとはさびしい限りです。

今回の劇とショーではトップ継承の儀式ともいえる場面が見どころです。A Fairy Taleの劇中、次期トップを継ぐ柚香光さん演じる植物研究家が明日海さん演じる妖精に向かって「出会えてよかった」と男泣きしながら固く手を握りあうんですね。またショーでは伝統の黒燕尾姿で明日海さんが柚香さんの背を押すのですよ、君に任せたよといわんばかりに。思わず泣いてしまいます。
また花組の歌ウマさんたちの歌も聴かせます。花組副組長の芽吹幸奈さんのエトワール独唱(2)、どこまでも透き通った声、本当に素晴らしい!芽吹さんも今回で退団されるのが残念です、最後まで頑張ってください!そして男役では名歌手、和海しょうさん。福岡ドームで国歌斉唱したことのある実力派です。この人が歌うと舞台が一気に引き締まりますね。
機会がございましたら、ぜひすばらしい花組の舞台をご観劇ください。 (院長)

 

関連記事:宝塚カテゴリ

(1)どれだけスゴイかは宝塚のDVDと本を買って実感してください。
(2)「エトワール」はショーの最後となるパレード場面の始まりの歌のことです。多くの場合、大階段中央で独唱します。歌手は歌に定評のある方が選ばれることが多いです。

 

 

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2019年

8月

14日

夏の読書 昭和を考える8月

8月は昭和を考える月です。「蠅の帝国」帚木 蓬生 著 は軍医として戦地へ赴いた医師達の壮絶な体験を15の短編として構成した話です。当時、多くの医師達が軍医に徴用され戦地で傷病者の診療に当たりました。薬も器具も食糧も衣料もすべてがない。医者から薬と道具を取り上げられたら何もできません。目の前で兵士が死ぬのを見守るしかない。悔しかったでしょう、辛かったに違いありません。そんな中、軍医の最重要かつ最後の任務は、兵の戦死を確認し記録を日本に持ち帰ることでした。

 

厳しい暑さが続きます。皆様くれぐれもお身体にお気を付けください。 (院長)

 

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2019年

7月

31日

夏が来た

暑いですね。壁の飾りをかえました。
「夏が来た!」キャンディーズ 昭和51年5月 作詞・作曲 穂口雄右
キャンディーズ夏の歌としては、翌年の「暑中お見舞い申し上げます」に隠れてあまり目立ちませんが佳曲です。院長も当時のことをよく覚えていません。大学生のときシングル全集CDを買ってこの曲のことを知りました。キャンディーズ解散から10年余り過ぎていました。「春一番」が昭和51年3月にシングルでヒット(1)したので、他の歌手が歌う予定のところ、急遽キャンディーズが5月に歌うことになったそうですが、あまりヒットしなかったようです。
歌詞も曲も少し哀愁の穂口節です、エレキとハモンドオルガンの音色が昭和生まれオヤジの心に沁みます。

暑い日が続きます。皆様くれぐれも御身体にお気を付けください。 (院長)

 

キャンディーズの話をすると必ず誰が好きだったかと聞かれます。院長はミキちゃん派です。

(1)拙ブログ 2017年2月8日「春一番」は録音が2種類あります  を御参照ください。

 

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2019年

7月

17日

ボサノバを創った男 ジョアン・ジルベルトさん

壁の飾りをかえました。
ジョアン・ジルベルト 「Chega de saudade」(1) 1959年
ボサノバ(bossa nova)は1950年代にブラジルで生まれた音楽のスタイルです。アントニオ・カルロス・ジョビン、ヴィニシウス・ヂ・モライスたちとともにボサノバ創成期の中心人物であります。
個人的思い出で恐縮ですが、医学部5-6年の頃、中南米音楽に凝っていまして、ボサノバをたくさん聴き、集めました。ボサノバを延々何時間も流しながら国家試験の勉強をしました。冷房をガンガンにかけて聴くボサノバは最高です。狭いアパートの部屋をブラジルの風が吹き抜けるような気がしました。卒業旅行には憧れのブラジルに行くことができました(3)。リオデジャネイロの中古レコード屋で購入したのがこのLPです(2)
後年、来日公演も観れました。すでに高齢だったジョアンですが、彼は舞台で「寝る」ことで有名でした。ご本人としては「瞑想にふけっていた」そうなのです。私が観たときは20分くらい静止状態、その間一切無音!年が年だけに心配しましたよ。再び歌い出したときは一同安心しました。そんなこともあわせていい思い出です。
ボサノバを創った偉人 ジョアン・ジルベルトさんは2019年7月6日に逝去されました、享年88歳、ご冥福をお祈りします。   (院長)

 

(1)シェガ・ジ・サウダージと読みます。サウダージはブラジル語(ポルトガル語)で「郷愁」「わびしさ」「切なさ」のような感情を表す単語で、日本語や英語など他の言語では表しにくい言葉です。

(2)このLPはデビューアルバムです。まだジョアンが米国に渡る前、ジャズの影響が少ない時期のものです。この盤はおそらく初版ではなく60-70年代の再発物と思われます。

(3)リオデジャネイロではボサノバの巨人アントニオ・カルロス・ジョビン宅訪問(観光地になっている)もできました。イパネマ、レブロン海岸の美しさに見とれました。アマゾン河の街マナウスも行けました。

 

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2019年

7月

03日

日本のR&B(4)アッコさんのどしゃぶりの雨

雨が続きますね。壁の飾りをかえました。強い雨の夜はこの曲を思い出します。

和田アキ子「どしゃぶりの雨の中で」昭和44年 作詞:大日方俊子、作曲:小田島和彦
オルガン+硬質ベース+管楽器のイントロ数秒だけで有無を言わせず惹きつけてきます。そしてアッコさんの歌唱がうますぎて心酔してしまいます!土砂降りの雨ほどに涙を流す女性とその悲しみを見事に表現しきっているのです。もうね、本物のブルーズ歌手ですよこの人は。楽曲も歌もリズムを音符通りに乗せない、うねっている、これが完全にリズム&ブルースなんですね。今の和田アキ子さんを想像している方、とにかく一度お聴きください。日本のリズム&ブルースの名曲であります。 (院長)

 

(1)作曲の小田島さんはポリドールレコードの社員をしながらキングトーンズ「グッドナイトベイビー」や、さくらと一郎「昭和枯れすすき」を「むつ・ひろし」名義で作曲した方ですね。

 

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2019年

6月

12日

阿久悠の世界 雨の慕情

壁の飾りをかえました。もうすぐ梅雨入りでしょうね。
「雨の慕情」昭和55年、唄:八代亜紀、作詞:阿久悠、作曲:浜圭介
前回から続き阿久悠さんの曲です。阿久悠さんの詞は短い言葉で表しながら映像と情念と物語の世界を描くのです。当時中学生であった院長には当然難解過ぎる歌詞でした。しかしそんな大人向けの歌であるにも関わらず、若者や子供たちまで手のひらを天に向ける例の振付をみんな真似しましたな。どうもサビのリフレイン「雨雨降れ降れ、もっと降れ」には人を無条件に従わせる魔力があるのだという説明(1)をみて、院長もハッと納得がいきました。      (院長)

 

参考文献
(1)歌謡曲完全攻略ガイド : '68-'85 (学陽書房): 1996 p.99「1980年「レコード大賞」を受賞した際に、新人賞の聖子やトシちゃんを目当てに会場を占拠した若者たちを”雨雨降れ降れ、もっと降れ”と大合唱させてしまったこの曲が持つある種の原初的な呪術性と祝祭性に、アシッドな魔力を感じずにいられないのである。」

 

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2019年

5月

29日

日本の「青春時代」

壁の飾りをかえました。1か月サボっていたわけではなく宝塚宙組「オーシャンズ11」は千秋楽まで毎日眺めていたかったのです。院長が応援している蒼羽りくさん卒業で大変さびしいです。大好きな純矢ちとせさん澄輝さやとさんもお疲れ様でした。でも、卒業おめでとうございます!

アメリカの青春、宝塚に続き、日本の「青春時代」、卒業の歌ですね。
森田公一とトップギャラン「青春時代」昭和51年 作詞 阿久悠、作曲 森田公一

当時、院長は小学生でした。キャッチーなメロディーが今でも耳にこびりついています。決してハンサムとは言えない森田公一さんがピアノを弾きながら熱唱する姿もよく覚えています。歌の内容は子供には理解できないものですな。阿久悠さんの描く青春は、アメリカングラフィティの青春とは違う、日本の「青春時代」であります。院長は青春時代はとうの昔に過ぎすっかりおじちゃんになっても道に迷ってばかりですわ。

調べてみるとTBSの音楽番組「トップスターショー・歌ある限り」(ザ・ベストテンの前番組)のエンディングテーマとして毎週出演していたそうです。何度もしつこく聞いた覚えがあるのはそのためかもしれませんね。徐々に人気に火が付き半年後には100万枚売れ、翌昭和52年紅白に出場しました。  (院長)

 

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(参考)森田公一さんは歌手としてより作曲家としての活動が広く、名曲をたくさん書いておられます。 アグネス・チャン「ひなげしの花」(1972年)、天地真理「ひとりじゃないの」('72)、キャンディーズ 「あなたに夢中」('73)、危い土曜日」('74)、「ハートのエースが出てこない」('75)、桜田淳子 「黄色いリボン」('74)、 TVドラマ「ワイルドセブン」('72)、由美かおる 「炎の女」('73)、和田アキ子 「あの鐘を鳴らすのはあなた」('72)などなど

 

 

2019年

4月

29日

宝塚 宙組のオーシャンズ11

壁の飾りをかえました。

宝塚歌劇 宙組「オーシャンズ11」2019年4月19日-5月27日 宝塚大劇場

映画「オーシャンズ11」の舞台化、宙組で再演です。
主演は男役トップ真風涼帆さん、スーツとリーゼントヘアーが本当に似合いますねえ。カッコ良すぎます。院長も着こなしを見習いたいです。ヒロイン星風まどかさんが大人っぽい雰囲気になりました。相棒の芹香斗亜さんはじめオーシャンズメンバーはダンディーな男たちばかりでスーツ祭りです!敵役ベネディクトの桜木みなとさんも悪役が堂に入っていますよ。痛快活劇に引き込まれあっという間の3時間です。
さて楽しいミュージカルながら、宙組を支え続けてきた上級生(1)が今回で退団されるのが大変さびしいところ。ラスベガス歌の女王役の純矢ちとせさん、カジノディーラー役の澄輝さやとさん、手品師役の蒼羽りくさん、秘書役の愛白もあさん。みなさん宙組の空気を作るのに欠かせない方々、気迫の演技であります。院長の好きな生徒さん(2)が退団されることになり泣けてきます。
一方、新入団105期生の若々しいロケットダンス(3)も見ものです。高難度ダンスでこれを演りきるのは新入生にとってかなり大変ではないかとハラハラします。

機会がございましたら、ぜひすばらしい宙組の舞台をご観劇ください 。 (院長)


 関連記事:宝塚カテゴリ、宙組 黒い瞳ウェストサイド物語追憶のバルセロナイスパニアのサムライ

 

(1)上級生=ベテランのメンバーのことです。純矢さんは89期2003年入団、澄輝さんは91期2005年入団、蒼羽さんと愛白さんは93期2007年入団です。

(2)宝塚では団員のことを「生徒さん」といいます

(3)ラインダンスのことです。

 

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2019年

4月

10日

アメリカの青春時代 アメリカン・グラフィティ

アメリカン・グラフィティ 1973年 監督ジョージ・ルーカス
ドゥーワップの話をしてこのアルバムを取り上げないわけにはいきません。
映画の舞台は1962年カリフォルニア州の田舎町。アメリカが最も輝いた時代が終わる頃を描きました。誰しも青春時代は必ず終わり、いつかは大人にならなければいけない。それゆえ最も輝く時代は短く美しい。そして人間と同じく、社会や文化も時代によって変わる運命にある。そんな示唆が伝わってくる話なのです。
サウンドトラック・アルバムは1962年時点で流行していた41曲からなります。いわゆるオールディーズの曲です。この映画ですね曲があまりにもピッタリ合っているのです。もうね、曲名を見ているだけで映画のシーンが目に浮かんで泣けてきます(1)。なお前回の「ランナウェイ」と同名の有名曲が3曲目(2)に入っています。ドゥーワップの名曲もたくさんあります。院長はSixteen Candles / The CrestsやGoodnight, Well It's Time To Go / The Spaniels が好きです。その他にもロックンロール、リズム&ブルース、そして当時新興であったサーフィンサウンドも、名曲が勢揃いです。
今もDVD、CDが発売されていますので、ぜひ映画と音楽をお楽しみください。(院長)

 

(1)院長はこの映画100回以上見ました。ビデオで、しかもβとVHSで。曲順も全部暗記してました、一時はウルフマンジャックの英語DJの台詞まで覚えていましたよ。

(2)Del Shannon の Runaway  邦題「悲しき街角」。これはドゥーワップではなくロックンロールです。なお、シャネルズのランナウェイの題名はこの曲からとったと作者が語っているそうです。

 

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2019年

3月

27日

日本のドゥーワップ(3)ランナウェイ

壁の飾りをかえました。日本のリズム&ブルースを語るうえで重要な曲です。
シャネルズ(1)「ランナウェイ」昭和55年 作詞 湯川れい子、作曲 井上忠夫
ものすごく流行りました、100万枚売れたそうです。元々パイオニアのラジカセ「ランナウェイ」のCMソングとして作られたそうです(2)
湯川・井上両氏が、1960年前後のドゥーワップ・サウンド(3)を日本オリジナルで完全再現しました。シャネルズのコーラスメンバーは顔を黒塗りして注目されました。しかしながら演奏と歌唱を聴けば、それが単なる話題集めだけでなく、彼らの黒人音楽に対する憧憬と尊敬の発露であることが痛いほど伝わってきます。
日本のリズム&ブルースを3曲検証しましたが、ドリフのズンドコ節(1968)は60年代後半ソウル・サウンドながら原曲は「海軍小唄」でヨナ抜き音階(4)です。キングトーンズ(1968)はドゥーワップを意識しつつもプラターズのように甘いメロディーとして一般受けするようアレンジしています。いずれも当時の日本人に受け入れられるためには多少の手加減が必要だったのです。しかるにランナウェイ(1980)には楽曲も演奏者も一切の譲歩がありません。この12年間、日本人は音楽を作る側だけでなく聴き手側も洋楽を自分のものとして消化したわけです。100万枚売れたことがその証拠であります。日本に洋楽が浸透する過程を伺い知ることのできる貴重な資料です。  (院長)

 

(1)現在の「ラッツ・アンド・スター」です。
(2)そういえばそんなCMありました!大型ラジカセも当時流行っていました。
(3)1950年代から60年代前半頃に流行した黒人音楽リズム&ブルース合唱のスタイルで、リードボーカルに対しコーラスで「ドゥーワッ」「シュビドゥビ」「ドゥビドゥワ」などのスキャットをつけることが特徴。 ウィキペディア日本「ドゥーワップ」から引用・要約。
(4)日本風の音階で西洋音階の四度(ファ)と七度(シ)を抜くのでこう呼ばれる。民謡・演歌・唱歌で多用される。独特の哀調をもち日本人の情緒に訴えるメロディーになる。

 

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2019年

3月

13日

日本のR&B(2)グッドナイトベイビー

壁の飾りをかえました。
ザ・キング・トーンズ「グッド・ナイト・ベイビー」昭和43年
作詞 ひろ・まなみ・作曲 むつ・ひろし
発売から1年かけてじわじわと人気が高まり、昭和44年3月にオリコン2位、昭和44年第20回紅白に出場しました。米国でもビルボードR&B部門48位にチャートイン。
日本ポリドール・レコードのリズム&ブルース好きの社員であった松村孝司さんが、当時としては本格的な(歌謡曲風でない)R&B曲を書いたそうです。作曲者に社員の名を出すのはマズかろうというので、ペンネームにしたそうです。
 同じR&Bといってもドリフのズンドコ節は60年代後半の音ですが、それに比べキングトーンズはちょっと前の50年代~62年頃の「ドゥーワップ」を意識した楽曲です。プラターズのような甘い印象の曲ですね。
リードボーカル内田正人さんのハイテナーボイスが美しい。とくにファルセット(裏声)が切ない表情で哀愁を感じますね。そんな内田さんですが先日2019年2月25日にお亡くなりになりました。日本リズム&ブルース界の偉大な功労者のご冥福をお祈りします。(院長)

 

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2019年

2月

27日

幸福の木ドラセナに花が咲きました

また幸福の木ドラセナに花が咲きました。この木は ドラセナ・フラグランス・マッサンゲアナと云うそうです。2013年開院のお祝いにいただきました。2016年に一度花をつけました(当時のブログこちら)、その時も2月でした。今回は3年ぶりです。調べてみると数年に1回開花するらしく珍しいことのようですね。6時頃日没になると白い小さな花がたくさん開き、ユリのような香りが部屋いっぱいに拡がります。朝になると閉じています。   (院長)

 

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2019年

2月

13日

宝塚 宙組 真風さんのソーラン節

壁の飾りをかえました。
宝塚歌劇 宙組「黒い瞳/VIVA! FESTA! in HAKATA」2019年2月2日-25日 博多座

 

宝塚の劇の多くは男女の恋愛が主題ですが、並列して男同士の友情をテーマに取り上げることが少なからずあります。「黒い瞳」もそうです。
ロシア軍将校の貴族ニコライ(真風涼帆)と反乱軍の首領プガチョフ(愛月ひかる)は敵として戦う立場ながら、互いに尊敬し合います。この男の友情劇が本当に泣かせるのです。院長も泣きました。予備ハンカチ持参してよかったです。特筆すべきは愛月さん気迫の演技です。アクの強い役はこの人の得意とするところ。愛月さんは本公演で宙組から異動されますが、次の専科でもさらに活躍されることでしょう。

政府軍とコサック軍のはざまで複雑な立場にある青年マクシームイチが男気を見せる、という難しい役を蒼羽りくさんが好演するのも注目で、劇を更に奥深いものにします。
そして期待のショーVIVA! FESTA! は2017年の再演(1)、以来ぜひもう一度観たかったのです。何といっても圧巻は中詰のソーラン節であります。トップ真風さん率いる宙組生が繰り出す「ソーラン宙組」の掛け声がものすごいグルーヴを生みます。ジェンヌさんたちの客席降りの際は地鳴りのような熱狂で劇場全体が呑み込まれるのです。これを体感できただけでも博多まで来てよかったです。

機会がございましたら、ぜひすばらしい宙組の舞台をご観劇ください(2)

 (前回の宙組記事 WEST SIDE STORYこちら)

まだ厳しい寒さが続きます。皆様くれぐれもお身体にお気を付けください。 (院長)

 

(1)VIVA!FESTA!は2017年宝塚大劇場版(宙組トップ朝夏まなとさん)のDVDが出ています、ぜひご覧ください。
(2)宙組 真風さん オーシャンズ11追憶のバルセロナイスパニアのサムライ フライングサパアナスタシア

シャーロックホームズ

 

関連記事:宝塚カテゴリ 

 

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2019年

1月

22日

日本のR&B(1)ドリフのズンドコ節

壁の飾りをかえました
ザ・ドリフターズ「ズンドコ節」昭和44年 作詞・作曲:不詳
誰もが聞いたことのあるメロディ、コミックソングと侮ってはいけません。日本を代表するリズム&ブルース(R&B)の名曲なのです。ぜひ一度歌だけでなく演奏もお聴きください。
イントロから物凄い音圧で攻めてきます。そしてズンズンズンズン・ズンズンドコと中毒性のあるリズムで突っ走るグルーヴが耳から離れません。
ベースは江藤勲さん、ドラムは石川晶さん、ともに昭和歌謡の大御所スタジオミュージシャンですね。間奏では加トちゃんのスキャットも決まっています。
見た目もR&Bです。ドリフのメンバーはスーツ姿、マイク前に整列して振りをつけながら歌うのです。その姿はテンプテーションズかフォートップスかというくらいに、まさにR&Bグループなのです。    (院長)

 

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2019年

1月

09日

ふりむかないで

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

壁の飾りをかえました。
ハニーナイツ「ふりむかないで」昭和45年、作詞:池田友彦、作曲:小林亜星
日本全国の街を歌うご当地ソングといえばこれも流行りました。エメロンリンスのTVコマーシャルです。全国各地で女性に後ろから声を掛け、ふりむいてもらうという、あのCMです。懐かしいですね。
歌うハニーナイツはコーラスグループで、ドラマ・アニメ・CMなどの仕事を中心にスタジオミュージシャン活動が多かったようです。素晴らしいハーモニーに聴き入ってしまします。「妖怪人間ベム」「サスケ」のコーラス、といえば思い出される方も多いでしょう。

 

インフルエンザ感染症が流行しております。皆様、くれぐれも御身体にお気をつけください。 (院長)

 

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2018年

12月

19日

港町ブルース

壁の飾りをかえました。
森進一「港町ブルース」昭和44年 作詞:深津武志・なかにし礼、作曲:猪俣公章
昭和44年第20回NHK紅白の白組トリの曲です(1)
柳ヶ瀬ブルース」がヒットした昭和41年頃から、地名を盛り込んだ「ご当地ソング」が流行り、いろんな町の歌が作られました。森進一さんの「港町ブルース」もその一つで、北は北海道函館から南は鹿児島県枕崎まで日本の港町がてんこ盛りです。
さてこの曲の聴かせどころは何といっても森さんのむせび泣きサックス唱法でしょう。後年森さんに曲を書いた大瀧詠一さんは「みィィなとおォー、ってこれサックスのブロウでしょ」と解説されています。当時はむせび泣きサックスが大変流行していて「柳ヶ瀬ブルース」や青江三奈の「恍惚のブルース」等が代表、洋楽ではサム・テイラーの「ハーレム・ノクターン」が人気でした。サックスはムーディーな効果を上げるのに使われたのです。(2)「バック(の演奏)が最初はむせび泣いていたわけなんですけど、で本人がむせび泣いて、一緒になって」(3)というわけで森進一さんの歌唱はサックスの演奏からきているという説でした。なお、後年の森さんの「港町ブルース」を聴くとあっさりしているのです。やはりこの時代特有の流行だったのでしょう。

 

皆様、よい年末年始をお過ごしください。 (院長)

 

(1)森さんは紅白2回目で白組トリ!なお大トリは紅組 美空ひばりさんです
(2)「なんせね、このむせび泣きのサキソフォンが当時流行ったんですよ」「ハーレムノクターン、笑うの日本人だけなんだよ」日本ではなぜか必ずムードあふれる色っぽい場面で使われるため、日本人はこの曲を聴くとニヤニヤしてしまうと解説。 NHK-FM 大瀧詠一の日本ポップス伝2 第2回(1999年1月5日放送)より
(3)大瀧さんは、ムードを盛り上げるため「サービスを濃く」しようとした、と解説しています。

 

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2018年

12月

05日

クリスマスの飾りつけ

クリスマスの飾りつけをしました

写真1枚目コルクのリースは事務長が手作りしました。第1診察室、レコードジャケットの向かい側の壁に飾っております。2枚目のリースは待合室から診察室へ向かう通路の壁に、3,4枚目の飾りは受付の棚です。

 

そろそろインフルエンザが流行し始めているようです。

皆様、感染予防にじゅうぶんお気をつけください。   (院長)

 

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2018年

11月

21日

名曲誕生の条件 柳ヶ瀬ブルース

壁の飾りをかえました。

美川憲一 「柳ヶ瀬ブルース」昭和41年 作詞・作曲 宇佐英雄

 美川さんは大映ニューフェース第17期(昭和39)で芸能界入り(1)、俳優志望から青春歌謡路線を目指していました。会社からムード歌謡の「柳ヶ瀬ブルース」を提示され本人は歌いたくなかったそうです。嫌々歌ったのがかえってクールな感じを醸し出し(2)この曲の雰囲気にぴったり合ったのです。120万枚の大ヒットだったと言います。
 名曲というのは、その時のいろんな条件が偶然重なってできるものです。宇佐さんの曲が採用された経緯(3)、美川さんのニヒリスティックな歌唱。他の誰が歌っても、また本人でも今やこの感じが出ない(4)。演奏も、サム・テイラーばりにむせび泣くサックスに三連符のバックとこの時代の雰囲気をよく出しています。この瞬間しかできなかった神がかり名曲です。
 当時の柳ヶ瀬は大変な繁華街だったそうです。院長は歌謡曲の聖地巡りが好きで、現代の柳ヶ瀬に訪問しましたところ、もうすっかり寂れていました。商店街の路面に「柳ヶ瀬ブルース」の歌碑が埋め込まれていました。 (院長)

 

(1)「釧路の夜」で第19回NHK紅白歌合戦(昭和43)に初出場した際、白組司会の坂本九さんが「大映のニューフェイス」「僕よりちょっとハンサムな美川さん」と紹介しています
(2)「デビュー当時の私は「しゃべらない」「動かない」「笑わない」の「三ない歌手」といわれていて物静かだった。」週刊ポスト2015年インタビューより

(3)宇佐英雄さんは伊豆長岡をテーマにしてこの曲を作り、流しで歌っていたところ、たまたまクラウンレコードの目に留まり採用され、岐阜市の歓楽街柳ヶ瀬をテーマに書き換えたそうです。
(4)藤圭子さん、青江三奈さんの歌もいいですがちょっと違う。また後世の美川さんの歌唱ではこの寂寥感は出ない。オリジナルが断然良いと院長は思います。ギター木村好夫さんの演奏はかなりオリジナルに近い世界観です。

 

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2018年

10月

31日

桑田佳祐さんがGSに捧げるオマージュ

 壁の飾りをかえました。

 ジューシィフルーツ「そんなヒロシに騙されて」昭和58年 詞・曲 桑田佳祐 
高田みずえ、サザンオールスターズと競作で発売されました(1)。ピンクのグレコギターを抱えたボーカル&ギターのイリアさん、かわいいですね。

 さてこの曲は出だしが前回ブログの「スワンの涙」と同じであることは有名です(2)。エレキギターはリバーブサウンドにテケテケやホイッスル奏法など。沖山さんのベースはGS時代の典型的ベースライン(3)。GSの良いとこ取り的な音作りです。これは桑田佳祐さんがGSに捧げたオマージュといってよいでしょう。

 奇しくも同じ昭和58年YAMAHAがデジタルシンセサイザーDX-7を開発上市しています。操作が複雑で専門職のものであったアナログシンセ時代から、誰でも扱えるデジタルの時代を拓いた画期的モデルです。プロアマ問わず世界中で使われました。一つのテクノロジー進歩で音作りが変わった例と言えるでしょう。ちょうどこの頃、ギターよりキーボードがバンドの花形だった時期がありました。その後ユーロビート、テクノなど新しい表現を経て多様性豊かなJ-POP時代に継がれます。

 そう考えればこの昭和58年は転換期であったかもしれません。知ってか知らずか、桑田さんがGSに捧げたオマージュは、同時に旧時代サウンドへの挽歌にもなっていたのです。  (院長)

(1)高田みずえさんはこの曲で第34回NHK紅白歌合戦に出場。サザンはアルバム「綺麗」に収録。
(2)John Wetton の Caught In The Crossfire にも似ているともいわれますがこちらは1980年。曲作りの意図から見てやはり昭和43年「スワンの涙」を意識したと考えるのが自然でしょう。
(3)The Beatlesのタックスマンという曲のベースラインが当時GSの曲に盛んに取り入れられました。

 

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2018年

10月

17日

失神といえば オックス スワンの涙

たまには医療の話もしましょう。
失神したと患者さんから聞くと、医者は脳よりも心臓(不整脈)を心配します。失神は脳全体に血が行かなくなることで起こる意識消失症状です。原因で多いのは神経調節性失神といって良性のものですが、中には不整脈など心臓が原因のものがあります。特に心室細動(Vf)は怖いです。数分以内に蘇生処置(心マッサージ、除細動)を行わないと多くの場合死に至ります。処置が遅れると脳に大きな後遺症を残します。気を失っている人を見たら、必ず呼吸と脈の有無を確認してください。なければ直ちに助けを呼んで、心マッサージを始めてくださいね。
失神といえばグループサウンズのオックスです。

「スワンの涙/オックスクライ」昭和43年、詞 橋本淳、曲 筒美京平
王子様系ビジュアルのオックス、失神バンドとして注目されました。その謂れは、コンサートで演奏者が興奮しすぎて失神して倒れ(演技?)、またそれを観てつられて本当に失神するファンが続出したからです。医学的に考えると、興奮しすぎての神経調節性失神や過換気症候群からの失神になったのだろうと思います。Vfや完全房室ブロックなどの心原性失神ではないでしょうね。 (院長)

 

・A面「スワンの涙」は完全に歌謡曲ですが、B面「オックスクライ」はロックです。筒美先生は本当に何でも作曲しますね。橋本先生の歌詞もJPOPには真似できない味わい深さがあります。

・この録音ではベースはメンバーの福井さんでなく、スタジオミュージシャンの江藤勲さん(→ブログ参照)が演奏しているといわれます。

 

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2018年

9月

26日

大坂なおみさん大活躍ですね/ナオミの夢

テニスの大坂ナオミさんグランドスラムおめでとうございます。大活躍ですね。
そういうわけで壁の飾りをかえました。

「ナオミの夢」ANI HOLEM AL NAOMI ヘドバとダビデ 昭和46年
日本語作詞:片桐和子  作曲:デビッド・クリボシェ

ナオミという名前は世界中で多く使われると聞きます。中学英語の教科書なんかに出てくるベタなネタを思い出しますね。由緒ある名前で旧約聖書のルツ記に登場する女性なのだそうです。
さて、歌っているヘドバとダビデとはイスラエルの男女デュオです。B面は原曲のヘブライ語版。旧約聖書の国です。

ちょっとマイナーでエキゾチックでこの時代の雰囲気をよく表す曲調です。この頭にこびりつくようなメロディー、長いこと題名がわかりませんでした。大人になってから歌謡曲研究を始めて再会することができました。

そうそう「日本でだけ人気」の外国人歌手やタレントさんが多かったのもこの時代・昭和40年代の特徴です。E.H.エリック、キャロライン洋子、ゴールデンハーフ、チャダ、ダニエル・ヴィダル、マギー・ミネンコおっとベンチャーズもそうです。  (院長)

 

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2018年

9月

12日

ニッポンの受験生の心を救う ビタースイートサンバ

ハーブアルパートの「蜜の味」"A Taste of Honey"はカッコイイですね。LP盤 "Whipped Cream and Other Delights" のA-1曲目です。

さて、このレコードには日本人にとって非常に重要な曲が収録されています。
A-4曲目「ビタースイートサンバ」"Bitter Sweet Samba"、名を知らずとも日本人なら誰でも口ずさめる、そう、深夜放送オールナイトニッポンのテーマ曲です。私も小学生・中学生時代に何百回と聴きました。二度目のビタースイートを聴きながら薄明りの空を拝むこともありました。受験の経験がある日本人なら必ずこの番組を聴いたはずです。50年以上も受験生たちの心の支えになり続けています。そして今夜も日本のどこかでビタースイートサンバを聴きながら勉強している受験生がいることでしょう。

受験生のみなさん、秋からでもなんとかなります。できることはまだまだたくさんあります。自分の力を信じ目標に向かってがんばってください。   (院長)

 

(1)ニッポン放送1240kHz(現在は1242kHz)の深夜放送。関西では大阪放送1310kHz(現在のラジオ大阪1314kHz)または近畿放送1140kHz(現在のKBS京都1143kHz)で中継されていました。ただしOBCは3時までの放送で、3時以降は電波の悪いKBSで聴きました。またアンテナを張ると東京のニッポン放送も受信できました。ニッポン放送は時報の音が他局と違うのです。

(2)一部午前1時~3時、二部3~5時、テーマ曲は1時の開始時と、5時前の終了時にビタースイートサンバが流れます。

 

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2018年

8月

29日

蜜の味 ベンチャーズ

 壁の飾りをかえました。少し過ごしやすくなってきた夏の終わりにはこんなエレキが似合います。
ザ・ベンチャーズ「蜜の味」"A Taste of Honey"昭和41年、曲 Bobby Scott
 ビートルズも歌っています。ビートルズも大御所歌手(1)のカバーは原曲のとおりムーディーで甘いメロディーです(2)。対してベンチャーズのTaste of Honeyはシャッフルリズムにビートを利かせた演奏です(3)。知らずに聴くと別の曲と思われる方もいるでしょう。
 このアレンジはベンチャーズが考えたのではなく、1965年トランぺッターのハーブ・アルパートさん(Herb Alpert)の手になるものです。マリアッチ風(4)の大胆なアレンジがいいですね。海辺で撮影されたプローモーションビデオなんかカッコよすぎです。ぜひ探してみてください。ハーブ・アルパートはこの曲で66年グラミー賞を受賞しています。


 まだまだ暑い日が続きます。皆様体調にお気を付けください。 (院長)

 

(1)アンディ・ウィリアムズ、ジュリー・ロンドン、トニー・ベネット、バーブラ・ストライザンド、チェット・ベイカーなど大御所さんも歌っています。
(2)メジャーデビュー前のビートルズがライブハウス回りをしていた頃は、ムーディーな曲を入れたほうが客の受けがいいということでしぶしぶ演奏していたそうです。とくにジョン・レノンはこの曲を演るのが嫌だったそうです。だからこの曲のボーカルはポールなのだとか。
(3)ベンチャーズの演奏はこのシングル盤よりも66年ライブ盤のほうがお勧め。ノーキー・エドワーズのギターがノリノリ、アドリブが奮っています。

(4)マリアッチはメキシコの音楽。この時代、アメリカ風マリアッチという意味でアメリアッチと呼ばれました。

 

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2018年

8月

08日

夏はエレキですね

壁の飾りをかえました。夏になると聞きたくなります。

加山雄三 ブラックサンドビーチ 曲 弾厚作(1) 昭和40年
映画「エレキの若大将」で勝ち抜きエレキ合戦に出演する曲ですね。

エレキ・インスト(2)なので歌はありません。だからこの曲を知らない人が多いでしょう。しかし、昔ロック小僧だった人はみんな知ってます、かつ弾いたことがあります。
当時ベンチャーズやアストロノウツなどのエレキインストのサーフィンサウンドが流行。外国の曲が主流だったなか、加山さんのこの曲は群を抜いて完成度が高いのです。ギターがリバーブ(3)をピュンピュン鳴らしてカッコいいですね。おなじみのテケテケのフレーズは65年オリジナル録音(写真左)では硬質な音、94年版(写真右)はピシャピシャとリバーブ音(4)が爽快であります。
 単純明快なメロディながらエレキ・インストの金字塔ともいえる名曲です。だから今でも数々のミュージシャンからリスペクトされています(5)。これを日本人が作曲し演奏したということに大変な意義があると思います。

 

まだまだ暑い日が続きます。お体に気を付けてお過ごしください。 (院長)


(1)弾厚作は加山さんが作曲するときのペンネームです。この時代、職業作曲家が曲を書くのが当たり前でしたから、自作の曲を自分で演奏して歌うなんて珍しかったわけです。
(2)エレキギターのインストゥルメンタル曲、つまり歌なし器楽演奏だけの曲という意味です。
(3)ギターアンプ附属の残響装置。スプリング・リバーブ装置でミュート音やアタックのある音を弾くとピュンピュン音が鳴ります。ベンチャーズのダイヤモンドヘッド、ウォークドントラン64、等が代表例。
(4)これはフェンダーアンプなど昔のスプリング・リバーブでないと出せない味です。94年版はステレオで音が左右に動く録音で臨場感が高まります。

(5)ヨッチャンこと野村義男さんの演奏がスゴイです。一度探してくださいCD「GS I love you」収録

 

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2018年

7月

25日

宝塚宙組 真風さんのウェストサイド物語

壁の飾りをかえました。

宝塚歌劇 宙組 ウェストサイド物語 2018年7月24日-8月7日 梅田芸術劇場

主役は男役トップスター真風涼帆さんです。宝塚各組のなかで最も迫力あるトップさんですね。院長のお気に入りです。星風まどかちゃんがヒロイン役、愛月ひかるさん(愛ちゃん)は対抗グループリーダー役、普段は男役の桜木みなとさん(ずんちゃん)が娘役を演じます。院長もとても楽しみにしています。

皆様機会がございましたら、ぜひすばらしい宙組の舞台をご観劇ください。

 

暑い日が続きます。皆様くれぐれもお身体にお気を付けください。 (院長)

 

追記)観てきました。真風さんは最近王様や貴族の役が続いていたので、今回純真な青年役を演じて新鮮でした。いつものパワフルな歌だけでなくやさしい歌も聞けてよかったです。そして今回の見どころは何といっても桜木さんの情熱的な踊りです。すばらしい。これからご観劇の皆様、ずんちゃんのダンスにご注目ください。

 

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2018年

7月

11日

ランの花が咲きました

ひさしぶりにランの花が咲きました。2013年10月開院祝いにいただいた花です。中待合通路のレントゲン室前にあります。

この株は初めて花をつけました。毎年花をつけていたランは昨冬に枯れてしまい、いまは残りの3株ががんばっています。 (院長)

 

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2018年

7月

04日

夏が来ました

壁の飾りをかえました.。「涙の太陽」安西マリア 昭和48年のシングルです。昭和40年のエミー・ジャクソン版がオリジナルです。作詞 湯川れい子、作曲 中島安敏。

夏らしい曲ですね。
小学生にとってはキャンディーズくらいが身近な存在で、安西マリアさんはお姉さん過ぎる遠い存在でしたね。 (院長)

 

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2018年

6月

13日

洋楽ポップス学部入試 出題ポイント?

前回の ペギー・マーチ "I will follow him " (1963)、元の歌はフランスでヒットした「愛のシャリオ」 "Chariot "(1962)です。シャリオは馬車の意味です。

I will follow him は「どんな障壁があってもあなたについていきます」、Chariotは「馬車に乗って二人はいつまでもどこまでも行こう」という歌詞です。今の時代だともうこういう歌詞はなくなりました。

フランス語の歌ですが歌手のペトゥラ・クラークは英国人です。ペトゥラ・クラークといえば「恋のダウンタウン」(1)が有名です。それ以前は英米ではあまりヒットがなくフランスを中心に活躍していました(2)。
作曲のポール・モーリアは名前を変えたほうが売れるだろうという理由でDel Romaと名乗り、フランク・プールセルもペンネームで共同作曲しました。編曲はレイモン・ルフェーヴル。フランスのイージーリスニング界の大御所3名が一堂に会した名曲というわけです。

この3回のまとめです: 恋はみずいろ」作曲はポールモーリアではなくアンドレ・ポップ。歌手ヴィッキー・レアンドロスはギリシャ出身。
"I will follow him "はP・モーリアとF・プールセルが変名を使って作曲。英語版の歌はペギー・マーチでこちらが後発、元歌のフランス語版は英国人のペトゥラ・クラーク。P・クラークは当初フランスで人気があった。

 

もし入試科目に洋楽ポップスがあれば、狙われそうな出題ポイントです。 (院長)

 

(1)"Downtown" 1964発表、65年1月ビルボード1位

(2)元々英国で子役として活躍、その後フランスで歌手として人気を得ました。フランスポップスのアイドル、シルヴィ・バルタンとフランソワーズ・アルディと3人でメドレーを歌う映像なんかも残っていて当時の人気が伺えます。

 

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2018年

5月

30日

ポールモーリアの名前はないけどポールモーリアの曲

壁の飾りをかえました。

前回の「恋はみずいろ」はポールモーリア楽団で大ヒットしたので間違えやすいですが、作曲はポールモーリアではありません。私はもずっと勘違いしていました。

今回はポールモーリアの名前はないけどポールモーリア作曲の歌です。

"I will follow him" 歌 ペギー・マーチ(1963年)、作曲 J.W.ストール & デル・ローマ。どこにもモーリアの名がありません。彼がわざと名をデル・ローマと変えてフランク・プルセル(J.W.ストール)と共同で作曲しました。

いろんな人に歌われ、そして器楽演奏もラジオや街中でよく流れていました。心に残るメロディーですね。ウーピー・ゴールドバーグ主演映画「天使にラブソングを」(1992年)ではゴスペルに生まれかわり、再ヒットしました。

機会がありましたら一度お聴きください、古き良き時代の歌を思い出すことでしょう。    (院長)

 

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2018年

5月

09日

恋はみずいろ

壁の飾りをかえました。「恋はみずいろ」ヴィッキー・レアンドロス 1967年 作曲:アンドレ・ポップ、作詞 ピエール・クール、翌68年にポール・モーリアがオーケストラ演奏でカバーし大ヒットさせました。以後多くの音楽家にカバーされ皆が知るメロディーになりました。私が子供のころ1970年代あちこちで聞いた覚えがあります。実家にはポールモーリアのレコードがありました。

オリジナルのヴィッキー版を聞いたのは歌謡曲研究を始めた大学生時代だったと思います。フランス語の響きが美しい曲ですね(1)。   (院長)

 

(1)フランス語の響きが美しいです。でもヴィッキーはギリシャ出身なんですね。1967年のユーロビジョンコンテストではリヒテンシュタイン代表で出場し4位入賞。ずっとフランス人だと思っていました。

 

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2018年

4月

18日

しつこいようですが・・・寺川ベースの話

壁の飾りをかえました。欧陽菲菲「恋の追跡」昭和47年

作詞:橋本淳、作曲:筒美京平、ベース:寺川正興

しつこいようですが、もう少し歌謡曲ベースにおつきあいください。

先日江藤勲ベースを取り上げましたが、もうひとり巨匠ベーシスト寺川正興さんを抜きに60‐70年代歌謡曲を語ることはできません。

寺川ベースはとにかく上へ下へと音が激しく移動するベースラインで「エレベーター奏法」とも言われています。しかし地の曲と不思議な調和を成すのです。いちどお聴きください、「あ、聞いたことある」と思われることでしょう!

尾崎紀世彦「また逢う日まで」、森山加代子「白い蝶のサンバ」、和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」、TVドラマ「美しきチャレンジャー」、特撮「電人ザボーガー」、アニメ「鋼鉄ジーク」などが代表といわれます。その他多数の曲が寺川さんが弾いていると伝えられます。寺川さんの演奏曲はベースに聴き入りすぎて歌唱が耳に残らなくなるのが歌手泣かせなところ、玉に瑕でしょうか。欧陽菲菲さんくらいの個性的かつ迫力ある歌がバランスが取れるのですね。  (院長) 

 

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2018年

4月

05日

江藤勲さんのベース

「伊勢佐木町ブルース」のベース奏者は元ブルーコメッツ(1)の江藤勲さん。名前は知らなくとも音を聞けば誰もが思い出せる。「ブルーライトヨコハマ」「グッドナイトベイビー」 「ドリフのズンドコ節」「長崎は今日も雨だった」「悲しき願い」「こまっちゃうナ」「虹色の湖」「人形の家」「ルパンIII世(初代)」「みなしごハッチ」「ひみつのアッコちゃん」「アタック№1」みんなこの人です(2)。ほかに膨大な数の録音を残しました。ミュージシャン達がフェンダー、ギブソン、リッケンバッカーなど海外製品を使った中、江藤さんは日本のテスコ社のベースであの独特な硬質サウンドを繰り出したのです。60-70年代歌謡曲の偉大なスタジオ・ベーシストです。
ベース界の至宝、江藤さんは2015年4月25日逝去される前日まで現役ベーシストとしてブンブン弾きまくっていたそうです(3)。

江藤ベースを偲んで壁の飾りです。ちあきなおみさんのデビューシングル「雨に濡れた慕情」昭和44年 作詞:吉田旺、作曲:鈴木淳。一度お聴きください。ベース、ピアノ、ギターそしてちあきさんの歌唱、すべてがとにかくカッコイイ。 (院長)

 

参考

(1) 江藤勲さんはブルーコメッツがGSでレコードを出す前にグループを脱退しています。

(2) ベーシスト 江藤勲のホームページ http://www.eto-isao-bass.jpn.org/Eto_Isao/Welcome.html
(3) 2015.04.28デイリースポーツオンライン「元ブルー・コメッツの江藤勲さん急死」

 

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2018年

3月

12日

貴方知ってる?このベース音

壁の飾りをかえました。
伊勢佐木町ブルース 昭和43年 歌:青江三奈、作詞:川内康範、作曲:鈴木庸一

何とかブルース、と名前がついてる曲は多くが偽物ブルースですが、「伊勢佐木町ブルース」は本物のブルーズなんですね。
これは楽曲がブルース形式をふんだんに盛り込んでいること、そして青江三奈の声質と歌唱がが完全にブルーノートに乗っているからです。もうあの有名なスキャットが耳から離れません。

一層味わい深いのが、全編をリードする硬質なベースギターであります。この音は誰もが知っているあのGS(グループサウンズ)のベーシストが弾いているのです。そしてこの人こそが60-70年代歌謡曲で活躍した影の大物なのです。

さて右は6年前ヨコハマを巡礼した時の写真です。もはや現代の伊勢佐木町には川内康範が描いた大人の街の面影はありません。名曲を記念した歌碑がひっそりと建っていました。 (院長)

 

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2018年

2月

21日

ビートルズとCTスキャン

壁の飾りをかえました。ビートルズ Ticket to ride/ Yes, it is 1965年 前回と同じ東芝音工です。

右の写真はハウンズフィールド卿(Sir Godfrey Newbold Hounsfield 1919-2004)、 CTスキャンの発明者の一人です。彼は英国Electrical and Musical Industries (EMI)でコンピュータ断層撮影の開発研究を行い、ついに1971年CTスキャンを実用化させました。1979年ノーベル医学生理学賞を受けています。EMIは音楽ファンならご存知の通りビートルズのレコードを出していた会社です。当時EMIはビートルズで稼ぎまくった資金を元にCTの研究開発費に回すことができたと言われています(1)。CTが医療に与えた恩恵は計り知れません。なにしろカラダの中身が見えてしまうのですから!革命的であったことでしょう。このCTの誕生にビートルズが貢献していたのです(2)。なお、日本のCTは、EMIと「音楽で」提携していた東芝が輸入し1975年東京女子医大が導入したのが始まりとされています。

 

参考文献 (1) Oransky I. "Sir Godfrey N. Hounsfield". Lancet. 2004;364:1032.

 世界的医学誌LancetでSir Hounsfieldの追悼記事にCT開発の経緯が掲載されています。

(2) Maizlin ZV1, Vos PM. "Do we really need to thank the Beatles for the financing of the development of the computed tomography scanner?" J Comput Assist Tomogr. 2012;36:161-4

 近年の研究で、CT開発研究費はEMIの6倍以上も英国保健省が出していた、だからCT開発とビートルズは関係ないんじゃないか?という検証があります。でもビートルズの活躍でCTができたと思った方が夢がありますよね。

 

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2018年

2月

07日

癪って何の病気?

壁の飾りをかえました。

クレージー・キャッツ「こりゃシャクだった」詞 青島幸男、曲 萩原哲晶 昭和36年
 「癪」は腹や胸の激痛、さしこみ、のこととあります。西洋医学が入る前の言葉です。時代劇や時代小説で「持病の癪が」なんて言いますね。痛みといっても胸腹部全般だから範囲が広すぎます。胆石発作、胃潰瘍、狭心症、心筋梗塞、肺塞栓、はたまた大動脈解離まで鑑別診断に含まれるので初療医は困りますね。
 「癪に障る」は腹が立つこと、これが転じて「シャクだ」は腹がたつことを表します。そういえば「シャクだ」って関西では使いませんね。

 さて、この曲は有名な「スーダラ節」のA面です。 演奏・歌・録音の3つ揃ったジャズの名作だと思います!このバンドの演奏、見事にスウィングしています。大瀧詠一さんが「このバックの演奏は、当時日本のジャズ演奏者のレベルが相当に高かったことを表している。即ち、日本のジャズは戦後米軍がやってきて一朝一夕で隆盛したのではなく、戦前ジャスから連綿と続いたからこそ、これだけレベルが高かったのだ」と解説されていました(1)。
 植木等の歌唱は開放感にあふれ、乗りにノっています。そして録音が素晴らしい。モノラル録音なのにまるで目の前で植木等が躍っているようです!当時の東芝の録音技術の高さが実感できます。一度、ステレオ再生装置でスピーカーを2m離してできれば大音量でお聴きください。  (院長)

 

(1) 大瀧詠一「大瀧詠一の日本ポップス伝 第5回」NHK-FM 1995.8.11放送

 

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2018年

1月

10日

他人の空似

あけましておめでとうございます。寒い日が続きますね。壁の飾りです。
吉永小百合さん「寒い朝」(昭和37)と宝塚歌劇月組トップスターの珠城りょうさん「All for One」(平成29)。並べると何だかいろんなところが似ています。不思議ですね。実際のお二人はそれほど似ていないから、歌劇の写真を撮った人はこのレコードを頭に浮かべながら撮影したのではないかと想像してしまいます。

寒くなりインフルエンザなどの感染症が増えてきました。皆様、御身体にお気をつけください。 (院長)

 

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2017年

12月

19日

思い出の紅白歌合戦

壁の飾りをかえました。年末にふさわしい曲です。
森進一「襟裳岬」 作詞 岡本おさみ、作曲 吉田拓郎
第25回NHK紅白の大トリの曲です。
昭和49年の大晦日、眠いのを我慢して始めて最後まで紅白を見たのを思い出します。

記録を見るとこの年は豊作で、初出場だけでもこんなに名作揃いです。
 山口百恵「ひと夏の経験」  西城秀樹「傷だらけのローラ」
 桜田淳子「黄色いリボン」  中条きよし「うそ」
 あべ静江「みずいろの手紙」 殿さまキングス「なみだの操」
 ペドロ&カプリシャス「ジョニィへの伝言」 海援隊「母に捧げるバラード」
 小坂明子「あなた」 渡哲也「くちなしの花」
ついでに山川静夫アナウンサーが初の白組司会!(注1)
「青春の旅は遠く哀しく、いつか思い出の海へと還ってゆきます。1974年のさすらいの記憶をこの一曲に込めて、森進一、白組の襟裳岬(注2)を聴いていただきましょう」と山川アナウンサーの名調子で森さんが登場しドラマチックに歌います。そして藤山一郎先生指揮する「蛍の光」でフィナーレでした。
この頃の紅白は豪華でした、演奏は生オーケストラでしかも紅白に一組ずつ付き、衣装は女性はドレスか着物、男性はタキシード・フロックコート・燕尾服の洋礼装や羽織袴で華やかさを競いましたね。(院長)

 

(注1)紅組司会は佐良直美さん
(注2)同年は紅組のトリも「襟裳岬」という同名の別の曲でした。島倉千代子さんが歌いました。
(参考文献)合田道人「怪物番組 紅白歌合戦の真実」幻冬舎 2004

 

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2017年

12月

06日

幸せの左富士と右富士

幸せの左富士・右富士
 学会で東京出張しました。帰りの下り新幹線で海側A席から珍しい「左富士」を見ることができました。上りなら「右富士」ですけど。
 新幹線と富士山と言えば 山側E席から見えるおなじみの姿ですが海側A席から見える場所があるのです。上り列車なら大井川の3分後に日本坂トンネルを抜けた直後から、下りだと静岡駅通過の1分後、安倍川を渡った直後から、30秒間だけ見えます。
 この区間だけ線路がほぼ南北に走行するため、海側座席から約50km離れた富士山が見えるのです。気象条件が揃った快晴の日だけ一瞬の幸せです。もう新幹線で昼寝できません。  (院長)

 左富士のいわれは江戸時代からあります。東海道五十三次「南湖の左富士」(現在の茅ヶ崎市)と「吉原左富士」(現在の富士市)の2か所のみであり広重の絵に描かれています。東海道で江戸から京に上ると右手に富士山が見えるのが普通ですが、道の進む方向によって偶然左側に見える富士山を「左富士」といわれました。

 

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2017年

11月

21日

少女マンガが教養だった頃

不思議なことに、私が中高生だった頃、「少女マンガを知っていることが教養」とみなされていました。自分の学校だけかと思っていたら、意外にも超進学校灘高出身の先輩も同じだったのです。あの時代全国で散発的にそんな空気があったのでしょう。
漢籍、文学、哲学を根幹とする昔からの教養主義が昭和40年代に衰退し、代替教養としてのサブカルチャーが浸透しはじめた時期だったのではないかと推察しています。
調べてみますと、昭和49年の宝塚歌劇「ベルばら」(写真右)を契機に少女マンガへの世間の注目が高まり、当時アンダーグラウンドだった文学性の高い作品群(萩尾望都、竹宮恵子、大島弓子、岡田史子etc)が評価されました。少女だけのものであった少女マンガは文化として発掘され広く読まれるようになったのです(1)。私も当時せっせと古本屋に通ってマンガを探しましたよ。文学はまるっきりダメでしたけど。
新しい表現法と難解なテーマで考えさせる文学系作品が増える一方、その揺り戻しとしてわかりやすいドラマチックな物語に回帰する動きもありました。ちょうどその代表が「ガラスの仮面」(昭和51年、写真左)と位置づけられます。
当時もそうでしたが今読んでも大げさな話と画表現でドラマチックすぎるところが魅力です。TVでも特集していましたがあらゆる心情を白目で表現してしまうのも美内すずえ先生の味であります。読み始めるとやめられないんですよね。 (院長)

 

参考(1)米沢嘉博 「戦後少女マンガ史」第7章-70 1980年初出

 

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2017年

11月

01日

岩谷時子の世界/ピンキーとキラーズ恋の季節

壁の飾りをかえました「恋の季節」ピンキーとキラーズ 昭和43年
作詞 岩谷時子 作曲 いずみたく 昭和43年のレコ大新人賞、第19回NHK紅白出場曲
子供の頃は黒服・パンタロン・山高帽・ステッキの姿が面白くて、踊りを真似したものです。若い時分は曲のアンサンブル、特にベースとフルートとコーラスが好きでした。
大人になってからは、岩谷時子の詩の世界に引き込まれました。僕は文学がかなり苦手なのですが、岩谷さんの詩をきくと、研ぎ澄まされた少ない言葉で描かれる世界に素直に感動するのです。分析的に表すのは野暮と承知で申しますと、その言葉を用いることで、附随する景色なり状況が空間的・時間的広がりをもって自動的に浮かぶ、そんな言葉が置いてあるのです。
言葉を選ぶ感性が尋常ではありません。ご本人は「一行でも二行でも、もっと良い言葉に直せないかと思って毎日過ごしているわけですから」と語っていたそうです(1)。

(院長)

(1)田家 秀樹 「歌に恋して 評伝 岩谷時子物語」武田ランダムハウスジャパン (2008)

 

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2017年

10月

18日

いいじゃないの 幸せならば

壁の飾りをかえました。

「いいじゃないの 幸せならば」昭和44年 歌 佐良直美、詞 岩谷時子、曲 

いずみたく。昭和44年のレコード大賞受賞、第20回NHK紅白出場曲です。
この年からレコ大は大晦日開催になり、レコ大から紅白への会場移動が始まります。この年の会場はレコ大は日比谷帝劇、紅白は東京宝塚劇場でした。48年から紅白は渋谷NHKホールに移ります。

さてこの歌は、岩谷時子の詩世界が聴きどころであります。刹那的な虚無感を表現した歌詞が大人っぽくて深いです。そして歌う佐良さん、この人は顔が無表情でニヒリスティックな雰囲気があり、よくマッチしていますね。
平成の現代と異なる、この時代独特の空気が伝わってくる曲です。後世「時代の雰囲気が、抑制された曲調や演奏、歌唱と一体化されてクールに醸し出されている。」などと紹介されています(1)。この頃国内では学生運動、海外ではベトナム戦争などあり、虚無感と厭世感があふれていたのでしょうか。

単純な僕は「色々あったかも知れんけど、まあええんちゃいますか、今本人が幸せやったら」くらいにとらえてしまうのです。(笑)        (院長)

(1)高 護 (2011) 歌謡曲-時代を彩った歌たち.岩波書店, pp.74-8

 

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2017年

9月

20日

腕の傷痕で年齢がわかる~予防接種に歴史あり

レコードを見ていて気付いたことがあります。
ランちゃんとスーちゃんの左腕に傷痕が写っています。ある世代なら、種痘かな!と思い浮かべるでしょう。でもよく考えると違うのです。
種痘は恐ろしい感染症・天然痘を防ぐ予防接種です。明治42年以来種痘を義務化した結果、天然痘は激減し、昭和31年以降国内の発症はなくなりました。昭和51年に種痘義務化は中止、昭和55年世界中の天然痘が撲滅され種痘は廃止されました。
1歳と6歳頃に接種しますから、昭和49年以前生まれは痕があり、昭和50年以降生まれの人にはないことになります。ですから種痘はよく年齢当てに使われます。

ただ例外を除き右腕接種だった(1)ので、この場合左右が違います。
では写真の傷痕は何か?。他に腕に痕を残す予防接種といえばBCGです(2)。調べてみると、昭和42年より前は皮内注射で左上腕に接種していたことがわかりました(3)。これは種痘に似た円形痕が残ります。そして昭和42年以後は現在と同じ管針法、9個の点状痕が残るいわゆるハンコ注射にとってかわったのです。
伊藤蘭さんは昭和30年、田中好子さんは昭和31年生まれ、左腕の痕はBCG皮内接種なのでしょう。そして写真に写っていない右腕には種痘の痕があるはずです。

予防接種にも歴史がありますね。(院長)

 

(1)接種部位は厚生省「予防接種実施規則」で昭和33年「右上腕伸側又は右肩部」、その後昭和39年に「原則として右上腕伸側」と決められていました。それ以前も同様に行われていたと推測できます。
(2)BCGは結核予防を目的としたワクチンです。
(3)厳密にはBCGの接種部位は「上腕」とされ、左右指定はありませんでした。種痘が右腕指定なので自動的にBCGは左腕になったのでしょう。

 

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2017年

9月

06日

江戸時代の感染症

江戸東京博物館を見学してきました。両国国技館の隣です。江戸時代の風習や文化の展示が豊富でとても楽しい施設です。
仕事柄、医療関連の展示をチェック、江戸時代の医学について勉強しました。

江戸時代には麻疹、天然痘など感染症の大流行が何度もあったことがわかります。感染症で多くの人々が命を落としていたのです。
調べてみると江戸時代の間に麻疹は13回流行(25-30年に1度)、天然痘は28回流行(15-20年に1度)があったそうです。麻疹の致死率は3%程度とみられています。また天然痘は致死率20-50%と大変恐ろしい感染症でした。現代では予防接種のおかげで天然痘は根絶、麻疹は激減しました。
他にも有名な杉田玄白・前野良沢らによる「解體新書」の複製本の展示もありました。(院長)

 

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2017年

8月

23日

夏休みも もうすぐ終わりですね

「夏休み」 吉田拓郎 昭和46年発表

クリニックの壁の飾りをかえました。

みなさま今年の夏はいかがお過ごしでしたか。楽しかったですか。

拓郎さんの「夏休み」は夏の終わりに聞きたくなりますね。

楽しかった夏休みを思い出してください。(院長)

 オリジナルはライブ・アルバム「よしだたくろう オン・ステージ ともだち」昭和46年収録、スタジオ録音はLP「元気です」昭和47年収録、写真のEPレコードは後年昭和53年の再発版EPです。

 

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クリニックからのお知らせ

2021年度のインフルエンザ予防接種について

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今年は予約受付はしません。来院されましたら随時接種する方式といたします。

但し、当院受診歴のある方に限ります。

(1)10/1から65歳以上の方の接種を開始します。

(2)10/15から13~64歳の方の接種を開始します。

 

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(2021.10.22)