壁の飾りをかえました。
クレージー・キャッツ「こりゃシャクだった」詞 青島幸男、曲 萩原哲晶 昭和36年
「癪」は腹や胸の激痛、さしこみ、のこととあります。西洋医学が入る前の言葉です。時代劇や時代小説で「持病の癪が」なんて言いますね。痛みといっても胸腹部全般だから範囲が広すぎます。胆石発作、胃潰瘍、狭心症、心筋梗塞、肺塞栓、はたまた大動脈解離まで鑑別診断に含まれるので初療医は困りますね。
「癪に障る」は腹が立つこと、これが転じて「シャクだ」は腹がたつことを表します。そういえば「シャクだ」って関西では使いませんね。
さて、この曲は有名な「スーダラ節」のA面です。
演奏・歌・録音の3つ揃ったジャズの名作だと思います!このバンドの演奏、見事にスウィングしています。大瀧詠一さんが「このバックの演奏は、当時日本のジャズ演奏者のレベルが相当に高かったことを表している。即ち、日本のジャズは戦後米軍がやってきて一朝一夕で隆盛したのではなく、戦前ジャスから連綿と続いたからこそ、これだけレベルが高かったのだ」と解説されていました(1)。
植木等の歌唱は開放感にあふれ、乗りにノっています。そして録音が素晴らしい。モノラル録音なのにまるで目の前で植木等が躍っているようです!当時の東芝の録音技術の高さが実感できます。一度、ステレオ再生装置でスピーカーを2m離してできれば大音量でお聴きください。 (院長)
(1) 大瀧詠一「大瀧詠一の日本ポップス伝 第5回」NHK-FM 1995.8.11放送