カテゴリ別一覧 「読書」

2017年

11月

21日

少女マンガが教養だった頃

不思議なことに、私が中高生だった頃、「少女マンガを知っていることが教養」とみなされていました。自分の学校だけかと思っていたら、意外にも超進学校灘高出身の先輩も同じだったのです。あの時代全国で散発的にそんな空気があったのでしょう。
漢籍、文学、哲学を根幹とする昔からの教養主義が昭和40年代に衰退し、代替教養としてのサブカルチャーが浸透しはじめた時期だったのではないかと推察しています。
調べてみますと、昭和49年の宝塚歌劇「ベルばら」(写真右)を契機に少女マンガへの世間の注目が高まり、当時アンダーグラウンドだった文学性の高い作品群(萩尾望都、竹宮恵子、大島弓子、岡田史子etc)が評価されました。少女だけのものであった少女マンガは文化として発掘され広く読まれるようになったのです(1)。私も当時せっせと古本屋に通ってマンガを探しましたよ。文学はまるっきりダメでしたけど。
新しい表現法と難解なテーマで考えさせる文学系作品が増える一方、その揺り戻しとしてわかりやすいドラマチックな物語に回帰する動きもありました。ちょうどその代表が「ガラスの仮面」(昭和51年、写真左)と位置づけられます。
当時もそうでしたが今読んでも大げさな話と画表現でドラマチックすぎるところが魅力です。TVでも特集していましたがあらゆる心情を白目で表現してしまうのも美内すずえ先生の味であります。読み始めるとやめられないんですよね。 (院長)

 

参考(1)米沢嘉博 「戦後少女マンガ史」第7章-70 1980年初出

 

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2017年

3月

22日

最近の読書「歴史で見る不整脈」感動もの!

「歴史でみる不整脈」原著:Berndt Lüderitz 訳:中尾葉子 医学書院

心電計を発明したアイントーベン(アイントホフェン)、房室ブロック研究のヴェンケバッハ、世界初の心臓カテーテルを自分の体で実験したフォルスマン、日本からは房室結節をみつけた田原淳、などなど、循環器のヒーロー列伝です。
当時の心電図、論文の写真が多数掲載されていて、見るたび胸が熱くなります(涙)。

この先生達がいたから、現代の医療があるのですね。
 感動の書籍でした。同業の皆様方、お勧めです!(院長)

 

2016年

3月

02日

「ブラック・ジャックは遠かった 阪大医学生ふらふら青春記」 久坂部 羊 著

筆者の久坂部羊先生は昭和56年卒、私より15年上の大先輩です。外科医から文筆家になられました。
書店で表紙の絵が目に飛び込んできました。阪大の校舎や学生の雰囲気は、私たちの頃もまさにこの絵の感じでした。

私の学年はちょうど医学部移転に重なり、3年生の専門課程から吹田の新校舎に移りました。中之島校舎を知るほぼ最後の学年でした。

作品の中で筆者の阪大時代の思い出が生き生きと描かれています。授業のサボリテクニックを含め「そうそう!」と首肯する箇所が多くあり、あの頃の阪大の自由(放任?)な空気が蘇ってきます。卒後の研修医時代、辛い目に遭い、悔しい思いをし、医者として成長してゆく姿も自分の体験と重なり共感しました。(院長)

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