壁のかざりをかえました。
三木聖子「まちぶせ」昭和51年(1976)作詞・作曲:荒井由実(1)、編曲:松任谷正隆
さてこの曲、前回の「Comment te dire adieu (邦題:さよならを教えて)」と譜割り、コード進行が似てるんですよね。ユーミン自身がフランソワーズ・アルディのファンであり「私のフランソワーズ」という曲を作ったほどだったことも合わせると、おそらく「さよならを教えて」をもとにして作曲したのだろうと言われています。
オリジナル歌手は三木聖子さんです。「三木の実体験をユーミンが聞き取り歌詞を書いた」と言われているそうです。
歌詞内容は、少女の恋心を描いたものです。そこには執念といってよいほどの激しい気持ちが描かれています。当時のアイドルは可愛いことが必要だったわけですが、ここまで濃厚な感情を歌わせるのは珍しかっただろうなと思います。さらに三木さんの歌唱もスゴイ、切実な情熱が伝わってくるのです。
なお、おそらく皆様がご存知なのは石川ひとみ(昭和56年1981)版の方だと思います。石川ひとみ版の方がヒットした(2)のですが、歌唱は異なり可愛い少女のイメージでした。
清楚なイメージのアイドル三木さんは1975年4月デビューし、3枚のシングルを出しますが、のどの不調などもあり1977年5月に芸能活動を休止・引退しました。
皆様、ユーミンが書いた情念の曲、機会があればぜひ三木聖子さんの歌唱で一度お聴きください。 (2025.6.4 院長)
(1)歌謡曲ファンでない方に補足しますと、「ユーミン」「松任谷由実」さんのことです。
(2)三木聖子 オリコン最高47位、石川ひとみ オリコン最高6位
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