アニソン侮るべからず(2)ハクション大魔王

壁の飾りをかえました。

「ハクション大魔王」昭和44年、歌:嶋崎由利 作詞:、作曲:市川昭介

「アクビ娘の歌」歌:堀江美都子、作詞:丘、作曲:和田香苗

 前回に引き続きアニソンです。この曲は音楽好きの間で有名です。

まずイントロ、ギターからしてファズ(1)を使ってジミヘンみたいな音を出しています。そしてベースが物凄いんです。装飾音の多さと上へ下へ動くこのベースラインは、寺川正興さんを思わせます。でも細かいところがちょっと違うようにも聞こえます。いまだ誰の演奏か明らかになっていません。ただ、ベーシストたち憧れの一曲であるらしく、動画で「ハクション大魔王」のベースを演奏するアマチュア多数です。譜面を掲載してくれる人もいます。そりゃこのベースは弾きたくなりますね。このように演奏は完全にロックです。しかし歌のメロディーは演歌なんですね。作曲が市川先生ですから。歌唱は嶋崎由里さん、本当に上手です(2)。

 B面の「アクビ娘」はドラム、ギター、ベースのコンボ構成、タイトなドラムにキラキラの12弦ギターが響いて、ドゥーワップコーラスもあって、まるでリバプールサウンドなんです。歌うは天才少女歌手の堀江美都子さん(3)です。確かTVテロップに12歳と出ていました。12歳でこの歌ですよ、スゴイですね。

 60-70年代、アニソンはスタジオミュージシャン達の実験場だったのではないかと推測するのです。売上枚数やレコード会社の戦略など制約がある歌謡曲よりも、アニメの方が自由な表現ができる場だったのでしょう。毎日TVから流れる上質のサウンドに囲まれ当時のこども達は恵まれていたというべきでしょう。アニソン侮るべからず。(院長)

 

(1)ファズとはギターの音を歪ませる装置です。ディストーション等と同様。ローリングストーンズ「サティスファクション」のイントロを思い出してください。ジミ・ヘンドリックスもファズを多用しました。なお、2020年のハクション大魔王OP曲は奥田民生作曲「サティスハクション」!、もちろんファズギターです。

(2)「みなしごハッチ」と同じ歌手です。「ハクション」での発声法は民謡の影響を感じます。昔、お昼にのど自慢番組で小学生なのにメチャクチャ民謡が上手い子なんかよく出ていましたね。その系統出身でしょうか?

(3)アニソンの女王と呼ばれています。作品は数え切れず。

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