消えてしまった筋注(その2)

日本で筋注をやらなくなって困ったこと、それは筋注の方が望ましいはずのワクチンでも筋注ができないことでしょう。
ワクチンは大きく分類して不活化ワクチンと生ワクチンがあります。医学的にみると、不活化は筋注の方が効果の高さと副反応の少なさの点でメリットが多いとされています。ところが現在は不活化の筋注が認められるのはごくわずかの種類のみです。
厚生省、製薬業界が昭和40年代の苦い経験から、筋注投与での治験、承認を避けたためといわれています。そのようなわけで、医学的に良いと考えられても制度の面で実施できないのが現状です。
現在、日本小児科学会が厚生労働省に対し、不活化ワクチンの筋注投与を認めることや、予防接種の接種方法等の指針作成などを要望しています。
(参考)不活化ワクチンの例(四種、三種、二種混合、肺炎球菌、Hib、日本脳炎、B型肝炎、インフルエンザなど)、生ワクチンの例(麻疹、風疹、おたふく、水痘など)

 

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