The Beatles "All My Loving"1963, Lennon-McCartney
三連符シリーズ3回目です。有無を言わせぬ名曲です。どこが三連なのかというとジョンレノンのリズムギターです。
ロッカバラードと違ってかなり速い、6連だと言う人もいますね。そして1番目と4番目にきっちりアクセントをつけて正確です。ものすごくドライブしています。作曲はポールなのですが、ジョンの三連符ギターがあることでスゴク情熱度が増すのです。
ギターはリッケンバッカー325です(1)。ギブソンだと重く粘い、フェンダーはキラキラしすぎ、やはりこの三連はリッケンバッカー独特の乾燥した音色がイイですね。楽譜やライブ映像をみると1-4弦しか弾いていないようです。確かにこの速さと軽さを出すには低音5,6弦は不要です。
さてこの曲は聴きどころがいっぱいあるのです。ポールのランニングベース、楽譜だけみるとただの四分音符ですが4ビートスイングリズムです。リンゴのドラムはシャッフルビートでこれもスイングっぽい感じです。ジョージのソロ演奏はチェット・アトキンス風のカントリーギター(2)。そしてコーラスワークもカッコいいんですよ(4)。どれもこれも溶けあって名曲になったのですね。
皆様"All My Loving"をぜひお聴きください、そして耳をすましてジョンレノンの三連符ギターにご傾聴ください。(2023.4.19 院長)
(1)2枚目の写真。30年前たくさんバイトして買いました。最近はめっきり弾かなくなりました。
(2)ついでにジョージのギター機種はグレッチのカントリージェントルマン。この当時ジョージはカントリーギターの名手チェットアトキンスに憧れていたそうで、同じ機種を使っていたといいます。わかるわかる、ファンなら同じ楽器買いたくなりますよね。⇒(1)もそれです。
(3)気付いた方もいるかもしれませんが、ジョンのギターパート以外はけっこうシックな曲構成になっているのです。ここにジョンの三連符ギターが加わり、ビートと情感が与えられたのですね。
(4)当時ビートルズ得意の録音技術、ダブルトラック(同じ人が2回ダビングで重ねて録音すること、音が分厚くなる)が使用されています。ポールのメインボーカルがダブルトラックです。