2026年
5月
27日
水
壁の飾りをかえました。
宙組「黒蜥蜴/Diamond IMPUSE」宝塚大劇場2026/5/23〜7/5
江戸川乱歩原作、昭和時代に三島由紀夫により戯曲化された作品、宝塚歌劇では2回目だそうです。今回、演出は生島先生です。先生のワールド満開です。
時代設定は昭和30年代、セリフ回しがちょっと堅苦しく難しい表現が昭和の味わいです。
黒蜥蜴は春乃さくらさんがタイトルロール。怪しい魅力を放ち、めちゃくちゃ迫力の演技です!これはぜひ実際に観ていただきたい。
桜木みなとさん演ずる明智小五郎との対決も見ものです。お互いを欺く展開がスリルと緊迫感に満ちて知らぬ間に黒蜥蜴の世界に引き込むのです。
宝塚といえば「愛」がテーマの作品が多いのですが、黒蜥蜴に出てくる「愛」は素直なものではありません。黒蜥蜴の明智への愛、雨宮の黒蜥蜴への愛、様々な倒錯した愛の形を提示するという。三島演出、生田演出の面白さです。
また、恐怖美術館の場面は猟奇的で重いです、生田先生得意の世界表現ですね。
トータル宝塚らしくはない作品かもしれませんが、この世界観をお楽しみください!
メインのストーリーは重く難解なテーマで進んでいくのですが、合間にリフレッシュの場面もあります。明智が女性を3タイプから、犯罪を犯しやすい女性のタイプを歌で解説する場面、第二の女・楓姫るるさん、第三の女・二葉ゆゆさん推しなので楽しんでいます。また岩瀬家の用心棒を雇う場面などコミカルな面もあります。
下級生もがんばっています、「明智小五郎の影」という役(ダンサー数名)のうち一人、波輝くんです。最近メキメキ実力を挙げています、106期のダンサー、ぜひ見つけてください。なおショーのほうでもダンスのセンターを何回かつとめています。頑張っていますので、ぜひ注目してください!
ショーは Diamond IMPUSE 宙組の魅力がいっぱい詰まったショーですよ。芝居でたくさん語りすぎ紙面がなくなってきましたので、ショーはまたの機会に。
宙組の魅力がつまった「黒蜥蜴/Diamond IMPUSE」
機会がありましたら、ぜひご覧ください。(2026.5.27 院長)
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2026年
5月
13日
水
世界は二人のために 壁の飾りをかえました。
佐良直美「世界は二人のために」昭和42(1967)年5月、作詞:山上路夫、作曲・編曲:いずみたく
先日ね、結婚式に出席したのですよ(1)。もはや10年以上ぶり。若い二人の門出に同席できて超感動しました。
さて、この曲は昭和時代、結婚式でものすごく使われました。曲がリリースされたとき、私は赤ちゃんでしたが、幼稚園や小学生のときでもよく歌われていたことを覚えています。
曲の構成は単調です(短調じゃないよ)、詞も取り立ててひねった感はない、曲・詞ともに極めてシンプル。佐良さん自身「こんな童謡みたいな曲売れるはずがない」と思っていたそうです。発売直後から大ヒットして、同年12月はレコ大新人賞獲得、第18回NHK紅白に初出場しました。時代の雰囲気が合ったこと、そして佐良さんのボーカルがよかったのでしょうね。
後の世に数々の結婚式ソング名作が生み出されました。もうこの曲が結婚式で使われることはほとんどないと思いますけど。
皆様、昭和時代の名曲結婚式ソング、思い出されたならばぜひともお聴きくださいませ。 (2026.5.13院長)
(1)なお新郎新婦はウチの親類とか子供じゃないですよ。知り合いの娘さん。もはや私なんかお父さんとか恩師と同じくらいの年代。
(2)もともとは明治製菓「alfaチョコレート」のCMソング、これに山上路夫が歌詞をつけた曲だたのだそうです。CMソング由来ならば単純明快メロディというのも理解できます。
2026年
4月
15日
水
壁の飾りをかえました。
宝塚月組「RYOFU/水晶宮殿(クリスタルパレス)」宝塚大劇場2026年4月4日〜5月17日
三国志の最強武将の呂布(りょふ)の物語です。私、中国の歴史に興味なくて全く知識ないのですが、予習無しで観ても面白かった!わかりやすかった!
とにかく劇全体を通じて緊張感が途切れることがない、あっという間に過ぎ去る感覚でした。愛、謀略、正義、裏切り、が交錯するお話。
主人公の呂布(鳳月杏)が裏切りまくって、あらゆる人を斬りまくって人が亡くなっていくという、壮絶なストーリーなのだが、その中に呂布と雪蓮(天紫珠李)との悲哀、家族愛、友愛など、いろんな「愛」が描かれててグッときます。
特に少年呂布(七城雅)と母の場面、呂布がなぜに人を憎む獣となったのか…。雪蓮と最期を迎える場面、「これを愛とよんでくれるのか」は感涙ものです。
董卓(風間柚乃)の芝居が上手すぎる=怖すぎる!また董卓の部下、李儒(彩海せら)も上手い、心情変化の移り変わりや李儒の正義が表現されている。悪役チームの中にも愛と葛藤がありハラハラさせられました。
月組は全体的に芝居巧者が多く、その中でもとくにこの2人は次元がちがいます。
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2026年
4月
01日
水
壁の飾りをかえました。
南佳孝「PARADISO」昭和63(1988)年9月、作詞:松本隆、作曲:南佳孝
斉藤由貴さん「卒業」イントロのシンセメロディーを聞いていたら、この「パラディーソ」も思い出しちゃいました。絶妙に耳に残るイントロです。
南さん25枚目のシングル、映画『疵(きず)』(1988)の主題歌です。主演は陣内孝則さん、監督は梶間俊一さんです。
南佳孝さんの音楽って、ほんとうに都会的で大人っぽいですよね。シティポップの代表の一人です。
さて、この曲は南作品の中ではあまり知られていなんじゃないでしょうか?わたしも当時、南さんの曲をよく聞いていましたが、リアルタイムでは全然知らなかった。
でもこの曲、タカラヅカファンは皆知っているのですよ。ロマンチックレビュー「ダンディズム!(1a)」「ネオ・ダンディズム!(1b)」「モアー・ダンディズム!(1c)」で演じられていて、超カッコいいのです。いちど調べてみてください!
そして、南さん自身が「特にお気に入りの曲」として取り上げておられ(2)、後年のベストアルバムに何度も登場しています。
皆様、大人の魅力、ダンディズムあふれる南佳孝さんの名曲、機会がありましたらぜひともお聴きください。そしてタカラヅカの「ダンディズム」三部作もぜひご覧ください! (2026.4.1 院長)
(1a)花組1995年 真矢みき (1b)星組2006 湖月わたる・安蘭けい (1c)星組2021 礼真琴
(2) https://www.billboard-japan.com/special/detail/3915
「—特にお気に入りの曲を教えてください。
南:「Paradiso」ですね。松本から聞いたんだけど、タカラヅカのステージでこの曲を歌ってくれているらしいです」
2026年
3月
18日
水
また幸福の木ドラセナに花が咲きました。2013年開院以来ずっと当院にいる木です。1年ぶり4回目の開花です。2016年2月と2019年2月、2025年4月に花をつけました(当時のブログは年度をクリック)。開花するのは数年に1回で珍しいそうですが、今年は連続で開花しました。昨年夏に鉢を分けて土を入れ替えて以来、葉っぱがモリモリに育って元気がついたのでしょうか?3株ともに花がついています。日暮れ時に小さな花が一斉に開き、ユリのような香りが部屋いっぱいに拡がるのです。朝になると閉じてしまいます。3/20頃までは夜の診察6時頃から花をご覧いただけると思います(と思ったら、3/20は祝日で休診でした、残念)。
今年も木が元気でいられるようしっかり手入れしようと思います。(2026.3.18院長)
2026年
3月
04日
水
壁の飾りをかえました。
斉藤由貴「卒業」昭和60年(1985)2月21日 作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:武部聡
卒業式の季節ですな。
当時高校3年生の斉藤由貴さんデビュー曲です。ポニーキャニオンから公式ビデオが公開されていて、スタジオ録音の動画なのです。ほぼノーメイクで私服(おそらく)で映っています。プロモーション用ではなく、記録目的で撮った映像のように見えます。(1)
本作品は、作曲の筒美京平先生の発案で作詞先行で作られました。これは1975年「木綿のハンカチーフ」が松本&筒美コンビで作詞先行で作ったのを踏襲したのだそうです。この2つは詞の背景がよく似ていて、男子は都会に出る、女子は地方残留で離れ離れになってしまうのを、女子目線で描いています(2)。ここに松本隆さんのドラマチックな詞世界が広がるのです。
筒美先生の曲と武部聡さんの編曲も光っています。とくにイントロのアルペジオが印象的なのですが、これはデモテープの時点で筒美先生が用意していたそうです。ピポパポ・・・というシンセサイザー音、ちょっと外れた感じがやけに印象的なのです(3)。曲中何度も繰り返されるのでさらに耳に残るという、いわば「ウラの主旋律」だと思います。アレンジは控えめなキーボード、リズムセクション、フルート&サックス、そしてストリングスがこの曲の世界を表現していて白眉であります。
発表から40年以上も経つのに卒業ソングの代表であり続けています。なにより松本・筒美ゴールデンコンビ作詞作曲の力、そして若い斉藤由貴の魅力があるのです。皆様機会がございましたらぜひともこの名作をお聴きになってください。(2026.3.4 院長)
(1)噂では、スタッフが会社の許可なく撮影したそうです。
(2)また2年後1987年11月松田聖子「制服」でも松本隆は同じモチーフの歌詞を書いています。
(3)「学校のチャイムのイメージ」だということですが、私は地下鉄の駅の電子音みたいだなって思います。
カテゴリ 音楽 2026年
2026年
2月
18日
水
壁の飾りをかえました。
花組「蒼月抄(そうげつしょう)/EL DESEO(エル・デセーオ)」宝塚大劇場2026/2/14〜3/29
「蒼月抄」は没落してゆく平家の人間模様を描いた作品です。運命のなかで懸命に生きる姿が心をうちます。日本史もので、とにかく敗走し落ちぶれ、主要人物は次々に討ち死にという、悲劇であります。客席にはすすり泣きも聞こえてきます。生き残った者が昔語りをする設定。ちょっと月組「桜嵐記」2021年を思い出しました。永久輝せあさん(平知盛)、聖乃あすかさん(平重衡)、そして花組にやってきた極美慎さん(平教経)、それぞれの役に個性が生きます。私としては極美さんの殺陣がいいなあと思いました。
平知盛の息子役を美空真瑠くんがやっていて、子供時代に極美さんに稽古をつけてもらうかわいらしさ、これに対し成人し戦に出て最期を遂げる姿が泣かせました。
芝居全体としては、多くの事件を詰め込んでせわしない感と、合戦の場面が多くて長い印象です。場面を絞り込むともっと深く感動できるような気がします。
ラテンショー「EL DESEO」では花組の皆さんが熱気あふれノリノリでした。衣装も音楽も派手です。目まぐるしくいろんな場面を進めてゆくといった感じです。中詰めでは客席降りあり、そして1回目は2階席で観たのですが、2階にも下級生の人たちが来てくれました。S5「砂漠 獣の血」場面では、院長の推し、光稀れん君が活躍して嬉しかったです。この場面、106期の鏡星珠くんがハンター歌手、そして遼美来くん、宇咲瞬くん、月翔きら君、 月世麗くん、と有望な下級生の皆さんががんばっています、ぜひご注目ください。
ショーを通して全体的に照明が暗いのと帽子の場面が多いので、ジェンヌさんの表情が見えづらかったのが気になりました。暗いところでも見えるよう眼をトレーニングして観劇しましょう。
見どころいっぱいの花組公演、機会がございましたらぜひご観劇ください。(2026.2.18院長)
参考「蒼月抄」年表(Wiki参照です) 時系列がわかると劇を理解しやすかもしれません
1167年(頃)明子が平知盛の妻となる
1169年平知盛の長男 知章が産まれる
1172年清盛の娘 徳子が高倉天皇の女御として入内
1178年徳子が安徳天皇を出産
1180年重衡が南都(奈良)を焼討
1181年清盛が死去
1183年源義仲に大敗し平家一門都落ち
1184年一ノ谷の戦い
1185年壇ノ浦の戦いで平家一門が滅亡
2026年
2月
04日
水
壁の飾りをかえました。
中村晃子「虹色の湖」昭和42(1967)年10月、作詞:横井弘、作曲:小川寛興、編曲:森岡賢一郎
エレキ歌謡のなかでも、GSブームに乗っかって、GS的なエレキバンド演奏に女子が歌う形式を「一人GS」と言います。ただしこの用語は当時にはなく、後年にGS研究者の黒沢進さんが名付けた用語なのです。
中村晃子さんは女優としてデビュー、レコードも出していて、この曲は7枚目のシングル。67年10月発売のとき19歳だったそうです。ものすごい貫禄のボーカルです!オリコンチャートがはじまった68年1月(1)から人気が出て30万枚以上の大ヒットとなりました。67年発売なので実売はもっと多いと言われています。ヒットを受けて68年紅白(第19回)に出場しました。(2)
演奏は、津々美洋とオールスターズ・ワゴン、ベースは江藤勲さん、重いビートとピック音が江藤ベース。タイトなドラム、そして12弦ギターサウンドもカッコいい。録音は深いエコーがかかっていてスペクター・サウンドみたいな奥行きす。
68年3月の映画「進め! ジャガーズ敵前上陸」ではライブハウスでGSグループのザ・ジャガーズをバックに本曲を歌う場面があるのです、これはぜひご覧いただきたい。なおこの映画、泉アキや青山ミチといった当時のガールズ歌謡の歌手も出演していて貴重です。
なお、一人GSというと、黛ジュン、泉アキ、ジュディオング、小山ルミ、などたくさん出てきます。いしだあゆみ「太陽は泣いている」、美空ひばり「真っ赤な太陽」も一人GSでしょう。エレキ・GS時代独特の亜流文化、エレキ歌謡・一人GSは奥が深くて聴き込むと沼に入ってしまいます。皆様機会がありましたら、ぜひ一人GSを聴いてみてください。(2026.2.4 院長)
(1)実際に統計をとり始めたのは67年11月~らしいです。
(2)なおこの年度にはじめてGSが出場、当時GSは批判が多かったので、行儀のいい(と見える)ブルーコメッツが出場しました。
2026年
1月
21日
水
壁の飾りをかえました。
小山ルミ「さすらいのギター」昭和46(1971)年 作詞:千家和也、作曲:J リーヴ· カインド、編曲:川口 真
昨年末に続きエレキ歌謡です。ベンチャーズ歌謡と思われていますが、実はベンチャーズではありません。元の曲はフィンランドのインストバンド”ザ・サウンズ”の"Mandschurian Beat"(1963)です。さらにその原曲がロシアのワルツで邦題「満洲の丘に立ちて」なんです。
この曲は後にベンチャーズがレコードやコンサートでレパートリーとして演奏したので余計にベンチャーズ曲と勘違いしていしまいます。しかも、「さすらいのギター」は、ベンチャーズ作曲「雨の御堂筋」で有名な欧陽菲菲が同じLP内で2曲とも歌っているので、なおさらベンチャーズ色があるように誤解しちゃうんだよね。これって、入試科目に「歌謡曲史探求」があったら出題ポイントだと思います。
曲は哀愁漂うマイナー調で日本人向け。当時のエレキサウンドって、ベンチャーズやアストロノウツなどのカラッとした軽快なアメリカ系と、スプートニクスやザ・サウンズなどマイナー調で哀愁サウンドの北欧系の2系統があったのですよ。まあどっちかというとアメリカ系のほうが人気高く、後世に記憶が伝えられたので、北欧系はマニアが聴くものなった気がします。というわけで「さすらいのギター」は北欧系エレキサウンドなのです。日本人の短調好きは連綿と続く伝統なのだと思います。昭和歌謡史を見ると、朝鮮民謡の流れをくむ古賀歌謡から戦後のロシア民謡流行、そして昭和40年代からの演歌などなど、これら短調哀愁系が形をかえて流行するという。
さてこの曲は原作の哀愁メロディのうえに、千家さんの時代錯誤な激しい目の歌詞がのって、川口真さんのラテン系ロックな編曲にて情熱的になっています。さらに演奏がすばらしい!粘りある歪みのギターサウンドがめっちゃカッコイイのです、きっと水谷公生さんじゃないかと勝手に思っています。
皆様、機会がありましたら、ぜひエレキ歌謡の傑作「さすらいのギター」をお聴きになってください。 (院長 2026.1.21)
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2026年
1月
07日
水
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
早速ですが壁の飾りをかえました。
星組『恋する天動説/DYNAMIC NOVA』宝塚大劇場2026/1/1〜2/8
新トップの暁千星さん、詩ちづるさんの大劇場お披露目公演、そして新春公演です。
舞台は1960年代の英国、当時の若者文化であるモッズやロッカーズが出てきます。背景としては1979年の映画「さらば青春の光、原題:Quadrophenia」に倣っています。舞台となる街もブライトンで同じ。元の映画は結構虚しい感じのストーリーだったのに対し、さすがタカラヅカは、青春そして恋、友情あり、結末は明るく前向きで、安心して観れます。
トップ暁さん、2番手に新たに瑠風さんが加わり、二人ともスタイル抜群、迫力あります、そして歌もうまい、音圧がすごいですね。娘トップ詩さんがかわいいうえに本当に芸達者です、何をしても上手です。暁さんとのバランスもすばらしいです。
音楽は1960年代風のナンバーであふれています!ロカビリーやThe Who↑やThe Kinksなどモッズ風ブリティッシュロック、リズム&ブルース、ガールズ・ポップ・グループ、バート・バカラック、そしてショッキングブルーのVenusなどなど。60年代好きな院長としては音楽面も楽しんでいます。
ショーはDYNAMIC NOVA、華やかなショーです。暁さん、詩さん、瑠風さんふくめ今の星組メンバーの魅力がいっぱいに盛り込まれています。中詰めはまずサンタナの”Black Magic Woman”で怪しく始まり、ラテンで一気に盛り上がり、客席降りにつながります、劇場全体が大盛り上がりです。
さて若手の活躍も楽しみのひとつです。稀惺くんと大希くん、オープニングから二人で登場して、また後半には二人銀橋渡りもあったりして今後が楽しみですね。若手ナンバーのSUPER NOVAではセンター大希くん、鳳陽くんに注目しています、凰陽さや華君ってダンス上手なのですよ。タンゴ場面では稀惺くんが女装で踊ります!なお、この場面で瑠風さんのソロ歌唱が深みあり一聴の価値ありです。
まだまだ名場面がありますが見どころたくさんの新生星組、機会がございましたらぜひご観劇ください。
(2026.1.7院長)
2025年
12月
17日
水
壁の飾りをかえました。
ザ・ベンチャーズ、クリスマスアルバム(1965年)
ベンチャーズは夏だけでありません。
全編クリスマスソングをエレキで演奏しているのです。
面白いのはクリスマスの曲のなかに、ロックやリズム&ブルース、ポップス、ジャズなどをうまく紛れ込ませているんですね。
例えばA-1「ジングルベル」はイントロがレイ・チャールズの "What'd I say"、A-2「ジングルベル・ロック」はバックでチャックベリーの "Memphis Tennesee"がリズムを刻み、A-4「楽しいソリすべり」ではベンチャーズの18番!"Walk Don't Run"おなじみのワクワクするリフが追っかけてきます、A-5「ちらほら雪が舞っている」では英国ロックのゾンビーズ "She's not there"シブい!はたまたB-1「赤鼻のトナカイ」には院長が好きなビートルズ "I Feel Fine"のイントロから始まって「トナカイ」に流入するのです、聴いていますと笑えてきます。B-2「フロスティー・ザ・スノウマン」ではラテン曲の”テキーラ”を織り込み、冬と夏とが同居。B-5「楽しいクリスマス」にはジャズのラムゼイ・ルイスのピアノ曲がフィーチャーされているのです。
これって本当に遊び心満載のアルバムだと思うのです。思わずニヤリとしてしまう構成。きっとベンチャーズのメンバーが「この曲とあの曲ってつなげられるよね!」なんて言いながらスタジオで遊んでいたんだろうな、と想像してしまいます。
皆様、機会がございましたら一度クリスマスソングにベンチャーズをお聴きくださいませ。
寒さが厳しくなってまいりますのでお身体には十分お気をつけください。
2025年もブログにおつきあいくださりありがとうございました。皆様よい年末をお過ごしください、そして幸せな新年をお迎えください。(2025/12/17 院長)
2025年
11月
26日
水
壁の飾りをかえました。
渚ゆう子「京都の恋」昭和45年5月作詞:林春生、作曲:ザ・ベンチャーズ
先月京都に行きましたら人が多すぎて辟易いたしました。これでは国内の観光客が減るはずです。今はどうなんでしょうか。
「ベンチャーズ歌謡」とは、エレキバンドのベンチャーズが日本風メロディを作曲した一連の歌謡曲のことなのです。和泉雅子と山内賢「ふたりの銀座」(昭和41)からの「星空の二人」「東京ナイト」、奥村チヨ「北国の青い空」(昭和42)、渚ゆう子「京都の恋」「京都慕情」「長崎慕情」、欧陽菲菲「雨の御堂筋」(昭和46)など。
本作はもともと1970万博に合わせてベンチャーズがインストの曲を作ったものに、フジテレビ社員であった林春生さん(1)が歌詞をつけたのです。
歌手は渚ゆう子さん、もともと沖縄民謡の歌手からハワイアンを歌っていた方です。この「京都の恋」で大ヒット、オリコン1位8週連続だったそうです。このあとベンチャーズ作曲「京都慕情」「長崎慕情」でもヒットしました。
ベンチャーズはアメリカのエレキバンドなのに、日本風メロディーを作っちゃうのですよ。むしろ純粋な日本歌謡曲を通り越した、「西洋人から見た日本」を表現しているように思います。ベンチャーズのインスト版はエレキシタールを使ってエキゾチックな響き、渚ゆう子版では琴が使われていて日本らしさをアピールしているんですよね。
演奏はベンチャーズではなくて東芝オーケストラということになっています。硬いベース音は限りなく江藤勲さんのような気がします。
ベンチャーズ歌謡の名作「京都の恋」、機会がございましたらぜひお聴きになってください。(2025.11.26 院長)
(1)林春生さんは他にも「雨の御堂筋」「ひまわりの小径」や、アニメ「サザエさん」「海のトリトン」「鋼鉄ジーグ」の主題歌も作っておられます。
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2025年
11月
05日
水
壁の飾りをかえました。
雪組「ボー・ブランメル/Prayer」宝塚大劇場2025/11/1~12/14
18世紀末の英国、平民出身のジョージ・ブランメル(朝美絢)が上流階級に食い込もうとする野望達成物語。彼は新しい服飾モードを考え、そして考え方・作法なども含めたダンディズム(美学)を武器にしました。それまで上流階級の服飾は華美なことを良しとされていましたが、ブランメルは簡素で洗練されたスタイルを主張したのです。これが社交界で大いに受け入れられ、一躍彼は大スターになったのです。トップスター朝美絢さんが美形ですらっとしていて、このスタイルがぴったりなのですよ。
一方、元恋人ハリエット(夢白あや)も平民・女優で王子ウェールズ公の愛妾として成り上がる。いつもながら夢白さん美人すぎです。でも今回で退団されるのが非常に惜しいです。
まあ二人は社交界で再会したことでまた愛しあってしまい、それがバレて王子の怒りを買い立場を失う、という話の流れ。宝塚にありがちな展開の気がします。
私としては近代の服飾の歴史を扱ってくれたところがGood、勉強になります。なお、史実はかなり違うようで、ブランメルが王子に気に入られ社交界のスターに登りつめたのは確かのようですが、女性とのスキャンダルで失脚したわけではないそうです。
なお、ウェールズ公の瀬央ゆりあさんの憎まれ役演技はさすがです、ベテランならではの味。またブランメルの父、諏訪さきさんも鬼気迫る亡霊役の芝居。友人達、ピアポント(縣千)、アルヴァンレー(蒼波黎也)、マイルドメイ(紀城ゆりや)も味わい深い。
音楽はフランクワイルドホーン先生、この人は何かどこかで聞いたことのある旋律がうまい。今回はブランメルの友人達3人衆とのシーンで、カノン進行!2週前まで宙組「プリンスオブレジェンド」でカノン進行頻発だったのでカノンはもうお腹いっぱいかもしれぬ。
ショー「Prayer-祈り-」は中村一徳先生の作で、世界各地の祈りがテーマになっています。大人数での踊りが多くて華やかなシーンがいっぱいです。私としては黒燕尾が印象的で良かったなあと思います。客席降りが相当に盛り上がりますので通路近くに座る方は大いに期待してください。あと繰り返してすみませんが、退団の夢白さんかわいいです。
若手の男役さんたちも活躍しています。紀城ゆりや君、苑利香輝君、水月胡蝶君たちに注目しています。
見どころたくさんの雪組、機会がございましたらぜひご観劇ください。
(2025.11.5院長)
2025年
10月
15日
水
壁の飾りをかえました
今日はLPですエルヴィス・プレスリー"The Comlete Sun Sessions"
2回続けてプレスリーで恐縮です。前回の「ハートブレイクホテル」は大手RCAに移籍後1枚目のヒットでした。プレスリーはその前にテネシー州メンフィスのSun recordsというインディーズレーベルでローカルヒットを飛ばしていました。この1953-55年のSun時代サウンドこそ本当のロカビリーと言えましょう。というよりSunでロカビリーが誕生したと言ってもいいと思います。
「ロカビリー」とは「ロックンロール」と「ヒルビリー」を合わせた造語です。ロックンロールはダンサブルなリズム&ブルース、ヒルビリーは今でいうカントリー&ウェスタン、この融合なのです。
Sun時代のプレスリーは本当にロカビリーの特徴が出ています。
(1)ギャロッピング・ギター、親指でベース音を出し、他の指でメロディーを弾くスタイル。これはカントリーギターでよく使われ、チェット・アトキンスやマール・トラヴィスの職人技が有名です。プレスリー・トリオでは スコティ・ムーアがいい音出しているのです。カントリー要素がベースなのですが、スコッティのオリジナルな面としてブルース的な味わいも表現してくれるのです。
(2)スラッピング・ベース:コントラバスの弦を指板にたたきつけ、パーカッションとしても機能する。Sunに残されているビル・ブラックのベース・プレイは本当にノリが良いのです。ドラムなしでもこんなにビートを出せるなんて!
(3)ボーカルは何より当時としては白人が黒人ぽくブルージーに歌うということが画期的だったわけです。プレスリーの歌唱・リズムが本当に迫力があるのです。今となってはこういうリズム&ブルース的な歌唱法は当たり前になっていますが、これは同時代のいわゆる白人的なポピュラーソングを比較して聴くと歴然と違います。また、ロカビリー独特の唱法としてヒーカップ(しゃっくりのように声を裏返す)、マンブリング(モグモグとあいまいな音で発生する)、も特徴的です。特に"Baby Let's Play House"に顕著です。なおヒーカップは同時代のロックの人たち、バディー・ホリーなども頻用していました。
ロカビリー的な作品としては、"That's All Right" "Blue Moon Of Kentucky" "Good Rockin' Tonight" "Baby Let's Play House"これらをお勧めします。
ものすごい迫力のサウンドですよ。
皆様、ロカビリー時代Sun recordsのプレスリーをぜひともお聴きになって下さい。(2025.10.15院長)
2025年
10月
01日
水
壁の飾りをかえました
エルヴィス・プレスリー「ハートブレイク・ホテル」1956年
前々回の山口百恵「イミテイションゴールド」の始まり部分がこれに似てるんですよ。ぜひ皆様聴いてください。作曲した宇崎竜童はかなり意識していたはずです。
誰もが知る有名曲なので、ロックにおける重要性や当時の若者に与えた影響なんてのはここでは省略します。院長もロックンロール大好きなので、ここは1955-56年のプレスリーについて細かいことを紹介したいです。この時期のプレスリーで重要なことはSun Records(サン・レコード)から天下のRCAへの大移籍でしょう。移籍することでちょっとずつサウンドが変わってきたりするところが味わいなのです。そんなこと言われてもなんのこっちゃわからんという人もすこしだけお聞きください。
プレスリーは故郷のテネシー州メンフィスで1954年にデビューしました、Sun Recordsというレコード会社です。田舎町のレコード会社なわけですが、ここはロックンロールの偉人たちをいっぱい輩出しているのですよ、エルビス・プレスリー、ジェリーリールイス、カール・パーキンス、ジョニー・キャッシュ、ロイ・オービソンetc ・・・プレスリーが地元でヒットを飛ばしまくっていたのが噂になって、全米規模の大手レコード会社RCA(1)が1955年プレスリーの権利を丸々買い取ったのです。そしてRCA移籍第一弾のシングルがこれなのです。
録音は1956/1/10-11にテネシー州ナッシュビル(1)で行われました。Sun時代のメンバーであるギター:スコッティ・ムーア(カントリースタイルの演奏法でカッコイイロカビリー・ギターを演奏する)、ベース:ビル・ブラック(コントラバスでスラップ・ベースを繰り出す、まるで打楽器のようなリズムを出す)も引き続き参加しています。そして何と、カントリーギターの大御所チェット・アトキンスも入っているという、知らなかった!そしてこの録音からドラムにD.J.フォンタナ、ピアノにフロイド・クレーマー、コーラスのジョーダネアーズなども加わっています。とにかく豪華メンバーです。
Sun時代はドラムなしの曲が多かったのですが、RCAは全国区だし資金力があるので、演奏を豪華にしようという意向だったのでしょうね。
この2日に”I was the one/ただ一人の男=本作のB面”(ロッカバラード)、”I got a woman”(ブルーズ をロカビリーにアレンジ)、"Money honey"(R&Bをロックンロールにアレンジ)、"I'm counting on you"(ロッカバラード)も録音されました。
Sunがロカビリー中心だったのに対して、RCAはロッカバラードなんかも採用し甘い目テイストにして全米に幅広く売ろうという姿勢が見られます。
あとSunとRCAでは録音技術もかわるのですよ。ハートブレイクホテルではっきり違うのがエコー(残響効果)です。Sun時代は「スラップ・バックエコー/Slap back echo」(3)という技術が使われていて、この時代のロカビリー・ロックンロール独特の残響効果を出していました。移籍後のRCAの技術者はこのエコーサウンドの出し方よく知らず、元々RCA社屋にあった「エコー・チェンバー/echo chamber」というエコーを録音するための巨大な部屋を使って録音したそうです(4)。「ハートブレイクホテル」のむちゃくちゃ響きまくっているサウンドの元はエコーチェンバーにあったのです。なお後年になると電気的にエコーを作れるようになったのでこの技術は廃れました。
本作は大ヒットしビルボード1位を獲得、200万枚も売れたそうです。プレスリーはこのあと次々ヒットを出してゆきます。はじめのうちは正統なロックンロールだったのだが、売るためなんでしょうかね、アイドル化して甘い目サウンドになっていくんですよ。あと映画出演したり1958-60年の兵役なんかでだんだんスタイルが変遷していくのです。
ロックンロール時代のプレスリー、皆様ぜひともお聴きになってください。(2025.10.1 院長)
(1)RCA: Radio Corporation of Ameriaは米国の電気通信機器会社。Victorレーベルでレコードを販売。
(2)Nashville ナッシュビル:カントリー音楽の聖地
(3)Slap back echoはテープレコーダー2台を使い、全く同じ録音をわずかな時間差で再生し再録音することで、音の時間差 (delay/ディレイ)を生み出し残響効果をだす。50年代のロカビリーなどでよく使われたサウンドです。
(4)Echo chamber:風呂場や教会等のホールに入ると音が響くのと同じ仕組みです。当時、大手レコード会社は映画音楽の効果音を作ったりする目的でエコーチェンバー室を建設していた。
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2025年
9月
17日
水
壁の飾りをかえました。
宙組『PRINCE OF LEGEND/ BAYSIDE STAR』宝塚大劇場2025年9月13日-10月26日
宙組トップスター桜木みなとさん大劇場お披露目公演です。宙組は宝塚の中で最も新しい組(1998年創設)で、そのためかこれまでのトップスターは他組出身の人が務めてきました。10代目にして初めて生え抜きトップが誕生し、関係者もファンも感慨もひとしおのことと存じます。
PRINCE OF LEGENDはLDHとのコラボ作品で過去にドラマや映画があったそうです。話としてはドタバタコメディであり深く考えずに楽しめる作品です。トキメキの渋滞ならぬ笑いの渋滞でした!桜木さんが元々王子キャラですからそれが良く生かされてぴったりだなあと感じます。水美さん演じるライバルの王子もキャラがぴったり!大変ダンスが上手い水美さんは筋肉自慢でもあり、演技中に見事な筋肉を披露されていました。またいろんな個性的チームが設定され、チームごとに役者がキャラ立ちしています。ですので若手の方にも面白い役割をつけてくれていて、隅々まで楽しめるのです。私が気に入っている設定は愛すみれさん理事長とその側近たち、軍服姿の波輝くんと鳳城くん、そしてドラァグクイーンの輝さんと嵐乃さん、いずれも有無を言わせぬ怪しさと迫力!チームNEXTの聖くんと風翔くんの爽やかな魅力、そして織史くんのキャラがエキセントリックで面白い。まだまだお話したいこともありますがこの辺にしておきます。
ショーはBAYSIDE STAR、横浜出身の桜木さんに合わせ、世界の港町をめぐるというものです。アメリカ西海岸の場面では、往年のアメリカンポップスがメドレーになっていてうれしい。また台北の場面では筒美京平先生の「恋の追跡」、風色日向さんを筆頭に亜音、大路、泉堂、奈央がつづいて躍る、色男たちの場面がめちゃめちゃカッコイイです。水美さん率いるロケットダンスも華やかだったし、荘厳な黒燕尾、デュエットダンス、そしてフィナーレと続きます。劇とショーを通じて10代目宙組トップスター誕生の祝祭ムードが伝わってきます。
皆様ぜひ桜木さんトップの宙組公演、機会がございましたらぜひともご観劇ください。(2025.9.17院長)
【追記】 音楽面で面白かったことです
プリンスオブレジェンドは全編通してパッフェルベルのカノンがテーマになっているのですが、80年代ポップスへのオマージュがちりばめられているのです
M01 プロローグ玄武高専テーマには アーハ「テイク・オン・ミー」 a-ha ”Take On Me”1985が使われています.。これBest Hit USAで大ヒットしていました!
M03 パッフェルベル・カノンのロック風アレンジ、これは完全に戸川純「 パンク蛹化(むし)の女」1984です。これって当時pistlesシド・ヴィシャスの"My Way"やスターリン遠藤ミチロウさんの「仰げば尊し」みたいにオールディーズをパンク・ニューウェイブの人がロック風に歌うってのがちょっと流行ってたんですよね。有頂天「心の旅」なんかもそうですね
NENAの"99 Luftballon"1983(ノインナノインツィッヒ・ルフトバロン、邦題:ロックバルーンは99)1983も入ってるんですよ。ネーナちゃんかわいかったなあ。
そしてストロベリー・スイッチブレイドの「ふたりのイエスタデイ」Strawberry Switchblade ”Since Yesterday” 1984 っぽいメロディーもあるような。 この曲は音楽だけでなく女子のファッションにも影響大でしたね
80年代ポップスへの愛情が詰まっていて胸熱でした。僕が把握している分でもこれだけあるので、まだまだ隠しアイテムがあるかもしれません 皆さん探してみて下さい。
(さらに追加) 雪輝れんや さんが演じるバンドマン・タイチが弾くギターに注目です。ギターはレスポール・モデルなんですがギブソン製(Gibson)ではなくエピフォン製(Epiphone)なんですよ。エピフォンはギブソンの子会社であり、同じモデルでも廉価版なのです。しかもストラップがフェンダー(ギブソンと双極をなす名門)というちぐはぐさ!(なお、新人公演後頃からギブソンのストラップに変わっていました)売れないバンドマンなのでありあわせってことなのかな?これも面白さ満点
こんな細かい演出も含め宙組Prince of Legend本当に楽しいです
2025年
9月
03日
水
壁の飾りをかえました。
山口百恵「イミテイション・ゴールド」昭和52(1977)年7月作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童。
山口百恵は73年5月(14歳)でデビュー以来、千家和也・都倉俊一コンビを中心としたアイドル路線でしたが、76年6月(17歳)宇崎・阿木「横須賀ストーリー」くらいから大人のテーマを歌う歌手として変化してゆきました。「イミテイション」はそれから1年後の発表、宇崎・阿木の大人路線の曲です。この路線は78年5月「プレイバックPart2」78年8月「絶体絶命」79年3月「美・サイレント」79年9月「しなやかに歌って」に継承されます。
とはいえ「イミテイション」発表時点で山口はまだ18歳。現代からするとこんな大人の歌詞を歌わせるなんて、昔の芸能界はなかなか無理をさせていたなあと思います。
曲調はロック、出だしはまるっきりエルビス・プレスリーの「ハートブレイクホテル」、その後の進行はベンチャーズ「ウォークドントラン」または「木の葉の子守歌」を思わせます。のちの時代に宇崎さんが演奏するバージョンには「木の葉~」のコード進行がはっきり出ています。またサビ部分のスピード感なんか、さすが宇崎さんロックの人だなあ、と感心します。アイドルにロックらしいロックの曲を書かれたのです。
70年代の歌謡曲は目まぐるしくて、ダウンタウンブギウギバンド、矢沢永吉、ツイスト、Char、桑名正博などロック・ミュージシャンが歌謡界に台頭したことは以前書いた通りです。一方で芸能界というのは売れるなら何でも呑み込んでしまう強かな側面があります。ロックが売れているのなら、アイドルに歌謡ロックを歌わせたら当たるでしょうということだったのでしょう。山口は73年5月デビューから本作77年7月まで18曲も出しています、80年10月の引退まで31曲。芸能界が1人のアイドルを消費し尽くした様子が窺い知れます。
なお前回の記事DTBWB「サクセス」が77年3月ですから、発表時期が近いです、この時代宇崎さんの音楽性が大きく花開く様子が見て取れるように思います。
なお、山口がTV出演するときにバックコーラス・ダンサーがつくのですが、このグループ名が「サクセス」でした。何かの偶然でしょうか。
宇崎さんの多才な音楽性、山口百恵の転換点、芸能界がロックを呑み込み、アイドルを消費する現象、など様々な示唆のある本作、ぜひご鑑賞してみてください。(2025.9.3 院長)
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2025年
8月
20日
水
お盆を過ぎましたがまだまだ暑いですね。当ブログ2025年夏の歌も3曲目です。
ダウン・タウン・ブギウギ・バンド「サクセス」昭和52年(1977)作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:千野秀一
前回の「燃えろいい女」1979年に続いて資生堂ソング。本曲は1977年資生堂「アクエアビューティケイク」のCMキャンペーン・ソングです。
これ元々はダウンタウン~(以下DTBWB)が演奏する予定でなく、CM曲制作だけの依頼だったのだそうです。しかしオーディションするもイメージに合うバンド・歌手が来なかったため、プロデューサー鶴の一声で、DTBWBが演奏することになったのです。
ラテンの超カッコいい曲です。疾走感のあるパーカッションとラテンギター、ゴージャスなブラスセクション。シンコペーションを多用した複雑なリズム、と思えばサビ部分「待たせたね~」「ここまで来たらサクセス」でははっきりとした譜割でキャッチーさが出て、クッキリ印象が残る仕組み。間奏ギターはサンタナみたいに唸りまくる。もう何もかもがカッコイイ。
それまでのDTBWBはブギウギやブルース、ロックが中心でした。元々他のミュージシャンが演奏すること前提で作った曲なので、彼らはそれまでと違うサウンドを演ずることになったのです。結果的に彼らのイメージチェンジにもなったし、サウンドの幅が広がったわけです。
当初、資生堂としては、女性の化粧品CMに硬派でDTBWBを起用するのに反対していたそうです。だって見るからに怖そうで男臭いですから、イメージ全然違う。しかし蓋を開けてみると大反響だったのです。資生堂はこのあと78年矢沢永吉「時間よ止まれ」、79年ツイスト「燃えろいい女」とロック系ミュージシャンを夏に起用します。
B面の「愛しのティナ」はCMに出演したモデル、ティナ・ラッツさんをイメージした曲。これまでのDTBWBのハードなイメージを覆す、爽やかなアメリカンポップスの佳曲です。
皆様、サクセスをお聴きになって残暑を吹っ飛ばしてください。(院長2025.8.20)
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2025年
8月
06日
水
壁の飾りをかえました。
月組GUYS AND DOLLS 宝塚大劇場2025/7/26 ~9/7
原作は1950年のブロードウェイ・ミュージカル、大ヒットし、1955年にMGMから映画版も出ました。マーロン・ブランド、フランク・シナトラ、ジーン・シモンズ、ヴィヴィアン・ブレインが出演。宝塚版は1984年(月組、主演:大地真央)、2002年(月組、紫吹淳)、2015年(星組、北翔海莉)で再演。今回4回目の再演です。私は2015年のを見たことがあります。今回は旧作と歌詞やセリフなど含めて構成を変えているようです。
主役スカイ・マスターソン(鳳月杏)と娘主演サラ・ブラウン(天紫珠李)、そしてネイサン(風間柚乃)とアデレイド(彩みちる/彩海せら、ダブルキャスト)、2組の男女の恋物語を軸に話が進んでゆきます。
今の月組はトップさんはじめ渋男(シブメン)だらけ。「芝居の月組」と言われるだけあって、演技が細部にわたり凝っています。
トップスター鳳月さん熟練の演技、長い脚、そして男役の色気、カッコイイですね。天紫さんのサラは、まじめすぎて勘違いなところをしっかり演じて、他方ハバナで羽目をはずして酔っ払ったりして可愛いですね。院長が大好きな風間さん演じるネイサンもシブい。ダメ男っぷりが見事です。そして心の底ではアデレイドを愛しているのも良く伝わってきます。アデレイドとのやり取りがコミカルな面を加えてくれるのです、笑わずにいられない。
さてこの劇、脇を固める役者たちも見ものなんです。賭博場を取り締まるブラニガン警部、佳城葵さんの演技、この人はシブい、強面の刑事の面あり、少々バツの悪い場面など、絶妙な間の取り方、目配りをされるのです。あとシカゴからやってくる凄腕ギャンブラー、ビッグ・ジュール英かおとさんは長身でスッキリ、もっとイカレたギャンブラーっぽくやってもさらに面白くなるかもしれません。
ギャンブラーはスーツ男役たち、みんなカッコイイ。群舞は壮観です。ハバナ場面の客席降りも華やかで宝塚らしい。恋、ギャンブル、友情と面白要素たくさんです。
皆様、機会がありましたらぜひ月組ガイズ&ドールズご観劇になってください。(2025.8.6院長、事務長)
まきの内科クリニックは2025/8/11~8/17 お休みさせていただきます。8/18から通常診療いたします。みなさま厳しい暑さの中くれぐれもご自愛ください。
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2025年
7月
23日
水
壁の飾りをかえました。
ツイスト「燃えろいい女」昭和54年(1979)4月、作詞・作曲:世良公則
暑い、それにしても毎日暑すぎる。今回も夏向きの歌にしました。世良公則さんの曲です、資生堂 '79サマーキャンペーン・ナツコの夏キャンペーン・ソングでした。確かモデルは小野みゆきさん。エキゾチックな顔の女優さんだった。この当時、化粧品会社の資生堂とカネボウとコーセーが季節ごとにキャンペーンソングを打ち出して、テレビCMを流しまくり、各社対決するという構図がありました。もちろん歌もタイアップでヒットしたのです。
世良さんのブルースでワイルドな歌唱がほんとスゴイ、そして派手なアクション、マイクスタンドを振り回すんですよ!よく覚えています。
この77-78年頃、ツイストをきっかけに日本語によるロックが流行したのでした。元々74-75年にダウンタウンブギウギバンドの本格ロックがはやり、矢沢永吉のキャロルも知られたのですが、何せ当時フォークとニューミュージック全盛時代だったのでロックはしばらく鳴りを潜めていました。しかしニューミュージックの勢いが少し弱まってきたた77-78年、そしてアイドル歌謡は2-3年後80年から爆発。このぽっかり空いたスキマ時代に世良公則&ツイストのロックが流行したのです。そして同時期にロックが次々売れ始めるわけです。Charさん、原田真二さんもヒットした、ゴダイゴもいました。78年にはサザンオールスターズがデビュー。クリキンや桑名将大さんもロックでした。この時代、TVのザ・ベストテンも後押して新しい音楽の布教活動しました。
日本のロックの黎明期がGS時代とすれば、商業ベースで日本語ロックが本格的に流行したのはこの辺なのだと思います。
皆様暑い夏には、ツイスト世良公則さんの熱いボーカルを聴いて涼をおとりください。そして日本語ロックが流行り始め、そして化粧品キャンペーンで音楽がヒットした、あの時代に思いを馳せていただけたら幸いです。(2025.7.23院長)
2025年
7月
02日
水
壁の飾りをかえました。
美空ひばり「真赤な太陽」昭和42年(1967)5月作詞:吉岡治、作曲:原信夫、編曲:井上忠夫
暑い!毎日暑すぎる!
もともと梅雨向けのレコードを準備していたのですが、6月内で梅雨が明けてしまいボツになりました。
そして暑い夏にはエレキです!ワンパターンですみません。
この曲、美空ひばりがGSを歌うなんて、異色の作品といわれることがあります。しかしながら当時までの美空ひばりのキャリアを考えると、不思議なことでないのです。彼女は少女歌手時代から、上手すぎて何でも歌いこなしていたのです。実際ディスコグラフィーをみますと、そのレパートリーは実に豊富です。通常の流行歌、ロカビリー、スイング、ブルース、マンボ、ドドンパ、ツイスト、浪曲、民謡・・・その時代で流行っているもの(1)はどんな分野でも歌いこなす、そして最終的にひばり節で仕上げて聴かせる、これが美空ひばりのワン&オンリーな魅力なのだと思います。
1964「柔」1966「悲しい酒」くらいから、今でいう「演歌」イメージが定着してしまった気がします。
ともあれ、この曲は当時のGSブームに乗っかった作品ですね。140万枚も売れたそうです。バックの演奏がブルーコメッツという点もシブい。
GSファンからすると、それらしく聴こえないのですが、それは主に3つの理由からでしょうか。作曲の原信夫(シャープスアンドフラッツ)がジャズを提供するつもりで書いた。バック演奏のブルーコメッツが、サックスが入っていたり、大人向けであったりしてGSの中心からやや遠いところにあるのです。あとは美空ひばりの声が上手すぎてかえってGSに合わない。そんなところでしょうか。
この時代の日本ポップス特有の、何でも合わせてみるチャレンジング精神が感じられる名作だと思います。
皆様、美空ひばりのエレキ歌謡をお聴きになって暑い夏を吹き飛ばしてください。 (2025.7.2院長)
(1)1958「ロカビリー剣法」(ロカビリー)、
1959「恋を待つならバス・ストップ」(スイング)、
1960「さのさブルース/ロカビリー芸者」(ブルース)、「泣き笑いのマンボ」、
1961「すたこらマンボ」、「ひばりのドドンパ」
1962「ひばりのツイスト」など
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2025年
6月
18日
水
壁のかざりをかえました。
花組公演 「悪魔城ドラキュラ/愛, Love Revue!」2025年6月7日〜7月20日
劇は、コナミのゲーム「悪魔城ドラキュラ」が原作。衣装などがゲームキャラっぽくて面白いです。主人公アルカード(永久輝せあ)は長髪で見目麗しいビジュアル。設定は400歳、ドラキュラ~バンパイヤの話なので「永遠に生き続ける」苦悩が描かれるという(似たような話、以前にも花組で観たことある気がするが)。ドラキュラ伯爵の演技も見せ方も、さすが専科の輝月ゆうまさん。聖乃さんのリヒター鉢巻姿はなんちゃらファイターみたい。魔物たちは弱くて割と簡単にやっつけられる感じです。戦いのシーンは原作ゲームを再現したのでしょう、攻撃の際の火花や召喚聖獣などの映像と打ち込み楽曲・効果音が目立ちます。これは実際のゲームやっていた人にとってはかなり面白いかもしれません。
ショーは「愛,Love Revue」、岡田敬二先生のロマンチックレビュー傑作集(寄せ集めともいえます)。懐かしの名曲が存分に堪能できる=新鮮味はない…かもしれません。しかし!これこそがタカラヅカです。優雅で華やかで格調高いなのがロマンチックレビューなのです。
今回私のお気に入り場面です。
第6章「愛の誘惑~Another Day in Paradise ~Bad Power~Gigolo」初演1990年ル・ポアゾン剣幸さんからの再演。特に男役群舞のBad Powerの迫力は圧巻です。これを大劇場で大人数口で生で観られる日が来るとは感涙。とくに上手側、紅羽真希、愛乃一真のダンスに注目していただきたい。そしてジゴロの歌手3人娘の1人105期湖花詩(最下手・青ドレス)前作ジュビリーでエトワールを務め、今回さらに歌ウマに磨きがかかっています、今後も注目です。
そして、第8章「熱愛のボレロ」94年ラ・カンタータ紫苑ゆうの再演。白燕尾とボレロの美学!永久輝さんの歌も顔もよい。そして特筆すべきは輝月ゆうまさんの貫禄、そして包容力を感じる目線。娘役とのダンスが優美です。
あとは「第4章追憶の唄」男役たちが左右の額縁から出てきて永久輝さんと踊るんだが、下手から出て踊るダンサー愛乃一真のキレのあるダンスは必見です!ほんとうに上手いから目が追ってしまいます。ぜひともオペラグラスで追っていただきたい。
見どころいっぱいの花組公演。機会がございましたらぜひご覧になってください。(2025.6.18 事務長、院長)
2025年
6月
04日
水
壁のかざりをかえました。
三木聖子「まちぶせ」昭和51年(1976)作詞・作曲:荒井由実(1)、編曲:松任谷正隆
さてこの曲、前回の「Comment te dire adieu (邦題:さよならを教えて)」と譜割り、コード進行が似てるんですよね。ユーミン自身がフランソワーズ・アルディのファンであり「私のフランソワーズ」という曲を作ったほどだったことも合わせると、おそらく「さよならを教えて」をもとにして作曲したのだろうと言われています。
オリジナル歌手は三木聖子さんです。「三木の実体験をユーミンが聞き取り歌詞を書いた」と言われているそうです。
歌詞内容は、少女の恋心を描いたものです。そこには執念といってよいほどの激しい気持ちが描かれています。当時のアイドルは可愛いことが必要だったわけですが、ここまで濃厚な感情を歌わせるのは珍しかっただろうなと思います。さらに三木さんの歌唱もスゴイ、切実な情熱が伝わってくるのです。
なお、おそらく皆様がご存知なのは石川ひとみ(昭和56年1981)版の方だと思います。石川ひとみ版の方がヒットした(2)のですが、歌唱は異なり可愛い少女のイメージでした。
清楚なイメージのアイドル三木さんは1975年4月デビューし、3枚のシングルを出しますが、のどの不調などもあり1977年5月に芸能活動を休止・引退しました。
皆様、ユーミンが書いた情念の曲、機会があればぜひ三木聖子さんの歌唱で一度お聴きください。 (2025.6.4 院長)
(1)歌謡曲ファンでない方に補足しますと、「ユーミン」「松任谷由実」さんのことです。
(2)三木聖子 オリコン最高47位、石川ひとみ オリコン最高6位
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2025年
5月
21日
水
壁のかざりをかえました
フランソワーズ・アルディ Françoise Hardy "Comment te dire adieu"邦題「さよならを教えて」1968年 作詞:Serge Gainsbourg, 作曲:Arnold Goland
以前取り上げた辺見マリ「ダニエルモナムール」はフランス風歌謡曲だったのですが、まあ本物のフランス語ほどフランスっぽいものはないわけです。
とりわけこの曲は詞にフランス語の特徴が生かされているのです。
さて本曲はもともとArnold Goland & Jack Goldが書いた"It Hurts to Say Goodbye"という英語の曲だったそうです、マーガレット・ホワイティングのアルバム『The Wheel of Hurt』1966が初出、1967年ヴェラ・リンのカバーがヒットしたということです。
このあと何人もカバーを出し、1968年フランス語歌詞をセルジュ・ゲンズブールがつけたのが、フランソワーズ・アルディの"Comment te dire adieu"なのです。
原曲よりもアップテンポで軽やか、そしてアルディの持つアンニュイな雰囲気がとてもおしゃれ。
楽曲も歌唱もいいのですが、とりわけこの曲はゲンズブールの歌詞にも注目していただきたい。
韻の踏み方がスゴイのです!しかもこの音韻はフランス語ならではのものなんです。
歌詞の節の中と終わりに無理やりといえるほど"x"を使い、その発音が1回目はks(クス)、2回目がフランス語特有のoe(イウとかウーみたいな音)に合わせてるんです、しかもつづりは"x"でも読まない(黙字)という所もフランス的です。例えば歌詞の1行目 prétexteプレテクスト~veuxヴー、2行目réflexesレフレクス~malheureuxマルルー、 3行目expliquesエクスプリク~mieuxミュー、4行目xなし~adieuアデュー。
他の部にはréflexesレフレクス、expliquesエクスプリック、silexシレックス、pyrexピレックス、 perplexeペルプレクス、kleenexクリネックスなどなど。
ゲンズブールの超絶技巧が光るフレンチポップの傑作、皆様ぜひフランス語の歌詞も合わせてご鑑賞ください。 (2025.5.21院長)
2025年
4月
30日
水
壁のかざりをかえました。
星組「阿修羅城の瞳/エスペラント」宝塚大劇場
トップスター礼真琴さんの退団公演です。礼さんは若い頃から長年星組を支えてきました。
芝居は劇団☆新感線の和物アクションです。礼さん、とにかく殺陣が盛りだくさん。斬られまくり倒れまくり、出ずっぱりです。
複雑そうにみえて単純な活劇。主役出門(礼真琴)と、つばき(暁千星)、邪空(極美慎)、安倍晴明(ひろ香祐)の心情をおさえておけば難しそうな設定をわからずともついていくことができました。所々ファンタジー的展開もあり宝塚的でした。
シリアスな話の流れの合間に、笑い要素がはさまれています。鶴屋南北(組長さん)、俵蔵(輝咲玲央)、桜音(詩ちづる)が活躍!礼真琴さんと彼らとの掛け合いが良かった。
ショーは生田大和先生の作品、なので耽美・幻想・精神世界。ストーリー仕立てなのですがやや難解場面もあり。
初舞台111期生たちのロケットはタップダンスで、お稽古大変だっただろうなあと思います。これから皆さんがんばってね。
男役群舞、シンプルな黒燕尾よかったなあ。娘役はべらかしから、総踊り、そしてV字歌いから、礼真琴さんソロ踊り。最後に舞台に掌をつくシーンに感涙しました。今回の礼さん退団は相手娘役がいません、単独退団だからこそできる、感動の構成。ファンも星組組子も礼真琴さんに全集中する熱気が伝わってきます。
皆様、機会があればぜひ星組トップスター礼真琴さんの退団公演をご観劇になってください。 (2025.4.30 事務長・院長)
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2025年
4月
16日
水
幸福の木ドラセナに花が咲きました。6年ぶり3回目です。正式名称 ドラセナ・フラグランス・マッサンゲアナといいます。2013年開院のお祝いにいただいた木です。2016年2月と2019年2月に花をつけました(当時のブログはこちら2016年2月、2019年2月)。開花するのは数年に1回で珍しい現象です。日没になると白い小さな花がたくさん開き、ユリのような香りが部屋いっぱいに拡がります。朝になると閉じます。今回はあまりたくさんは花開きませんでした。生育環境が苛酷な時に何とか子孫を残すために開花するという説もあります。木が弱らないようしっかりお手入れしようと思います。 (2025.4.16院長)
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2025年
4月
01日
火
壁の飾りをかえました。春なので軽快なフレンチポップにしました。
辺見マリ「ダニエル・モナムール」昭和44年(1969)作詞:安井かずみ 作曲:村井邦彦、編曲:川口真
辺見マリさんのデビュー曲です。辺見さんはセクシー歌謡という文脈で語られがちですが、よく聴いてみるとフレンチポップの良作だなあと思います。なにしろ題名"Daniel, Mon Amour"で、Mon(モン=私の)のnと、Amour(アムール=恋人)のAがつながってモナムールと発音するところからしておフランスでお洒落。
歌詞はとりとめもない内容です、安井かずみさんにしてはひねりがない。"Je t'aime"を繰り返しているあたりは、セルジュゲンズブールの"Je t'aime, moi non plus"を意識していると思われます。歌詞カードをみるとフランス語とひらがなだけです。カワイらしさやたどたどしさを狙ったのでしょうか?19歳デビューの若い歌手によく合っていると思います。
サウンドはまさに当時のフレンチポップ。スリーシンガーズのスキャットコーラス、バックのストリングス&ホーンセクションも相まって60年代後半~70年代前半の空気を醸し出しています。そしてベース・サウンド、弾いているのは院長の大好きな江藤勲さんだと思います。ズシンと重いビートにピック弾きのパチパチいう音が特徴。これも60年代らしいサウンド!
60年代後半はフランス・イタリアから影響を受けた歌謡曲がたくさん作られていました。シャンソン、イエイエ、カンツォーネなどですね。同時代的にはGSがあり、初期の演歌もあり、そして並列してこういったヨーロッパ系サウンドが流行っていたわけです。その後だんだん英米系スタイルに押されていくのですけど。
ともあれ60年代にこうやって完成度の高いフレンチポップが既にあったのです。1990年代の渋谷系フレンチのはるか昔です、というより渋谷系自体が「60年代を見直そう」的な発想から始まっていたわけですけど。
皆様、このヨーロピアンな名作、ぜひともお聴きください。なおB面の「ふりむかない季節」もヨーロピアンテイスト満載。ブリジッド・バルドーの歌みたいでおしゃれです。こっちも聴いてください。(2025.4.1 院長)
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2025年
3月
19日
水
壁の飾りをかえました。
雪組「ROBIN THE HERO/オーヴァチュア!」宝塚大劇場2025.3.12〜4.13
雪組新トップ、朝美絢さんの大劇場お披露目公演です。
「ROBIN THE HERO」 斎藤吉正作。ドタバタファンタジーで話はわかりやすいです。朝美絢さん(ロビン)主役は復讐もの、身分を隠して義賊になる話(遠山の金さん、暴れん坊将軍系)。そしてヒロイン夢白ちゃん(マリアン)との恋。朝美・夢白の組み合わせは美しいです。さらに縣千(ウィル・スタートレイ)の正義と忠誠心。悪役ガイ・ギズボーンは瀬央さんならではの悪者っぷりを堪能できます。
シリアスそうかと思えばコメディの部分もあります。朝美さんと夢白さんの体が入れ替わるという場面があるのですが、この部分、ストーリーの大筋からすると、なくても成立する気がします。でも、こんな設定で二人とも芝居がスゴイ、演技の幅が広くて何でもできるなあ!と感心しました。ネタを詰め込みすぎた感もありますが、お披露目なのでたくさん魅力を知ってもらおうということなのでいいと思います。
「オーヴァチュア」三木章雄作
楽曲はハードロックに始まり、ファンク、ポップス、ロカビリー、ロックンロール、そしてスイング、ラテン、クラシックとバリエーション豊かです。難しい目の曲が多かった気がします。御披露目なのにデュエットダンスなしで朝美さん単独のフィナーレダンス。これは不思議、デュエット観たかったな。一応二人組の踊りもあったからいいのかな。そういえば男役群舞もなかったような、これもちょっとさびしい。代わりに夢白さんと縣千さん率いる限定メンバー男役黒燕尾。瀬央、縣、華世の銀橋場面よかった、このらしい3名の放つ男役パワーを感じました。縣さんはダンス本当に上手、バレエスタジオのダンス対決的な場面があるのですが、ここは見ものです。
観劇した日は院長の推しベーシスト梶山伊織さんが演奏、熱いビートを繰り出しておられました。ロカビリー~ロックンロール、そしてジャズ・スイング(ショーOverture)よかったし、ファンクベース(瀬央、縣、華世の銀橋場面)がめっちゃカッコよかったのです、ぜひ聴いてください!
そういうわけで新トップコンビ雪組の公演、機会がありましたらぜひご観劇ください。 (2025.3.19院長、事務長)
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2025年
2月
26日
水
壁の飾りをかえました。
都はるみ「北の宿から」昭和50年(1975)作詞:阿久 悠、作曲:小林亜星
ここ数回「演歌」の歴史について検証しています。
「演歌」という用語、概念は昭和40年(1965)頃から使われ始めました。
65年「函館の女」なんてヨナ抜きながら演歌というよりアメリカンポップ要素が多く、69年藤圭子「新宿の女」はアウトローなイメージ、71年「よこはま・たそがれ」はポップス的、「わたしの城下町」は「美しい日本」「清廉な女性」というクリーンなイメージ、と色々実験を繰り返していたわけです。
しかし75年頃になると、演歌のイメージは固定化されつつあるということが見て取れます。取り扱うテーマは「寒い北国」「耐える女性」「男女の別れ」「夜の盛り場」「ひとり旅」などなど。
阿久悠の詞はその演歌イメージを表しているように見えます。なお「別れた男性のセーターを編む」というのは別れに決着をつける儀式であり、「死んでもいいですか」は自嘲気味のひとり芝居というイメージで「僕は強い女を書いたつもりだった」とのことです(1)。
なお楽曲は典型演歌調ながら、小林亜星の技が随所に見られます。楽譜を見ますと、ヨナ抜きでもニロ抜きでもなく、通常の短調です、原曲キーF#mは悲しさを演出するには良いそうです。小林亜星によると「ヒット曲の秘訣として、歌い出しは平坦なリズムを繰り返し、サビの部分で一か所だけ高い音の山を築くことだ」(2)ということなのです。なるほどその通り。この曲前半は繰り返しです、とはいえ「寒さがつのります」の所はIVの代理コードでVI→VIIそしてIの代理でIIIを使い不安・緊張感をつくっています。
そしてサビの「あなた恋しい」で一気に高音、そしてラストの「北の宿」ではツーファイブ(IIm7→V7→I)進行!で見事に翳りある締めを演出。なおこの西洋短調音階+ツーファイブは「津軽海峡冬景色」でも使われているのです。
都はるみの歌唱もこの曲に抜群に合っております、力強いこぶし、うなり、そして高音、すばらしい。
この時期75年頃が、だいたい「演歌」のイメージ出来上がってきて、そして演歌以外の歌謡曲(アイドル、ポップス、フォーク、ニューミュージック)から離れていった時期なのだと思います。
だってそうじゃないですか、夜の盛り場、酒、耐え忍ぶ女性なんてテーマ、若い人の生活には関係ないので共感されませんよ。当時は若年者の数もむちゃくちゃ多かったし購買力も大きかった。レコード会社としては若者マーケットはアイドルやフォークなどに任せ、「演歌」については中高年対象にターゲットを絞ったということなのでしょうか。このあと「演歌」は固定化し独自の発展をしてゆくことになります。
皆様、今でいう演歌イメージが固まってきたころの名唱、機会がありましたらぜひお聴きください。しかしやはり寒い冬はステレオタイプに「演歌」の気分なのかもしれません、今年は特に寒かったからね。春になったら演歌はいったんお休みにしようと思います。 (2025.2.26院長)
(1)Wikipedia 「北の宿」から、 阿久悠 『愛すべき名歌たち』1999年 岩波書店
(2)刑部芳則『昭和歌謡史』2024年 中公新書 p.330
カテゴリ 音楽
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2025年
2月
12日
水
壁の飾りをかえました。
小柳ルミ子「わたしの城下町」昭和46年(1971)4月作詞:安井かずみ、作曲:平尾昌晃
「演歌」という言い方は1969年頃から広がり始め、アウトロー的テーマを持っていました(例:藤圭子)。のちに演歌という概念が集約され固定化が進むのですが、そこに至るまで、演歌は多種多様な実験的試行を繰り広げました(例:71年「よこはま・たそがれ」ポップス演歌)。
今回は71年「わたしの城下町」が演歌であることと、そこにある実験的側面を検証してみます。この曲を演歌でないと感じる方もいるかもしれません。でもそれこそが実験が成功したことの証なのだろう思います。。
まず演歌的な要素。メロディーはAm(イ短調)のヨナ抜き音階、ただし厳密には四番目の音D(レ)が3回だけ登場します、G(ソ)は0回、なので「ほぼヨナ抜き」。コード進行は基本のI-IV-V-Iタイプ。歌詞の載せ方は七五調が中心。歌唱はコブシ(「歌うのか」「城下町」の部分)や節回し(「夕焼け」の部分)を含んでいます。これらをみるとやはり演歌だと思います。
これに対し非演歌的要素です。まず歌詞のテーマ。典型演歌は、夜の盛り場、男尊女卑的な女性性、といったダーディー・イメージを扱ってきたのですが、本曲では、「美しい日本」「清廉な女性」というクリーンなテーマなのです。そして楽曲は、三段目の崩し方がポップス的であります、特にベースラインをよくお聴きください。また使用楽器に12弦ギターが使われていてロック・ポップ要素を感じます。
当時国鉄の「ディスカバージャパン」(1970年10月~)のイメージと重なってヒットしました。何と150万枚も売れまして、71年第22回NHK紅白にも出場しました。小柳ルミ子さんはこのデビュー曲で大ヒットしたばかりに、このあと7-8年も同じ路線(旧き美しき日本をたたえる、清楚な女性)で売られることになりました。彼女にとっては芸風を限定されることになって、後々影響があったかもしれません。まあ、この「旧き佳き日本」的歌謡曲が一度当たりますと、レコード会社も商売ですから、量産されてひとつのジャンルに成長することになります。
ともあれですね、いい曲であることには違いありません。演歌が多様な道を模索し実験を繰り返したころの名作、ぜひもう一度お聴きください。(2025.2.12 院長)
2025年
1月
29日
水
壁の飾りをかえました。
五木ひろし「よこはま・たそがれ」昭和46年(1971)3月 作詞:山口洋子、作曲:平尾昌晃
前回までの話:演歌というジャンルは1969年藤圭子の頃は、アウトローなテーマを持った。その後大衆に消費されるなかで徐々に様式美となり、演歌という概念の固定化が進んだ。1972年「女のみち」や「涙の操」のようなパロディソングが流行したのは、演歌の概念が集約されてきたことの表れの一つである。
さて、1969年から72年に至るまでの間に発表されたのが、「よこはま・たそがれ」なのです。楽曲は、必ずしも演歌的とはいえなくて、ポップス路線に聞こえます。よく聴いてください、ベースなんかだいぶとビートが利いています。そして、音階がヨナ抜き五音階(参考:函館の女)ではなく、自然短音階なのです(参考:津軽海峡冬景色)、これがちょこっと洋楽ポップス的になる理由なのです。
五木ひろしさんの声質が演歌向きなので、(今でいう)演歌らしく聞こえてしまうのですが、本曲での歌唱では、こぶしや熱唱は導入せず、むしろ抑えめでドライな歌い方と言えます。そしてこのドライな印象になるのは、もうひとつ理由があって、歌詞に仕掛けがあるんですね。句の字数が、4-4-7なのです。典型的演歌は5-7調なのでちょっと違う印象を創ります。さらにフレーズ前半を名詞止め(または体言止め)にして、ぶっきらぼうな感じを出すのです。
この時代の演歌は、まだスタイルが凝り固まっておらず、実験的な要素があった、まだ演歌が自由であった頃、と言えます。五木ひろしとしての4枚目1972年5月「待っている女」や5枚目1972年9月「夜汽車の女」なんて演歌というよりポップスです。
皆様そのような耳でもってぜひこの五木さんの名作をぜひお聴きください。(2025.1.29 院長)
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2025年
1月
08日
水
2025年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
早速ですが、壁の飾りをかえました。
宙組「宝塚110年の恋のうた/Razzle Dazzle(ラズル ダズル)」宝塚大劇場2025年1月1日〜2月2日
お正月に観に行きました。色々ありました宙組ですが、今回はトップスター芹香斗亜さんの退団公演です。
宝塚110年の恋のうた、は新春らしい和物ショー。歌人・藤原定家(芹香さん)が内親王(春乃さくらさん)に恋心を持つ者ものの煮え切らず悩んでいるところ、八千代(わざおぎ=古語で俳優の意)の桜木みなとさんが様々な舞台に連れてゆき定家を励ますストーリー。宝塚110年分の宝塚作品の恋のうた名場面を歌い継いでゆくもので、クラシック宝塚ファンには見ごたえある内容なのです。昔の宝塚を知らずとも楽しいショーです。宙組としては和物は2018年白鷺の城以来で、皆様の白塗りお化粧が久しぶりです。始まりのチョンパから大階段の平安貴族たち優雅でした。芹香さん、すっきりした出で立ちで和物が似合いますね。そして桜木さんらしい演技・セリフ回しも良かったです。
芝居はRazzle Dazzle1950年代ハリウッドが舞台です。芹香さん演じるレイモンドは好青年。長い二番手時代、アクの強い役が多かったので、かえって新鮮でした。芹香さん得意のユーモラスな芝居もあって楽しかったです。
そして瑠風輝さんのシャーリーン(女優役)、これは本作の見どころです。高身長の瑠風さん、ゴージャスなハリウッド女優のオーラが出まくりです。そして歌が上手い!これは宙組最後でいいお役だと思います。芝居達者の若翔りつさん、映画監督のテイラーを渋く演じます。宙組はスター男役がぎっしり詰まっているのですが、鷹翔、風色、亜音のスター達が映画エキストラの役とは何とも贅沢な配置です。
これから宙組の世代交代が起こるのだと思いますが、それを予感させる若手の方々も楽しみです。
105期大路君や泉堂君は既に人気、ショー・芝居ともペアーで活躍していました。院長推しの聖君も和物でキリっとした顔立ちがノーブルです、そしてダンス巧者で眼をひきますね。106期の郁いりや君も男役らしさあり、シブくていい芝居するんですよね、そしてロケットで美脚ダンサーです。波輝瑛斗くんは長身を生かしたダイナミックな踊りが魅力。107期の風翔夕くん、表情豊かで観ていると何だか明るい気持ちになれるのです。ぜひ双眼鏡で見つけてハッピーになってください。
すべてを書ききれないのですが、魅力いっぱいの宙組、これからも楽しみです。皆様、機会がございましたらぜひ宙組の舞台をご覧になってください。
カテゴリ 宝塚歌劇
2024年
12月
18日
水
壁の飾りをかえました。
宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」昭和47年、作詞:宮史郎、作曲:並木ひろし
昭和47年(1972)演歌の大ヒット曲です
ジャケット写真、赤スーツ3名がトリオです、向かって左が作詞&ボーカルの宮史郎、中央がギター宮五郎(史郎の兄)、右が作曲の並木ひろし。そう、この歌は曲作りもレコード作り・販売も自主制作だったのです。音曲漫才トリオとして活動、10周年記念に本曲を制作、300枚プレスしキャバレーなどの営業で手売り、そして有線放送をきっかけに人気大爆発。オリコンデータによると325.6万枚売れたそうです。1972年、73年連続で年間売り上げ1位の大記録を立てました。
それにしても、歌詞、曲、歌唱すべてが演歌的です。詞は当時としても既に時代錯誤な世界。歌唱はダミ声と過剰なまでのこぶし、ビブラートを利かせています。作曲も典型的旋律と楽器構成。そう、この曲は元から演歌の特徴的な形式だけを取り出した、いわばパロディ曲として作られたのだと考えてよいでしょう。
演歌というジャンルは1969年藤圭子の頃は、アウトロー的なテーマを持ち、体制に抵抗する若者からアンダーグラウンドな支持を得て、最先端の文化のひとつでありました。その後演歌は大衆に消費されるなかで徐々に様式美となってきたわけです。パロディ的な曲が作られることがそのことを示しています。なお「女のみち」スタイルは「ド演歌」などと言われることもあります(1)。
同時代の日本ポップスと並列してみると、67-72年頃はGSの流行があり、また洋楽を取り入れたポップな歌謡曲も多く生まれ、日本のポップスが洋楽的視座からすると大きく進化してゆく時代でした。他方ではこのあたりの時代から「演歌」だけが切り離され独自の発展をしていったと言えましょう。
さて、ジャケットの写真、前列紺色スーツ2人の紳士は誰なのでしょうか?「トリオ」なのになぜ5人?実はこの2人、単なる店のお客さんだったそうです。「女のみち」をメジャーのコロンビアから出すことになり、急いでジャケット写真を送らねばならず、急遽営業先の店でお客さんと撮った写真だそうです(2)。お客さんはまさか320万枚も顔を晒されるとは思っていなかったでしょうね。
皆様ぜひ「女のみち」をお聴きになって、「演歌」の進化過程につき思いを馳せてください。
2024年もブログにおつきあいくださりありがとうございました。皆様よい年末をお過ごしください、そして幸せな新年をお迎えください。2024/12/18(院長)
(1)同様のスタイルでヒットしたのが73年殿様キングス「なみだの操」。
(2)チャッピー加藤「昭和レコード超画文報1000枚」2021年、出版社:303BOOKS
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2024年
12月
04日
水
壁の飾りをかえました。
藤圭子「女のブルース」昭和45年2月5日 作詞:石坂まさを、作曲:猪俣公章
日本ポップスの歴史の流れの中で「演歌」というのは昭和40年頃から作り出された概念あるいはジャンルなのです。大きな流れで言うと戦後歌謡曲が色々な系列を派生したわけです、洋楽ポップス系、ラテン系、青春もの、民謡もの、浪曲ものetc.その中でレコード会社が売り出すための戦略として「演歌」というキーワードを創り出したのです(1)。「演歌」が生み出された経緯について詳しくは大阪大学文学部教授の輪島裕介先生の書物「作られた「日本の心」神話 光文社新書2010年」をぜひ読んでください。
藤圭子さんは、ちょうど「演歌」が出始めたころの大ヒロインです。時代は学生運動が盛んな頃、若者たちから藤は支持を受けました。まず彼女の不幸な来歴が理由の一つです。彼女の両親は旅の浪曲師、旅回りの巡業に連れられ貧しい生活であったと言います。後のマネージャー石坂まさをに見いだされ、昭和44年18歳でRCAビクターから「新宿の女」でデビューしました。そして当時としては例外的な売り出し方も共感を得ました。当時のレコード会社の専属制度から逸脱しマネージャーが作詞作曲し、新宿のレコード店や飲食店で手売りキャンペーンを行っています。これが体制に抵抗する若者たちの姿と重なり共感を得たのです(2)。歌のスタイルはご存知の通り、こぶしと唸りそしてドスの利いた歌声で彼女にしか出せない味です。女の悲哀、やるせなさ、怨念を歌う。これがアウトローの悲哀に繋がったのも共感を得たのです。
1stアルバム「新宿の女」は20週連続1位、2ndアルバム「女のブルース」は17週連続1位。また五木寛之の小説「艶歌」に登場する少女歌手が藤圭子のようであり人気を後押ししたと言われます。さらに同時期、若者のカウンターカルチャーを体現していた「少年マガジン」に藤圭子は2回表紙を飾っています(昭和45年10月18日43号と46年3月14日11号)。画像をみるとポップアートになっているのです。まさに時代のアイコンであったわけです。
皆様機会がありましたら最先端であった藤圭子さんの「演歌」をぜひお聴きください。(2024.12.4院長)
(1)ただし演歌という言葉は新語ではなく、元々別のものを指していました。
(2)刑部芳則「昭和歌謡史」中公新書2024年
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2024年
11月
20日
水
壁の飾りをかえました。
月組「ゴールデン・リバティ/PHOENIX RISING」宝塚大劇場
トップスター鳳月杏さん、娘トップ天紫珠李さんの大劇場お披露目公演です。
「ゴールデン・リバティ」は西部劇仕立てになっていて、その中に古き良き時代のアメリカ・ミュージカル映画の要素が織り込まれて、楽しく見れる作品でした。
鳳月さんは入団19年でトップ就任。芝居巧者、歌唱上手、男役の色香、そして超絶に脚長スタイルとなんでも揃った貫禄です。天紫さん、大柄で華やかで鳳月さんとの並びが様になっています。
院長の好きな風間柚乃さんが2番手になられました。風間さん、本当に何でもできる方です、いい芝居をされるのです。
さすが「芝居の月組」で皆さん演技の作り込みが深い。西部劇では緊迫感やスピードが随所にあり、そしてサーカス場面はコミカルで古き良き時代のアメリカ・ミュージカル映画の要素が感じられるのです、特にベテラン佳城葵さん、サーカス団長の役がアメリカ映画そのもの!巧い!礼華さん・彩海さんのならず者役、絶妙な小物感を演じておられるのが味わい深いです。
あと公演プログラムには役柄につき細かく紹介されています、大野先生の月組メンバーに対する愛が伝わってきて、ここを読むのも楽しいです。
ショーは「PHOENIX RISING」、豪華豪華なショーです。金ピカで人数も多くにぎやか。フェニックス鳳凰が色んな国を廻ってゆき、その各国にちなんだナンバーと踊りが取り上げられます。目まぐるしくてついていけないほど。中詰めでは客席降りもあります。あと何回かチャンスがあるのでしっかり観てゆきたいと思います。
今回退団の春海ゆうさんと朝陽つばささんの場面があります。同期どうし春海さんと夢奈さん、朝陽さんと英さんが銀橋渡り、感動ものです。
素晴らしい新生月組の舞台、機会がありましたらぜひご覧ください。
(2024.11.20 院長)
2024年
10月
30日
水
壁の飾りをかえました。
八代亜紀「なみだ恋」昭和48(1973)2月作曲:鈴木淳、作詞:悠木圭子
八代亜紀さんは昭和46年9月「愛は死んでも」でデビュー、1~3枚目はそれほど売れず。4枚目「なみだ恋」が120万枚の大ヒット、昭和48年末には第15回日本レコード大賞で歌唱賞を受賞、第24回NHK紅白に初出場しました。
曲は典型的演歌調メロディー。鈴木淳先生はジャズ・ポップスをベースに日本的哀調メロディーを取りこむのが特徴。この曲はポップス色をおさえた作りだと思います。当時流行し始めていた「演歌」スタイルを完全踏襲したことで幅広く人気が出たのでしょう。
改めて譜面を見ますと、短調ではなく長調でした、キーはF(へ長調)、複雑なコード進行はなく、I,IV,Vで構成され安定進行。そして構成音は典型的ヨナ抜きで、F-G-A-C-Dのみです、B♭とEはありません。リズムは4分の3拍子。譜割り(リズム割)はAメロ、A’メロ、Bメロ、サビ、Cメロともにほぼ同じ、終わり部分は必ず3拍長音、リズム面も安定感重視です。
楽器構成では、泣きのサックスに情念を感じ、クリーンなギターに哀愁を感じ、優しいストリングスが諦観を表しています。
安定感とわかりやすさが本作ヒットの理由のひとつだと思います。
ボーカルは八代さんとしては抑制をきかせ、さらっと歌っている気がします。それがますます歌詞世界の哀感を表現しているように感じます。
「演歌」スタイルは昔からあったわけではなく、昭和40年頃から急激に広がった新興のサウンドだったのです。その頃の歌謡曲のメジャーなジャンルとして、ポップス、青春モノ、ラテン、GS、あと黎明期のフォークなど、概ね洋楽志向の音楽がありました。それらに対して、あえて旧来の浪曲・浪花節・民謡などのテイストを取りこんだ「演歌」調を新しい音楽としてレコード会社が生み出したわけです。
本作品は昭和48年ですから「演歌」が発祥しすでに安定期の作品です。このあと、演歌は同様な作品が量産され一大ジャンルに成長します。そして歌謡曲から分離してゆきます。
鈴木淳先生の演歌、かつ八代亜紀さん初期のヒット作、皆様機会がありましたらぜひお聴きください。(204.10.30院長)
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2024年
10月
16日
水
壁の飾りをかえました。
安倍律子「愛のきずな」昭和45年8月作曲:鈴木淳、作詞:加茂亮二
ちあきさん「四つのお願い」に続きこの曲も鈴木淳先生作曲。昔の歌謡曲が大人むけのものであった典型的な作品です。安倍律子21歳にしてこの歌唱、ものすごい貫禄です。唸るようなハスキーボイスにビブラート、そして1コーラス終わり部分には音符無視ともいえるほど長く引っ張る。これはかなり印象付けられます。この曲でデビューし(キングレコード)、セクシーアイドル的な売り出し方もあり人気が出て、いきなり同年末の日本レコード大賞新人賞を獲得しました。
同じ頃、鈴木淳先生は、ちあきなおみ初期作品も担当していました(1枚目「雨に濡れた慕情」44年6月~8枚目私という女46年6月)。ちあきさんも同じくセクシー系で売り出していたのです(コロムビア)。あとは小川知子さんにも43年2月~45年4月にかけて楽曲提供されています(東芝)。小川さんはカワイイ系で売っていました。鈴木淳先生は、この時代のアイドル・ポップ育成に多大な貢献をされています。そしてレコード会社に注目ください、すでに作家専属制度はなくなり、フリーランス作曲家の時代になっているのです。
さて先生の作風はというと、ジャズやポップスが背景にありつつ、感傷的な和風メロディを混ぜるという感じです。つまりちょうどこの時期に流行り始めた「演歌」調を取り入れるのが特徴だと思います。本作品はイントロからAメロが演歌調、しかしBメロに入るとベースとドラムが暴れビート・ポップになる、非常にカッコいいフレーズがあるのです、そしてまたCメロ演歌に戻るという構成です。コードもツー・ファイブ(II→V→I)進行が盛り込まれてたりしてポップス性があるのです。この融合ぶりを味わうのも歌謡曲鑑賞の楽しみです。
皆様、ぜひ一度この鈴木淳作品をお聴きくださいませ。(2024.10.16院長)
さてわざわざ鈴木淳とフルネームで書いているのは、この時代の歌謡曲界には、鈴木姓の作曲家が何人もいらっしゃるからなのです。鈴木邦彦(GS・ポップス系:ゴールデンカップス、ジャガーズ、シャープホークス、ダイナマイツ、黛ジュン、西城秀樹、森田健作など)、鈴木道明(ジャズ・ラテン系:西田佐知子 赤坂の夜は更けて、女の意地、日野てる子ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョーなど)、鈴木庸一(ビッグバンドジャズ、ラテン系:渡辺マリ 東京ドドンパ娘、青江三奈 伊勢佐木町ブルースなど)
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2024年
10月
02日
水
壁の飾りをかえました。
花組「エンジェリックライ/Jubileeジュビリー」宝塚大劇場2024年9月28日〜11月10日
花組、新トップコンビ、永久輝せあさん、星空美咲さんの大劇場お披露目公演です。
お芝居「エンジェリックライ」、ストーリーはファンタジーものです。天使アザゼル(永久輝)とエレナ(星空)の冒険と恋の物語であり、娘エレナと父フェデリコ(凪七)との親子物語でもあります。2つのストーリーが交錯して物語が進みます。設定で「嘘をつけない天使」というのがあるのですが、ここの表現が面白おかしくて楽しめます。凪七さんの重厚で奥深い芝居も見どころです。綺城さんは大天使ラファエル、大マジメで頑固な性格の役です。天使界で同期のアザゼルとは犬猿の仲ですが、でも深い友情がある。綺城さんの実直さが伝わってくる芝居です。綺城さんは今回で退団、歌がすばらしくて実力派のジェンヌさん。花→星→花組とたくさん活躍されてきました。
聖乃あすかさんが悪魔フラウロス役で、見事にサイコパスな表情をされるのです。これは見所です。
ショーは「ジュビリーJubilee」良かったです。何といいますか、じつに格調高いんですよ。まずクラッシックの楽曲が多く使われているのが優雅、特に「月光」の場面は耽美的でした。永久輝さんのいつもの眉間にしわ表情が渋さを醸し出します。特筆すべきは凪七さんのシーン、ほんとに優雅で格調が高まるのです。これこそ凪七さんの持つオーラ、今回で退団されるのがもったいない、宝塚の大きな遺産です。
そして黒燕尾!観ているほうも背筋がピシッとなります、これこそ正統派宝塚。絢爛豪華さ十分、中詰めの客席降りは盛り上がります。永久輝さん、後列まで降りて大サービスです。
私の大好きな男役、泉まいらさん、今回退団で惜しい限りです。ホットな踊り、そして美声の歌手、渋い演技、しっかり見納めていきたいです。ぜひご覧ください。芝居ではエンピレオ場面でタキシード姿・カメラを持った記者役です。レビューでは中詰めでソロを歌い上げます。黒燕尾にて同期(100期)聖乃あすかさんにリフトされる場面は涙を誘いますね。
私が最近注目している、愛乃一真さんも、絶対にオペラグラスを向けていただきたいです。とにかくダンスがキレキレなんです。ポーズの姿勢、手足の角度までカッコイイん。芝居では、天使のダンスでセンター、酒場のお兄ちゃんなど。レビューでは数々場面あり、下手でピックアップで登場、リフトあり、ぜひ見てください。なお本公演で初めて劇場内パネル写真入りされました。
若手、美空まるさん105期(芝居で天使ウタエル、眼鏡と帽子の子)がかわいらしい。今回新人公演の主役ですから楽しみです。
そして胡華詩ちゃん105期、初のエトワール、もともと歌上手で通っていました、見事な独唱に感動です!
あと、院長は光稀れん君(108期)に注目しています。男役らしい貫禄があって、ダンスが上手なのですよ。芝居では警官の制服が合っています、前作ではナチス軍服でした。レビューでは若手ダンサーのピックアップ場面で目を引きました。これからが楽しみです。
見どころたくさんの新生花組、ぜひともご覧ください。(2024.10.2 院長)
2024年
9月
11日
水
壁の飾りをかえました。
ちあきなおみ「四つのお願い」昭和45年、作詞:白鳥朝詠、作曲:鈴木淳(1)、編曲:小谷充
院長が大好きなちあきなおみさん。4枚目のシングルです。この曲が初めてオリコン10位以内、最高4位、37.6万枚のヒット曲となりました。昭和45年(1970)『第21回NHK紅白歌合戦』にも初出場しています。
当時ちあきさんは「お色気アイドル路線」で売り出されていました。初期アイドル時代はミニスカート姿の写真や動画が残っています(2)。「喝采」以降は大人向けでドレスや着物の衣装が多くなりました。
ちあきなおみさんの魅力は何といっても超絶にうまい歌の表現力です。本曲のサビ部分、ひとつ、ふたつ~と四つのお願いを歌い上げるところ、よくお聴きください。歌の表情がすべて違うんですよね、本当にすばらしい。
演奏もいいんですよ。サビのところは歌唱とストリングスがきれいに交錯して最高潮の盛り上がりを創り出すのです。またドラムがグイグイリズムを引っ張るのも味わってください。
なお、B面も良い曲なんです!ピアノの和音がとてもカッコよくて、クールジャズの趣があるのです。そしてビートあふれるこのベース、きっと江藤勲さんが弾いているのだろうと思っています(3)。こちらもぜひお聴きください。
皆様、機会がありましたら、ちあきなおみさんの歌唱をぜひ鑑賞なさってください。(2024.9.11 院長)
(1)作曲の鈴木淳先生は、初期ちあきなおみ作品『雨に濡れた慕情』、『朝がくるまえに』、『四つのお願い』、『X+Y=LOVE』、『別れたあとで』を書いておられます。ほかには伊東ゆかり『小指の想い出』、安倍里葎子『愛のきずな』、小川知子『さよならがこわいの』、八代亜紀『なみだ恋』など60-70年代の名曲を作られています。
(2)ただし昭和45年紅白歌合戦に出場した時は和服、NHKだからでしょうか。この時は客席降りサービスまで付いていました。
(3)江藤さんのベースは、ピック弾きのパチパチ音が入ること、独特のビートとタメを感じることなんです。初期のちあき×鈴木作品のなかでも森岡賢一郎さん編曲で江藤さんの音色が聞けます。ベースだけ聴きながら酒が飲めるサウンドなんです。
ちあきなおみ作品
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2024年
8月
28日
水
壁の飾りをかえました。
星組「記憶にございません!/Tiara Azul-Destino-」宝塚大劇場2024/8/17~9/22
三谷幸喜さん脚本・監督映画の宝塚舞台版、政界コメディです。史上最悪のダメ総理、黒田首相が記憶喪失になり、良い総理に変わってゆく、という話です。最終的には宝塚らしく、いい話かつ愛にあふれるハッピーエンドとなるのです。礼さん、喜劇を熱演そしていつもの様に熱唱します。そして本公演は娘トップの舞空瞳さん退団公演。かわいくて踊りが上手で、礼さんの相手役をしっかり務められた。退団さびしいですな。
喜劇ですから、笑いやドタバタ場面が多いのです。とくに、首相が記憶を失いトンチンカンな言動をするのに対し、井坂首相秘書官(暁千星さん)が大真面目なところが面白いのです。暁さん、何が起こっても一切笑わない!よく耐えるなあと思います。ここ笑うポイントだと思います。なお、礼真琴さん恒例のムチで叩かれ場面もあります。
凄腕の専科 輝月ゆうまさんが、鶴丸官房長官を演じます。これが本当に巧いのです。輝月さん最近の演目で引っ張りだこです。首相の旧友をひろ香祐さんが演じます。礼さん、輝月さん、ひろ香さんと95期の同期で息が合ってるなあと感じました。
若手の活躍も注目です。総理の息子篤彦役の稀惺かずと君と番場事務秘書官役の詩ちづるちゃんも堂々としたもの。ミス・サクランボの鳳花るりなちゃんかわいいです。SPチームの彩紋ねお君、クールなキャラクターを演じます。長身の青風希央君カッコイイですね。皆さんこれからの活躍が楽しみです。
後半のショーはTiara Azul-Destino- スペイン語で「運命の青いティアラ」を意味します。パッション!な星組にピッタリです。熱狂のカルナバルがテーマになっていて、ラテンナンバーを中心に、熱く、ずっと踊り続けている、という印象です。どの衣装も華やかです。礼真琴さんにぴったり。客席降りもあってそれは豪華です。
皆様機会がありましたらぜひ星組の素晴らしい舞台をご覧ください。(2024.8.28院長)
2024年
8月
14日
水
8月は昭和を考える月です。
「聖断 天皇と鈴木貫太郎」半藤一利 著
太平洋戦争で誰が英雄であったかというと、ポツダム宣言受諾まで導いた鈴木貫太郎首相をおいて他ないと思うのです。日本を救ったヒーローです。
海軍軍人、日清日露戦争において水雷艇で活躍、その戦術と勇猛果敢にて鬼貫太郎と称された。連合艦隊司令長官などを歴任。昭和4年~11年、昭和天皇の侍従長を務め、天皇の信頼が厚い。二・二六事件では青年将校から4発も撃たれ瀕死の重傷を負うが生還。その後枢密院議長を務める。
戦局悪化の昭和20年4月小磯内閣が総辞職ののち、天皇から懇願されて内閣総理大臣を拝命、この時既に満77歳の高齢であった。終戦工作に陸軍の徹底抗戦派を抑えて、ポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争を終戦へと導いた。
何事も始めるより終えるほうが難しい。戦争も然りで終戦させることの難しさが伝わってきます。教科書などでは本土空襲→沖縄戦→ポツダム宣言→原子爆弾→ソ連参戦→終戦、と1ページにあっさりまとめられていますが、そんな簡単ではないわけです。
誰が見ても戦争継続が困難な中、表立って終戦を口に出すと、徹底抗戦派からクーデターを起こされ終戦工作がご破算になる危険があります。反対派から命を狙われるかもしれない。そんな中で鈴木首相は奮闘するのです。
なお「日本のいちばん長い日」半藤一利 著は8月14日と15日にスポットを当てた有名作。実際にクーデターの企てがあって、これを間一髪回避して15日正午の玉音放送が実行された、緊迫の24時間が描かれています。なお、終戦の詔書はいちど全文を読まれることをお勧めします。特に後半は良いことが書かれています。
日本が敗戦に至るまでの検証の中で色々な教訓をみることができます。皆様、ぜひお手に取って読んでください。
厳しい暑さが続きます。皆様くれぐれもお身体にお気を付けください。(2024.8.14院長)
2024年
7月
31日
水
壁の飾りをかえました。それにしても暑い!そんな猛暑にはこの曲をお聴きください。
ゴールデンハーフ「チョットマッテクダサイ」昭和46年、作詞作曲:Loyal Garner & Jeanne Nakashima、訳詞:香取治、編曲:川口真
ハーフ・アイドル・グループのゴールデンハーフ最大のヒット曲、オリコン17位まで上がりました。写真左からマリア、エバ、ルナ、ユミ(1)。
曲はソフト・ボッサで、スキャット・コーラスの響きがおしゃれ。そしてピアノも金管もカッコいいんです。このあたり、編曲家川口真さんの腕が冴えわたります。(2)
原曲はハワイのサム・カプーさんによるもので、ハワイアン風ボサノバ。ゴールデンハーフ版のレコードジャケットがハワイアン。なので完全に夏の歌だと思いこんでいました。しかし発売は1971年12月1日完全に真冬です。そして歌詞をよく見ると、桜の季節が舞台で、別れの歌だったのですね。英語と日本語ミックスの歌詞で、片言の日本語「チョトマテクダサイ」が心に沁みるのですよ。"Never leave me Kudasai."って、でたらめな英語日本語ミックス(これは原曲の歌詞通り)ですがこれも聴いているとしみじみですね。
しかし、なぜだかやっぱり夏の歌だと思ってしまいます。
皆様、ゴールデンハーフ「チョトマテクダサイ」ぜひお聴きになって暑さを吹き飛ばしてください。 (2024.7.31院長)
まきの内科クリニックは8月10日(土)~16日(金)お休みをいただきます。8月17日(土)より通常診療いたします。よろしくお願いいたします。
(1)ゴールデンハーフについては当院ブログ2020/08/19「ゴールデン・ハーフの太陽の彼方」もご参考になさってください。。人気TV番組「8時ダヨ!全員集合」アシスタントで大人気でした。マリア(Gメン75の速水涼子刑事で出演、時代劇でも活躍)、エバ(元祖バラドル、天然ボケのコントやギャグが楽しかった)、ユミ(小林ユミさん、実は完全日本人だったことをのちにカミングアウト)、ルナ(解散後セクシー女優を経て引退)
(2)川口真さんの作品、作曲:ちあきなおみ「円舞曲(わるつ)」しばたはつみ「サイレント・トーク」内藤やす子「弟よ」トワ・エ・モワ「ともだちならば」、
編曲:ザ・ベンチャーズ「二人の銀座」安西マリア「涙の太陽」欧陽菲菲「雨の御堂筋」ザ・テンプターズ「エメラルドの伝説」ザ・ドリフターズ「ドリフのズンドコ節」渚ゆう子「京都の恋」森山加代子「白い蝶のサンバ」など
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2024年
7月
17日
水
壁の飾りをかえました。やっと観れました。
雪組『ベルサイユのばら』フェルゼン編 宝塚大劇場2024年7月6日〜8月11日
雪組トップスター彩風咲奈さんの退団公演です。彩風さん、スタイルが良くて、ダンスが上手くて長い手足が映えるスターさんです。院長は彩風さんの芝居が好きでして、咲ちゃん節を聴けるのもこれが最後かと思うと感慨深いです。咲ちゃんは、何と言いますか、一途に強い意志を持ち続ける男を演じるのが巧い(1)!かと思うと男が苦悩する複雑な気持ちを表現する渋い芝居もしてくれるのですよ(2)。咲ちゃん今回も役に入れ込み、鼻水流すほど泣いておられました。
娘役トップ夢白あやさんはマリーアントワネット役。もうね、本当に美しいんですよ。美しさは正義と思います。また演技にも相当力が入っていることがわかります。ここぞという場面ではベルばら的大袈裟なセリフ回しもピタリと合わせていい味わい。そして涙ボロボロ流して迫真の芝居!フィナーレのエトワール独唱もすばらしい。
朝美絢さんのオスカル美しすぎる。縣千さんのアンドレも
さて「ベルばら」は宝塚初演から今年で50周年だそうです。何度も再演され、映像も出回っているので、もはや話の筋は皆が知っている有名作品。どんな場面が次に来るかファンの皆様は周知のとおり。いわば歌舞伎とかオペラみたいな古典芸能に近いような気がします。
ベルばらならではの豪華絢爛な構成も大きな魅力。プロローグの小公子の「ご覧なさい」。そして舞踏会、華麗な衣装の貴婦人たちが詰め詰めに踊る、本当に壮観です。そして軍服群舞。これこそ宝塚・ベルばら。
さて、下級生たちの活躍も見どころです。プロローグと中盤で小公子役センターの紀城ゆりやクン、堂々たる歌と語り部役を披露してくれます。貫禄が出てきたなと感じます。娘役さん音彩唯ちゃんもジャンヌの役で大立ち回り。普段は清楚な娘役が多いが、今回は悪い女を巧く演じています、歌も聴かせてくれます。そしてスター路線の華世京クン、ベルナール役上手いです!以前に比べ声の通りも良くなった、表情芝居も充実、これからもっともっと楽しみです。
さてフィナーレでは彩風さんへのトリビュート・ナンバーが繰り出され、もはやサヨナラショーの様相です。特に"C'est la vie, adieu"は涙を誘ってしまいますね。
皆様機会がございましたらぜひ宝塚の伝統芸能、雪組の「ベルばら」をご覧になってください。(2024.7.20院長)
(1)『蒼穹の昴』 梁文秀、『ライラックの夢路』ハインドリッヒ、『ひかりふる路』ダントン、なんか良かったなあ。
(2)『壬生義士伝』大野次郎右衛門、『ワンス アポン』マックス(=ベイリー長官)、これもいぶし銀の芝居。
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2024年
7月
03日
水
梅雨ですね、壁の飾りをかえました。
日野てる子 「ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー」昭和40年 作詞・作曲:鈴木道明
本作は昭和38~40に複数名の歌手で発表されました(1)。作詞作曲は、鈴木道明(すずき どうめい)さんと云ってラジオ東京(現在のTBS)の社員だったそうです。西田佐知子さんの「赤坂の夜は更けて」や「女の意地」も書いておられます。
日野てる子さんは元々ハワイアン歌手でしたが、「夏の日の思い出」が大ヒットし歌謡曲も歌うようになりました。
なお、当初はA面が「ワンレイニー~」でしたがB面「夏の日」の方が大ヒットし、後にAB面を入れ替え再発売されました(写真のレコード)。
前回の、沢たまき「東京プレイマップ」と同じく、ジャズボッサ風の曲が大人風、フルート、ジャズドラム、シロフォンが本当にカッコイイです。この時期ボサノバが日本の歌謡界に浸透してきたことがわかります。
もともとボサノバはブラジル発祥で、ジョアン・ジルベルト「シェガ・ジ・サウダージ」(2)1958年あたりが嚆矢です。アントニオ・カルロス・ジョビン「イパネマの娘」62年作曲、ジョアンとアストラッドが結婚し63年に米国移住(なお64年にブラジルは軍事政権となった)ちょうどその頃、モダンジャズ~クールジャズの流れをくむウェストコートジャズを実践していたスタン・ゲッツ(Sax)が60年代初頭からボサノバを取り入れ、64年にジョアンと組んでアルバム「ゲッツ/ジルベルト」を発表、これが米国で大好評を得ました。
おそらくこの流れの中で、つまり米国のジャズ経由でボサノバが日本の作編曲家たちに入ってきたんじゃないかと推察しています。
そして以前にも申し上げたように(3)、ポリドール(日本グラモフォン)の録音技術もすばらしい!ジャズクラブで演奏を聴いているかのような臨場感、そしてボーカル目の前で歌っているように感じます。
皆様、雨の日は、ぜひジャズボッサが歌謡曲に取り入れられてきた時代を思いながら、「ワンレイニーナイトイントーキョー」をお聴きください。(2024.7.3院長)
(1)越路吹雪、和田弘とマヒナスターズ、さらにはブレンダ・リー、青江三奈、のちに西田佐知子、八代亜紀さんも歌っています。
(2)当院ブログ2019/07/17 ボサノバを創った男 ジョアン・ジルベルト
(3)2021/10/13 アイドル時代前のかわいい路線「逢いたくて逢いたくて」
(4)なお、この曲は別に有名な話題があります。「ワンレイニーナイトイントーキョー」事件と言って、盗作疑いで裁判になったことがあります。判決はシロでした。調べてみてください。
カテゴリ 音楽
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2024年
6月
12日
水
壁の飾りをかえました。2回連続でオネエです。
沢たまき「東京プレイ・マップ」昭和45年 詞:伊藤アキラ,曲:小谷充
前回ご紹介しましたテレビドラマ「プレイガール」(1)のエンディングに使われた曲です(2)。沢たまきさんのボーカル低音ハスキーで大人の魅力です。
それでもって歌詞もカッコいい!半分は「東京プレイマップ」と街の名前を連呼する、考えようによってはちょっと手抜きな歌詞です。意味のある言葉は少ないですが、短い言葉で大人の男と女のクールな関係が浮かぶ、そんな詞なのですよ。「触れ合うはグラス」なんて最高です。昔の作詞家は巧いですね。
そして曲がジャズ+ボサノバでめちゃくちゃカッコイイんですよ。フルートとビブラフォン(鉄琴)がクール!硬質なベースサウンドは江藤勲さんじゃないだろうか。
なお、2枚目の写真は「プレイガール」の劇伴曲集CDです。こちらは山下毅雄(ヤマタケ)さん(3)作曲でめちゃくちゃカッコイイ。
皆様、機会がありましたらぜひ「プレイガール」サウンドをお聴きになってください。(2024.6.12 院長)
(1)昭和44年(1969)4月7日~昭和51年(1976)3月29日放送。
(2)東京プレイマップは64話(1970年6月22日)~ 82話(10月26日)。その他大部分の回はあのスキャット曲です。
(3)初代ルパン三世のBGMも作っておられます。ヤマタケさんの世界、一度聴いてみてください。
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2024年
5月
29日
水
壁の飾りをかえました。
沢たまき「ベッドで煙草を吸わないで」昭和41年詞:岩谷時子、曲:いずみたく
5/31は世界禁煙デー、日本では5/31-6/6禁煙週間です。現在喫煙をされている方、試しにタバコをやめてみましょう。思いのほか身軽になりますよ(院長経験談)。
さてこの作品は「オネエ」こと沢たまきさんの大ヒット曲です!沢さんは昭和12年生まれ、短大在籍時代にラジオのど自慢入賞をきっかけに昭和31年テイチクからデビュー、ラテンや洋楽カバーっぽい曲を出しましたがあまりヒットせず。ジャズを志向して昭和41年ビクターに移籍した第1弾が本作品です。これA面が「教えて頂だい」で、B面の「ベッドで煙草を吸わないで」(1)の方が大ヒットしたわけです。
作詞作曲は岩谷時子&いずみたく、これまた情緒あふれる作品を送り出すコンビです(2)。大人な内容の歌です。演奏も大人向けのしっとりしたラテンとジャズサウンド。沢たまきの低音ハスキーボイスがぴったり。以前もお話ししましたがまだこのくらいの時代まで歌謡曲は圧倒的に「大人のもの」だったのです。沢さんは本作でイメージがついたのか、このあと大人路線の歌が多くなります。
さてなぜ「オネエ」なのかというと、有名なテレビドラマ「プレイガール」(3)で「女性国際秘密保険調査員」チームのリーダー役を演じ、部下の女子たちに「オネエ」と呼ばれていたからなのですよ。昭和時代では許されたお色気アクションドラマです。チームの女の子たちみんなすべてが60年代テイスト、おしゃれでかわいいい、そしてとりわけ沢さんが大人の魅力めちゃくちゃカッコイイ。
皆様、機会がありましたらぜひオネエの歌を探してお聴きになってください。(2024.5.29 院長)
(1)同じ意味の題名”Don't Smoke In Bed”という英語の歌がありますが別の曲です。1948年作詞・作曲: Willard Robison、 歌手Peggy Lee
(2)同時代の岩谷&いずみコンビ作品:ザ・ピーナッツ「恋のバカンス(1963年)」「ウナ・セラ・ディ東京(1964)」、ピンキーとキラーズ「恋の季節(1968)」 佐良直美「いいじゃないの幸せならば(1969)」など
(3)プレイガール(昭和44-49年)、続編のプレイガールQ(49-51年)人気ドラマで長いこと続きました。まだDVDが発売されています。
当ブログ 禁煙関連の記事
2021/05/19 5.31は世界禁煙デーです/ スモーキンブギ
2024年
5月
15日
水
壁の飾りをかえました。一連のGSシリーズはこの回でいったん締めたいと思います。
ザ・ファントムギフト「魔法のタンバリン」昭和62年(1987)作詞:ピンキー青木、作曲:ナポレオン山岸&サリー久保田
発表年に注目ください1987年です。GSは70年頃に衰退したのですが、その後日本音楽シーンはいろいろ変遷を経て、83-85年頃からニューウェイブやバンドブームなど多様な音楽スタイルが発展しました。その一つの個性的ムーヴメントが「ネオGS」なのです。20年も経ってGSが再評価されたわけです。
80年代の日本は、アイドル全盛の歌謡曲と並行し作編曲が凝った大人向けシティポップやハードロックがメジャーな流れで、最先端の音楽はテクノやニューウェイヴでした。85年頃からバンドブームがあり、そこではパンクやビート系がメインだったと思います。そんな中、60年代のシンプルなサウンドを顧みようという動きのひとつが「ネオGS」なのです(1)。実際はGSを再現するというより、1960年代のロック・サウンドを表現する洋楽寄りのグループが多かったように思います。
ネオGSで本格的に日本のGSサウンドと60年代の雰囲気を盛り込んだのは彼ら「ファントムギフト」でした。メンバーは(敬称略)ピンキー青木(Vo)、サリー久保田(B)、ナポレオン山岸(G)、チャーリー森田(D)と名前も当時のGS風、シンプルな4ピースのロックコンボ構成です。
本曲はインディーズのソリッドレコードからの3作目シングルです。もう歌詞がGSの世界なんですよ。ピンキー青木(1)の詞は神秘的な世界観、それがGSのロマンチシズムとちょうど符合したのです。ナポレオン山岸の超絶サイケギター、サリー久保田のリード・ベース(60-70年代の江藤勲、寺川正興、ルイズルイス加部ベース風)、チャーリー森田のタイトなドラムビート、どれもスゴくかっこいいんですよ。GSとして聴いて再現度が高いですし、ガレージロックとしても本当に名作だと思います。
彼らは同年MIDIレコードから小西康陽プロデュースでLP「ファントムギフトの世界」を発表、これもかっこいい作品でした。その後メンバー間の音楽志向などの違いから89年に活動停止しました。
ネオGSは他のグループの活動もふくめ盛り上がりました。この「60年代サウンドを見直そう」という考えは、その後の「渋谷系」に引き継がれて90年代音楽に足跡を発展したのです。
皆様、機会がございましたら、ぜひとも「ファントムギフト」を探してお聴きください、そして80年代当時のネオGSの熱気を浴びてください。(2024.5.15 院長)
(1)ピンキー青木さん、2024年3月頃に亡くなっていたと発表されました。享年62歳。ご冥福をお祈り申し上げます。
(2)代表的グループ、コレクターズ、ストライクス、ワウワウヒッピーズ、デキシード・ザ・エモンズ、ヒッピー・ヒッピー・シェイクス、レッド・カーテン -(後のオリジナル・ラブ)など
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2024年
5月
01日
水
壁の飾りをかえました。あまりご存知ないかもしれぬGSばかりですみませんです。
ザ・モップス「朝まで待てない」昭和42年(1967)11月、作詞:阿久悠、作曲:村井邦彦
日本のポピュラー音楽史においてGSからロックの流れでザ・モップスは重要なんですよ。GSブームは王子様メルヘン系で売り出すグループが多かったなか、モップスはロック寄りでした。ジャケット写真のメンバー服装もロックですね。まあレコード会社や事務所の意向もあったようです。
さて本作は彼らのデビューシングルです。そして阿久悠さんの本格的作詞デビュー曲でもあるということで歌謡曲の歴史上重要です(1)。さらにモップスと言えば、鈴木ヒロミツのボーカルです。ちなみに皆さんが思い浮かべる鈴木ヒロミツさんは歌手ではなく俳優あるいはコメディアンの姿でしょう。僕も小さい頃はすっかりそう思っていました。そんなことはとにかく鈴木さんのボーカルがものすごい迫力、ロック歌手なんですよ(1)。ぜひお聴きください。彼は英国のアニマルズ(The Animals)のボーカル、エリック・バードン(2)にずいぶん思い入れがあったようで歌唱の雰囲気が似ています。
星勝さんのリードギターも当時流行のサイケデリック・サウンドを体現していて味わい深い。当時のアイドル系GSとは一線を画す特徴あるギターサウンドです。星さんはモップス解散後、音楽プロデュース・編曲家の道に進まれ、ヒット曲を数々手がけました(4)。ぜひwikiを御参照ください。前回も書きましたが、GSって後に大きな業績を残した人がたくさんいるのですよ。
モップスは69年に音楽性の違いから東芝に移籍します。GSブームが69-70年頃に下火になり数々のGSが解散する中、70年以降彼らはニューロックな作風にかわり、74年に解散するまで日本ロック黎明期の名作を残してゆきます。
皆様日本のロックの萌芽のひとつであるザ・モップスのサウンド、機会があればぜひお聴きください。なお、「朝まで待てない」は67年のオリジナル版のほか73年に自身が再録音したバージョンもあり、聴き比べしてください、73年版は当時のサウンドとは思えないくらいの迫力です。
(2024.5.1院長)
まきの内科クリニックは5月1日(水)~5月6日(月祝)お休みをいただきます。5月7日(火)より通常診療いたします。よろしくお願いいたします。
(1)阿久悠「昭和歌謡曲と日本人」河出書房新社 (2017)第五章
"ヒロミツさんとは縁があった。つまり、ぼくの、作詞家としての事実上のデビュー作ーB面になった物は除くーである「朝まで待てない」を歌ったザ・モップスのリードボーカルが、彼であったからである"
"その昔を知らない人のためにぼくは断言する。鈴木ヒロミツはロック歌手だったのだ。"
(3)星勝さんの解説、ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E5%8B%9D
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2024年
4月
16日
火
壁の飾りをかえました。まだまだGSは続きます。
アウト・キャスト「一日だけの恋」昭和42年(1967)年9月
GSが流行したのは67~69年で、その初期からいたグループです。実力はあるものの、人気ではタイガースやスパイダース、テンプターズなどに後れを取ってそれほど売れなかったようです。
この曲は初期メンバー(1)のときのものです。67年ですからまだ歌謡曲化していないGSらしい作品です。特にエレキ(水谷淳さん以下敬称略)、ハモンドオルガン(穂口雄右)なんかすごくいいんですよ。
今回GSの功績というタイトルをつけました。これね、GSというのは短期間のムーヴメントではありましたが、音楽面、文化面、音楽業界に多大な影響を与えました。そして、後世に影響与える人材を多数輩出した功績も極めて大きいのです。その意味ではこのアウトキャストというグループは人材の宝庫です。
ギターの水谷淳、後に水谷公生と名乗り、日本の代表的ギタリスト(2)として名を残し、また作曲編曲でも大活躍。
轟健二(後の松崎澄夫)はキャンディーズをプロデュース、その後音楽プロデューサー、芸能事務所アミューズの社長を務め数々のグループ・アイドルを輩出した。
穂口雄右(キーボード)はアウトキャスト脱退後、他グループやスタジオミュージシャンなど経てキャンディーズの作曲編曲に携わり、以後作編曲家として活躍。
ぜひアウトキャストのOBの皆さんの活躍を調べてください。のちの日本音楽に大きな影響をあたえていることがわかります。皆様、機会がありましたらアウトキャストをお聴きください、そしてGSの功績について思いを馳せてください。(2024.4.17院長)
(1)初轟健二(ボーカル、フルート)、藤田浩一(ギター)、穂口雄右(キーボード)、水谷淳(リードギター)、中沢啓光(ドラムス)、大野良二(ベースギター)
(2)キャンディーズ「春一番」のあのギターの方です
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2024年
4月
03日
水
壁の飾りをかえました。月組宝塚大劇場 2024年3月30日〜5月12日
『Eternal Voice 消え残る想い/Grande TAKARAZUKA 110!』
「Eternal Voice」は月組トップコンビ、月城かなとさん、海乃美月さんの退団公演です。ヴィクトリア女王時代の英国が舞台、謎解きと超能力を組み合わせたファンタジー物語。開始から引き込まれる展開なのだが、途中から複雑になってきて、ちょっと油断している間に話についていけなくなってしまった。
ぜひ予習しておくことをお勧めします。プログラムを購入し「第〇場~誰それが~する」のページをラストまで通読し、できればホームページで人物相関図まで頭に入れて観劇するのがお勧めです。
個々の場面をみると、渋~い台詞のやり取りあり、コミカルな場面もあり、さすが芝居の月組だなあと感銘をうけます。あと何回か観ます。
「Grande TAKARAZUKA 110!」これこそ宝塚という豪華なショーです。プロローグから衣装も踊りもゴージャス。中詰めのスペイン・ショーでは次々に銀橋で歌い継ぎあり、下級生まで銀橋渡りして嬉しいです。そして客席降りもあって大盛り上がりでした。さらに今回退団者5名の銀橋渡り場面に泣きます。演出の中村先生、退団者へ思いやりがこもっています。
風間さんの歌に続いて、初舞台110期生のロケットは長丁場の構成。フォーメーションが複雑かつ変化が目まぐるしく、完成させるのが難しかったんじゃないかな。
雪月という場面では月城さんの来歴が歌詞になっていてしみじみとしますね。
男役群舞は伝統の黒燕尾、月組ならでは渋い男役の魅力です。大階段の真ん中に月城さんが立ち、整然と男役たちが囲む、これだけで感動。
そして「My best friend」それはそれは泣けてしまう名場面ですよ。
豪華&涙のショーでした。
皆様機会がございましたらぜひ月組の舞台をご覧になってください。(2024.4.3院長)
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