カテゴリ別一覧 「医療」

2021年

12月

01日

母校の思い出話「鈴懸の径」

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2018年

2月

21日

ビートルズとCTスキャン

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2018年

2月

07日

癪って何の病気?

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2017年

9月

20日

腕の傷痕で年齢がわかる~予防接種に歴史あり

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2017年

9月

06日

江戸時代の感染症

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2017年

3月

22日

最近の読書「歴史で見る不整脈」感動もの!

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2017年

2月

22日

冬の風物詩;心臓カテーテルの思い出と枝垂れ桜

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2017年

1月

25日

インフルエンザが流行しています

川西市医師会の報告によると1/16~22の定点21施設観察でインフルエンザは262→496件と急増しました。兵庫県感染症情報センターの報告では1/9~1/15定点あたり12.58人と注意報(10人以上)レベルです。 昨年度の流行はピーク時600-800件が5週間続きました。これを踏まえると、今年は1月末頃にピークに達し 4-5週間程度流行が続くと予想されます。みなさん、手洗い、マスク、うがいなど感染予防につとめましょう。写真はある日の午前診察時インフルエンザ迅速検査A型陽性例です。Aの所に赤いラインが出現します。(院長)

 

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2016年

8月

04日

きただクリニック。さんで内視鏡検査をうけました

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2016年

3月

23日

インフル去って、花粉症

暖かくなりインフルエンザがようやく減ってきました。
代わって花粉症の患者さんが増えています。今や日本人の3割が花粉症なのだそうです。
花粉症の治療薬は何十種類もあり、作用の程度、効くまでの速さ、持続時間、眠気などの副作用の程度、など薬により様々です。患者さんの病状・身体・生活スタイルに合った薬を見つけるのが重要です。医療機関を受診される際は、過去にどの薬を使って、使用感がどうであったか、といった情報があると助かります。(院長)写真は川西市小花の橋詰公園の桜です

2016年

1月

20日

インフルエンザが増えてきました

川西市医師会の報告によりますと1/11~1/17定点22施設観察でインフルエンザは6(前々週)→17(前週)→59件と増えてきました。
昨年度(2014年12月~2015年3月末頃)の流行状況をふりかえると、12/7 17件、12/14 53件、12/21 177件、以後年末年始に週当たり400-600件の本格的流行が2月初めまで1か月半続きました。2015/1/25の628件がピークでした。
今年も同じペースだとすると、あと2週間程度で本格的流行に入ると予想されます。
みなさん手洗い、マスク、うがいなど感染予防につとめましょう。(院長)

2015年

8月

26日

「カゼを早く治したいから点滴」はまちがいです

点滴でカゼが早く治るか?答えは「治りません。治る時間は早くなりません。」

点滴そのものに含まれているのは塩分やカリウムといった電解質とブドウ糖などだけで、カゼを早く治す成分は含まれていないのです。

また点滴で栄養を取ることもできません。成人でよく行われる500mL点滴に含まれるカロリーはたったの50-100kcalです。おにぎり1個(100g)でも160-180kcalありますから、
食べられる場合は、おにぎりでも何でもよいから口から食べる方がよほど栄養がつきますよ。

高熱が出ているときは点滴で体を冷却する効果はあるかもしれません。
 では、点滴をした方がいい場合は?
カゼ症状のために水分や食事がとれなくなったり、胃腸炎などで吐いたり下痢をくり返して、脱水状態になっているときです。このようなときは不足した水分を点滴で補うことが効果があります。(院長)(写真は記事とは関係ありません)

2015年

8月

12日

熱中症に気をつけましょう

暑い日が続きます。みなさん熱中症に気を付けましょう。
(1)気温・湿度の高い場所に長時間居続けないこと。
(2)室温は28度程度以下にしましょう。また無風状態はよくありません。冷房などを積極的に使いましょう。
(3)そして水分補給に努めましょう。

熱中症や胃腸炎で起こる脱水症状に対する水分補給の注意です。
水・お茶・スポーツドリンク等で代用することもありますが、脱水症状が強い場合や、熱中症になりやすい環境での予防の場合は、経口補水液が望ましいです。経口補水液と一般の水分との大きな差は「塩分」です。水・お茶はほぼ塩分ゼロ、スポーツドリンクは経口補水液の半分程度です。
経口補水液は、水1L+塩3g+砂糖40g(できればブドウ糖の方が吸収されやすい)の割合で自作できます。スポーツドリンク1L+塩1.5~2gを加えると経口補水液に近くなります。自作する場合は衛生面で長時間保存できませんので御注意ください。(院長)

2015年

7月

15日

健康診断に行ってきました

先日年に1回の健康診断に行ってまいりました。

身長が2年連続で0.5cmずつ減り、合計で1cmも縮んでいることがわかりました。随分ショックです。自分では元気と思っていても、年々老化しているということなんでしょうね。これからは健康に注意し、きちんと健診も受けようと思いました。
皆さんも市の特定健診や職場の健診などは必ず受けるようにしましょう。(院長)

2015年

7月

01日

柳の木とアスピリン

先日学会で福岡県まで行きました。美しい柳と堀の町、柳川も観光しました。柳と言えば私達内科医はアスピリンを思い出します。
 化学名アセチルサリチル酸、商品名アスピリン、バファリン等。アスピリンの元祖は、柳の成分サリチル酸です。ギリシャ時代から柳の木や葉に解熱鎮痛作用があることは知られていました。19世紀に柳からサリチル酸が抽出されますが、胃腸の副作用のため使いにくかったようです。1897年に改良型のアセチルサリチル酸が合成され、アスピリンと命名されました。20世紀初頭には解熱鎮痛薬として爆発的に売れました。
その後アスピリンには血液をサラサラにする効果(抗血小板作用)があり、心筋梗塞や脳梗塞再発を防ぐことがわかりました。今やアスピリンは解熱鎮痛薬というよりも、心臓・脳卒中の治療に欠かせない薬になりました。じつは1980年代に既にこの作用が分かっていましたが、日本では認可が遅かったものですから99年の認可までずっとヤミ使用されていました。私が研修医の当時は70歳心筋梗塞の患者さんに「小児用」バファリン81mg錠を処方したものです。(院長)

2015年

6月

17日

消えてしまった筋注(その2)

日本で筋注をやらなくなって困ったこと、それは筋注の方が望ましいはずのワクチンでも筋注ができないことでしょう。
ワクチンは大きく分類して不活化ワクチンと生ワクチンがあります。医学的にみると、不活化は筋注の方が効果の高さと副反応の少なさの点でメリットが多いとされています。ところが現在は不活化の筋注が認められるのはごくわずかの種類のみです。
厚生省、製薬業界が昭和40年代の苦い経験から、筋注投与での治験、承認を避けたためといわれています。そのようなわけで、医学的に良いと考えられても制度の面で実施できないのが現状です。
現在、日本小児科学会が厚生労働省に対し、不活化ワクチンの筋注投与を認めることや、予防接種の接種方法等の指針作成などを要望しています。
(参考)不活化ワクチンの例(四種、三種、二種混合、肺炎球菌、Hib、日本脳炎、B型肝炎、インフルエンザなど)、生ワクチンの例(麻疹、風疹、おたふく、水痘など)

 

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2015年

6月

10日

消えてしまった筋注(その1)

昔はカゼをひいて病院に行くとよく注射されたもんです。それも筋肉内注射(略して筋注)・・・院長も子供の頃、よくお尻や肩に刺されました。静注や採血より痛かったことを覚えています。刺したあと揉みなさいとも言われましたね。

今ではこんなことまずやりませんよ!
それはなぜか?昭和30-40年代当時、カゼに対して解熱剤、抗菌薬の筋注が一般に行われていましたが、これを繰り返すことが原因で3000人以上の方が大腿四頭筋短縮症という後遺症を発症したためです。以後、筋注は急速に消えてしまいました。厚生省、製薬会社は多くの医薬品の筋注投与を許可しない傾向となりました。現在では筋注そのものが悪いのではなく、特定の薬剤と多数回筋注を組み合わせるとこの副作用が発症しやすかったのだと考えられています。

ところで筋注をむやみに禁止して、のちに少し困ったことが起こっています・・・続く(院長)

 

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2015年

6月

03日

「先生、手がしびれるのですが・・・」

「しびれ」は日常語ですが、医療者と患者さんで指している内容に食い違いが多い言葉です。医療の世界では通常、感覚障害全般のことをいい、感覚鈍麻~消失、錯感覚、異常感覚、感覚過敏などと、細かく分類されます。たとえば正座の後のビリビリ、ジンジンは異常感覚+感覚過敏です。患者さんから詳しく症状をお聞きしてどのタイプの痺れなのかを判断します。
運動障害である運動麻痺、ふるえなども「しびれ」と言われる患者さんもいます。「中風」「中気」という古い言い方がありますが。これは脳卒中による麻痺症状を表し、「邪風に中る」「悪気に中る」が由来です。「シビレ節」(昭和41年)という曲で植木等さんが「中気でシビれてる」と歌いました。この「中気」のシビレは脳卒中による運動麻痺をさしているのでしょうね。この部分の歌詞に問題があるとして長い間放送禁止になりました。(院長)
 

2015年

5月

20日

「24時間心電図」検査の御紹介

不整脈や安静時狭心症は短時間の心電図検査や負荷心電図では診断がつきにくいので、長時間記録するこの検査が役立ちます。

 本体は45gの超小型サイズです。また、本機種は毎回新しい心電図電線キットを使いますので、衛生的です。

 次のような症状があるとき24時間心電図検査をおすすめします。
(1)不整脈:動悸(脈が速い、脈が飛ぶ、胸がドキドキする)・息切れ・意識が遠くなりふらつくことがある、などの症状。
(2)安静時狭心症:じっとしているときに胸が痛くなる、しめつけられるような症状。冠動脈がけいれんすることで起こります。冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症と呼ばれます。(院長) (右の装着図はフクダ電子HPより)


2015年

5月

13日

ピリン系の謎

「ピリン系で薬疹がでました」時々出会います。ところがなぜかその薬の名前を覚えている患者さんはいません。自分がエライ目にあった憎い薬なのに。謎です。ピリン系=薬疹は都市伝説のように真相不明のまま仕方なくカルテに記載され続けます。
実際のところ現在使用できるピリン系薬はSG顆粒とメチロン(スルピリン)注射の2剤にほぼ限られ、しかも今の医療でわざわざこれを使う場面はほとんどありません。つまり薬疹以前にそもそも使用されていないのです。ですから、真の原因薬剤はどこか別にあるのだろうと推測します。なお市販薬は「セデスハイ」など数種類ありますからこれで薬疹が出ることもあります。
なお、アスピリンは名前にピリンが入っていますが、ピリン系ではありません。よく勘違いされるようです。
さて、どんな薬でもアレルギー症状がでる可能性はあります。症状があった場合は薬局・医師に御相談下さい。その際服用したすべての薬剤名を記録しておきましょう。(院長)

2015年

5月

06日

食べ物に「あたる」。どんな字を書く?

川西市近辺では昨冬から胃腸炎が多いですが、もう初夏というのになかなか減りません。手洗いなど感染症予防につとめましょう。

さて、食べ物に「あたる」の字は「中る」と書きます。的中、命中の「中」も「あたる」という意味です。医療用語では、中毒「毒に中る」があります。脳梗塞や脳出血を表す脳卒中という用語がありますが、この「中」も同じです。「卒中」とは「卒然として邪風に中る」から来ています。卒然は突然という意味です。麻痺や意識障害などの悪い症状(=邪風)に突然かかることから名づけられたのでしょう。(院長)

2015年

4月

29日

ケーシー白衣

丸首半袖でボタンが横についてる短い白衣、あれは「ケーシー白衣」と言います。1960年代の米国TVドラマ「ベン・ケーシー(Ben Casey)」で脳外科医Dr. ケーシーが着ていたのでこの名前が一般的になりました。歴史は古く中世の床屋外科の時代から伝わっています。動きやすいのが特長です。大ざっぱに言って、大学や大病院の中では、偉い先生は長白衣にネクタイ、若手はケーシーと相場が決まっております。なかには年輩になってもずっとケーシーで活発に診療される先生もいらっしゃいます。院長は今もケーシー派でして、季節関わらず愛用しています。
なお、料理人の白衣、コックコートは形が似ていますが構造が違います。熱いものを被ったり引火の際に直ちに脱げるようボタンが外れやすくなっているそうです。(院長)

2015年

4月

22日

レントゲンを見るあの道具はなんて言うの?

ドラマでよく出てくる、レントゲンやCTの写真を見る道具、名前を「シャウカステンSchaukasten」といいます。ドイツ語でschauen=見る、Kasten=箱、を合わせた言葉です。なるほどね。英語ではfilm viewer, illuminatorなどと言うそうです。
 なぜか適切かつ平易な日本語訳はありません。また時代が英語主流になっても英語も使われませんでした。なのでこの箱はずっとシャウカステンと呼ば

れ続けています。先輩も僕も後輩もみんなこう言ってきました。しかし2005年頃から医療用画像のデジタル化が急速に進み、フィルムは廃止され、高解像モニターで見るようになりました。それに伴ってシャウカステンは活躍の場がなくなり、その名も忘れられようとしています。(院長)

2015年

4月

15日

お医者さんってドイツ語でカルテ書いているんですか?

と、よく聞かれますが、そんな人まずいません。ドイツ語の読み書きができる医師って今や殆どいないんじゃないでしょうか。もしいるとしたら恐らく趣味でドイツ語を勉強されたか、ドイツに留学経験のある先生だけだと思います。
院長は平成2年(1990年)入学ですが、その頃には既にドイツ語は日本の医学から消滅していました。大学ではフランス語を選びました。理由はその年は仏語の先生の方が単位を取りやすかったからで、私達の学年では7割がフラ語に流れました。その後医学専門課程でも、卒業してからも、ドイツ語を使うことはありませんでした。

医療の外国語は英語の一人勝ちになっていて、それは現在も続いています。今となってはドイツ語は「業界用語」として一部のことばが細々と残るだけになりました。
ちなみに業界用語といえば「カルテKarte」が有名ですが、ドイツ国内では「診療記録」の意味はありません。辞書を見てもやはりその意味は載っていません。和製ドイツ語だったんですね。(院長)