宝塚花組 うたかたの恋/ENCHANTEMENT

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

壁の飾りをかえました。宝塚花組「うたかたの恋/ENCHANTEMENT」

 うたかたの恋は初演から40年、大劇場の再演は30年ぶりに上演されました。話は「マイヤーリンク事件」という実際にあった謎の情死事件をもとにしているそうです。明るい物語ではありません。現代向けに潤色したといえどもさすがにスローに感じます。しかしとにかく美しい。主役ルドルフ柚香さんの軍服・礼装姿、立居振舞い、そして影ある芝居に耽美的な魅力が発揮されます。そしてマリー星風まどかさんの純真で儚い姿が寄り添うという、二人の組み合わせも美しい。舞台セット、花組たちの衣装ふくめ全体が本当に美しいです。

 今回で花組から専科に異動される水美舞斗さん、自由人であり友情を大切にするジャン・サルヴァドルの人情味あふれる芝居がいい!見どころは、舞踏会でルドルフの正妻ステファニー妃の意地悪からマリー(星風)をダンスで守る場面です、友情に厚い男気に感動いたします。

 この劇はともすれば少人数芝居になりそうですが、舞踏会や酒場シーンを取り上げ、多くの花組組子の登場機会があるのも嬉しい所です。舞踏会はドレスに黒燕尾、酒場では軍服と「観たい姿」の宝庫です。

 ラストシーン影ソロが、龍季澪さんと花海凛さん、すばらしい歌唱です。龍季さんは101期男役8年目で歌ウマとして着実に定評あります。花海さんはなんと108期1年目ですこれからが楽しみです。

 後半はENCHANTEMENT、香水をテーマにしたショーです。

演出の野口先生はブロードウェイ的な華やかなショーが特徴だと思います。今回もスター、衣装、舞台装置どれをとってもまさに今の花組の華やかさを活かしたショーです。

そして男役の女装も大変美しい!プロローグのエイト・シャルマント。そしてロケットダンスリーダーの希波らいと(103期)さん、超絶スタイルが良い、ファッションモデルかと思うほど。水美舞斗さん(95期)と女装の聖乃あすか(100期)さんの美しい取り合わせも見どころです。

 二番手の水美さんは本公演で花組から専科に異動されることもあり、いいシーンが沢山ありました。銀橋で同期の柚香さんと二人でカッコよく組む様は本当に男役の極みです。星風まどかちゃんを高速リフトするシーンでは長い拍手が湧きおこりました。

 デュエットダンスの影ソロは再び龍季さん、テキサス州出身で英語歌唱が抜群!いい歌聴かせていただきました。

 皆様機会がありましたら花組の舞台をぜひご観劇ください。(2023.1.4 院長)

 

(1)個人的には酒場シーン大好きで、登場するお酒を双眼鏡で観察しています。ロマネコンティやシャンボールニュジニーやラフィットが登場します(ラベルが1880年代のものと違うと思うけど)。そうそうマイヤーリンクの別荘で馭者のブラットフィッシュ(聖乃あすか)がトカイワインを勧める場面、トカイはハンガリーの名産ワインでオーストリア・ハンガリー帝国にちなんだものなんでしょうね。

 

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