秋の夜中に(2)「夜明けのスキャット」

壁の飾りをかえました。

由紀さおり「夜明けのスキャット」昭和44年 作詞:山上路夫、作曲:いずみたく

 不思議な曲です。ワンコーラスまるまる歌詞なし、スキャットだけという思い切った曲です。2番は歌詞ありです。透き通る歌声、夜にぴったりです。

 もともとスキャットの部分だけ「夜のバラード」(1)という夜のラジオ放送のテーマ曲に使われたそうです。由紀さおりさんはデビュー当初ヒット曲がなくCMやTVラジオ主題歌の仕事が多く、明治製菓のCMも歌っていました。あの有名な「チョッコレート、チョッコレート、チョコレートは明治」も由紀さんです。このラジオ番組は明治製菓の提供だったので由紀さんがテーマ曲の歌手に誘われたということです。作曲のいずみさんが走り書きで書いた楽譜を渡され、その場で「適当に言葉をつけて歌って」と言われたそうです。それでスキャットになったわけです。こんないい加減な経緯で出来た曲ですが番組で放送してみると、問い合わせが殺到しました。そこで歌詞もつけてレコード化されたのです(2)。昭和44年3月10日にリリースされ、100万枚以上の大ヒットになりました。そして同年末の第20回NHK紅白に初出場しています。

 後年、米国のジャズオーケストラ”ピンク・マルティーニ”と由紀さんのコラボアルバム「1969」が世界的大ヒットし(3)、再び「夜のスキャット」が注目されました。

 皆様、静かな夜にぜひ由紀さんのスキャットをお聴きください。2022/11/30(院長)

 

(1)東京放送(現在のTBS)放送期間:昭和41年6月20日 - 46年9月30日、放送時間:月-金 22:40-23:00

(2)この経緯は由紀さおり著「明日へのスキャット」集英社にしるされています。

(3)2011年10月にリリース。カナダ、シンガポール、米国、ギリシャ、日本でチャート獲得。他の「ピンクマルティーニ」作品もおすすめです。院長お気に入りのバンドです。

 

カテゴリ 音楽

←前の記事「星組 ディミトリ/JAGUAR BEAT」次の記事「クリスマス ママがサンタにキッスした」→最新ブログ

クリニックからのお知らせ