2回連続宝塚で恐縮です。
「夢介千両みやげ/Sensational!」宝塚大劇場2022.3.19~4.18
山手樹一郎さんの小説の舞台化で原作は昭和23年だそうです。物語は終止楽しくそしてハッピーエンド、桜の季節にぴったりの劇です。和物ですが楽曲にジャズを取り入れたり、ミラーボールを使ったりと華やかな演出の劇です。
トップ彩風咲奈さん演じる夢介は底抜けのお人よしでおせっかいな青年、力は強いが暴力も争いごとも嫌い。夢介の魅力で周囲の者たちを更生したり幸せにします。これまで彩風さんは重厚な役回りが多く、それが似合う人だと思っていました。今回の役は正反対で愚鈍なくらいの朴訥とした人物像です。見た目のカッコよさではなく人間的な懐の大きさが魅力の役作りが巧いなあと思います。
娘トップ朝月希和さんは美女スリ・お銀の役。夢介にほれ込んで押しかけ女房になります。チャキチャキして、でもかわいいところがある娘像がいいですね。
朝美絢さんは伊勢屋の道楽息子、総太郎を演じます。通ぶって女にもてると思いこんでいます。テーマ曲の歌詞「なんせこの顔この器量もててもててしょうがない」これは美形の朝美さんならでは。こんなに美形なのに大真面目に失敗します、なので総太郎がやらかすたびに客席から笑いがこぼれます。
宙組からやってきた和希そらさんもいい味です。先日宙組でイケメンおじさんを演じていたのに、今回は17歳のスリ!色んな役ができるマルチプレイヤー。後半のショーでも美声の歌そして踊りもパワフル。雪組和希さんの活躍これから楽しみです。
大人気の若手、縣千さんは役名「金の字」、遊び人の金さん、つまり遠山の金さんですね。縣さん大柄でダンスがキレキレでカッコイイんですよ。縣さんこれから本当に楽しみです。
後半のショーSensational !勢いのある華やかなショーでした。キャラバン、黒い瞳、シバの女王など有名曲をふくめジャズ、ロック、フュージョン、ラテンのカッコいい楽曲に雪組生のダンスがめまぐるしく繰り広げられるのです。
今回で退団される綾凰華さん、ショーの中詰めラスト、銀橋ソロ歌唱は自身の思い出を込めた歌詞、そしてフィナーレ彩風さんと2人で銀橋に残って歌うシーンあり感動的ですね。院長が好きなのは黒燕尾シーンです、若手も大勢出演しての壮観な群舞です。
暗い話題が多い昨今ですが、明るい気持ちで元気になる芝居にショーでした。皆様、機会がありましたらぜひ雪組の舞台をごらんください。2022/03/23(院長)
カテゴリ 宝塚歌劇