壁の飾りをかえました。
美空ひばり「真赤な太陽」昭和42年(1967)5月作詞:吉岡治、作曲:原信夫、編曲:井上忠夫
暑い!毎日暑すぎる!
もともと梅雨向けのレコードを準備していたのですが、6月内で梅雨が明けてしまいボツになりました。
そして暑い夏にはエレキです!ワンパターンですみません。
この曲、美空ひばりとがGSを歌うなんて、異色の作品といわれることがあります。しかしながら当時までの美空ひばりのキャリアを考えると、不思議なことでないのです。彼女は少女歌手時代から、上手すぎて何でも歌いこなしていたのです。実際ディスコグラフィーをみますと、そのレパートリーは実に豊富です。通常の流行歌、ロカビリー、スイング、ブルース、マンボ、ドドンパ、ツイスト、浪曲、民謡・・・その時代で流行っているもの(1)はどんな分野でも歌いこなす、そして最終的にひばり節で仕上げて聴かせる、これが美空ひばりのワン&オンリーな魅力なのだと思います。
1964「柔」1966「悲しい酒」くらいから、今でいう「演歌」イメージが定着してしまった気がします。
ともあれ、この曲は当時のGSブームに乗っかった作品ですね。140万枚も売れたそうです。バックの演奏がブルーコメッツという点もシブい。
GSファンからすると、それらしく聴こえないのですが、それは主に3つの理由からでしょうか。作曲の原信夫(シャープスアンドフラッツ)がジャズを提供するつもりで書いた。バック演奏のブルーコメッツが、サックスが入っていたり、大人向けであったりしてGSの中心からやや遠いところにあるのです。あとは美空ひばりの声が上手すぎてかえってGSに合わない。そんなところでしょうか。
この時代の日本ポップス特有の、何でも合わせてみるチャレンジング精神が感じられる名作だと思います。
皆様、美空ひばりのエレキ歌謡をお聴きになって暑い夏を吹き飛ばしてください。 (2025.7.2院長)
(1)1958「ロカビリー剣法」(ロカビリー)、
1959「恋を待つならバス・ストップ」(スイング)、
1960「さのさブルース/ロカビリー芸者」(ブルース)、「泣き笑いのマンボ」、
1961「すたこらマンボ」、「ひばりのドドンパ」
1962「ひばりのツイスト」など