宝塚星組「めぐり会いは再び/Gran Cantante!!」

壁の飾りをかえました。

宝塚星組「めぐり会いは再び/Gran Cantante!!」宝塚大劇場2022年4月23日~5月30日

 幸せいっぱいになる喜劇であります。1作目が2011年、2作目が2012年に上演され、今回はさらに続編の3作目です。前作を知っているとより楽しめるポイントが随所にあるらしいので、ぜひ以前の作品も観てみたいと思います。初見でも十分楽しい劇でした。また宝塚オリジナルの作品なので多くのジェンヌさんたちに出番があって良いなあと思いました(1)

 このお話メインテーマは主人公ルーチェ君と王女アンジェリークの恋物語ですが、隠れテーマがモラトリアム若者の成長物語なんじゃないかと思います。レグルス探偵事務所にたむろする大学の元同級生たち(主人公含む)はモラトリアム人生を悩みつつ楽しんでいます。物語が進むにつれて各々自らの道を見つけ大人に成長するのです(2)。

 後半のショーはGran Cantante!! スペイン語で「素晴らしい歌い手」を意味します。礼真琴さんにぴったりです。スペインを舞台に情熱的なショーです。カッコイイです。また専科から名歌手の美穂圭子さんも加わり、歌がハイレベル。構成も見せ方も宝塚歌劇の王道ですね。そして藤井大介先生演出での特徴、男役の女装もあってこれも魅せどころでした!

 主演の礼真琴さんはいつもながらに歌が素晴らしい!歌手のコンサートを聴きに来てるようなもんですよ。芝居では前作柳生十兵衛の重い役柄ではなく、今回はライトでちょっとヘタレな人物像。こういうのも似合いますね。

 ヒロイン舞空瞳さんもかわいいし踊りも上手いしで素晴らしいですね。マラゲーニャの曲デュエットダンス決めポーズはキレキレでした。

 2番手瀬央ゆりあさん、芝居では心優しい友人役、よく合っています。そしてショーでの見せ場は美穂圭子さんとの堂々たる2人歌唱でした。

 綺城ひか理さんは芝居では悪だくみ宰相オンブルを演じます。悪さ加減が堂に入っていますね。ショーでも演出の藤井大介先生が「ゴージャスさ、スケールの大きさを持ったスターで、内面からも大きなオーラが出ていて頼もしい」と評されていて、綺城さんの貫禄がよく出ているなと感じました

 そして今回天華えまさんがいい味出しておられるなあと思います。舞台作家をめざすセシル役、メガネの似合う好青年です。ショーでも自然に眼が行ってしまいます、さすがスター天華さん!

 若手も活躍していました。双子の子役カストル:稀惺かずとクンと、ポルックス:詩ちづるちゃん(ともに105期4年目)が目立っていました。これからの活躍が楽しみです。

 皆様機会がありましたらぜひ星組の素晴らしい舞台をご覧ください。

2022/04/27(院長)

 

(1)外国ミュージカルや他に原作がある作品だと出演人数が少なく、下級生の出番が少ないことがあります。

(2)院長はモラトリアムが相当に長かったので何だか昔のことを思い出しました。

 

カテゴリ 宝塚歌劇 

←前の記事「三味線ロック帰ってこいよ」次の記事「あの素晴しい愛をもう一度」→最新ブログ

クリニックからのお知らせ