ロカビリー時代のプレスリー

壁の飾りをかえました

今日はLPですエルヴィス・プレスリー"The Comlete Sun Sessions"

2回続けてプレスリーで恐縮です。前回の「ハートブレイクホテル」は大手RCAに移籍後1枚目のヒットでした。プレスリーはその前にテネシー州メンフィスのSun recordsというインディーズレーベルでローカルヒットを飛ばしていました。この1953-55年のSun時代サウンドこそ本当のロカビリーと言えましょう。というよりSunでロカビリーが誕生したと言ってもいいと思います。

「ロカビリー」とは「ロックンロール」と「ヒルビリー」を合わせた造語です。ロックンロールはダンサブルなリズム&ブルース、ヒルビリーは今でいうカントリー&ウェスタン、この融合なのです。

Sun時代のプレスリーは本当にロカビリーの特徴が出ています。

(1)ギャロッピング・ギター、親指でベース音を出し、他の指でメロディーを弾くスタイル。これはカントリーギターでよく使われ、チェット・アトキンスやマール・トラヴィスの職人技が有名です。プレスリー・トリオでは スコティ・ムーアがいい音出しているのです。カントリー要素がベースなのですが、スコッティのオリジナルな面としてブルース的な味わいも表現してくれるのです。

(2)スラッピング・ベース:コントラバスの弦を指板にたたきつけ、パーカッションとしても機能する。Sunに残されているビル・ブラックのベース・プレイは本当にノリが良いのです。ドラムなしでもこんなにビートを出せるなんて!

(3)ボーカルは何より当時としては白人が黒人ぽくブルージーに歌うということが画期的だったわけです。プレスリーの歌唱・リズムが本当に迫力があるのです。今となってはこういうリズム&ブルース的な歌唱法は当たり前になっていますが、これは同時代のいわゆる白人的なポピュラーソングを比較して聴くと歴然と違います。また、ロカビリー独特の唱法としてヒーカップ(しゃっくりのように声を裏返す)、マンブリング(モグモグとあいまいな音で発生する)、も特徴的です。特に"Baby Let's Play House"に顕著です。なおヒーカップは同時代のロックの人たち、バディー・ホリーなども頻用していました。

ロカビリー的な作品としては、"That's All Right"  "Blue Moon Of Kentucky" "Good Rockin' Tonight" "Baby Let's Play House"これらをお勧めします。

ものすごい迫力のサウンドですよ。

皆様、ロカビリー時代Sun recordsのプレスリーをぜひともお聴きになって下さい。(2025.10.15院長)

 

カテゴリ 音楽

←前の記事「ハートブレイク・ホテル」|次の記事→「」 |最新ブログ記事→ 

クリニックからのお知らせ