ジャパニーズ・ガレージロック シャープホークス

壁の飾りをかえました。まだまだGSは続きます。

シャープホークス「レット・ミー・ゴー!」昭和42(1967)年12月20日作詞作曲:野沢裕二、編曲:三根信宏

 GSとは狭義には「楽器を演奏しながら歌うグループ」なんですが、ここはやや異色で、「シャープホークス」の4人はコーラスグループ、そしてバックバンドが「井上宗孝とシャープファイブ」と別々なのです。

 元々は「ハーフかつ歌って踊れるアイドルグループ」を売り出すコンセプトだったらしいです。80年代世代にはおなじみ安岡力也さんがリーダー格なんですよ。

 メンバー、安岡力也(リキヤ)、野沢裕二(トミー)、鈴木忠男(サミー)、小山真佐夫(アンディ)の4人が「ついておいで」(昭和41年9月)でシングルレコードデビュー。昭和42年前半、小山真佐夫→ジミー・レノンに交替、以後もメンバー交替を繰り返す。

 演奏はリーダー井上宗孝(ドラム) 、三根信宏(1)(ギター) 、古屋紀(ハモンドオルガン) 。1965~66年テレビ「勝ち抜きエレキ合戦」の模範演奏バンドとしてレギュラー出場、別格の実力派バンドなのです。

 本曲は5枚目シングル。サウンドについては、ビート系です。本作のあと68年頃からGS界では歌謡曲調が増えますが、まだそうなる前で洋楽を意識した音作りです。歌については粗削り、上手とは言えません、パワフルさと勢いで乗り切っちゃう。演奏はほんとシッカリしています。井上さんのタイトなドラム、三根さんのファズギターがイントロのフレーズから惹きつけてきます、曲中のギターリフも前ノリで引っ張っててカッコイイんです。ファン歓声を間に入れ、ライブの熱狂感を創り出しています。

 実はこうしたサウンドが後年(1980-90年代)外国で「ジャパニーズ・ガレージロック」とか「ガレージパンク」として高く評価され逆輸入されたことがあるのです。

 日本ガレージ・ロックの名作、シャープホークス(2)・シャープファイブ、皆様機会がございましたらぜひお聴きください。(2024.3.20 院長) 

 

(1)三根信宏さんは、昭和ジャズの帝王、大歌手ディック・ミネさん(参考、宝塚歌劇花組 鴛鴦歌合戦)の息子さんです。

(2)その後の経緯です。内部で68年シャープ・ファイヴが独立しレコード会社を移籍したり、外部要因としては演奏しながら歌うスタイルのバンドが激増しGSブーム主流になったりと、そのような理由で、シャープ・ホークスは徐々に勢いが弱まり、69年に解散となりました。

 

カテゴリ 音楽

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