ゲンズブールの超絶技巧歌詞「さよならを教えて」

壁のかざりをかえました

フランソワーズ・アルディ Françoise Hardy "Comment te dire adieu"邦題「さよならを教えて」1968年 作詞:Serge Gainsbourg, 作曲:Arnold Goland

以前取り上げた辺見マリ「ダニエルモナムール」はフランス風歌謡曲だったのですが、まあ本物のフランス語ほどフランスっぽいものはないわけです。

とりわけこの曲は詞にフランス語の特徴が生かされているのです。

さて本曲はもともとArnold Goland & Jack Goldが書いた"It Hurts to Say Goodbye"という英語の曲だったそうです、マーガレット・ホワイティングのアルバム『The Wheel of Hurt』1966が初出、1967年ヴェラ・リンのカバーがヒットしたということです。

このあと何人もカバーを出し、1968年フランス語歌詞をセルジュ・ゲンズブールがつけたのが、フランソワーズ・アルディの"Comment te dire adieu"なのです。

原曲よりもアップテンポで軽やか、そしてアルディの持つアンニュイな雰囲気がとてもおしゃれ。

楽曲も歌唱もいいのですが、とりわけこの曲はゲンズブールの歌詞にも注目していただきたい。

韻の踏み方がスゴイのです!しかもこの音韻はフランス語ならではのものなんです。

歌詞の節の中と終わりに無理やりといえるほど"x"を使い、その発音が1回目はks(クス)、2回目がフランス語特有のoe(イウとかウーみたいな音)に合わせてるんです、しかもつづりは"x"でも読まない(黙字)という所もフランス的です。例えば歌詞の1行目 prétexteプレテクスト~veuxヴー、2行目réflexesレフレクス~malheureuxマルルー、 3行目expliquesエクスプリク~mieuxミュー、4行目xなし~adieuアデュー。

他の部にはréflexesレフレクス、expliquesエクスプリック、silexシレックス、pyrexピレックス、 perplexeペルプレクス、kleenexクリネックスなどなど。

ゲンズブールの超絶技巧が光るフレンチポップの傑作、皆様ぜひフランス語の歌詞も合わせてご鑑賞ください。 (2025.5.21院長)

 

カテゴリ 音楽

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